今年のCQWWはインドネシアのビッグステーションでマルチ部門の一員として参加させてもらいました。いずれも常設のマルチ局ではないのでコンテスト前にマルチ部門に合わせた設定を準備していますがバンド間のインターフェアに対する対策がまだ途上の状況でした。
YB2DXは来年はハイパワーバンドパスフィルターを用意するつもりといっていましたが、取り急ぎ思いつくのは同軸トラップを挿入して軽減することです。
インドネシアは自国の産業振興を意識としているためと思われますが通関が厳しく、関税も高いので大がかりな設備投資には大きな費用がかかります。
こちらには同軸ケーブルなどもありませんが、日本への一時帰国時に時間があれば製作できればと思いとりあえず、以下の通り製作のための情報をまとめてみました。
1.使用同軸
本件について詳しい情報を提供しているK1TTTはRG-8(外径10.3mm)を使っているが、RG-11(外径10.3mm)やRG-213(外径7.24mm)でも問題ないとのこと。
また、V55VやED1Rで使用実績のあるDH1TWの記事ではRG-213(外径7.24mm)を使っている。
当然のことながらこれらの局はハイパワーでの運用局。
RGはアメリカの軍用規格ですが、外径を日本で一般的な充実ポリエチレン絶縁の同軸ケーブルと比較してみると以下の通りで、5D2Vで問題ない。
外径(mm) 外径(mm)
5D2V 7.5 RG-213 7.24
8D2V 11.5 RG-8 10.3
10D2V 13.7 RG-11 10.3
このスタブフィルタは特に同軸を展開する必要はなく束ねても効果は変わらないので束ねやすいケーブルがベター。
各バンド用のフィルター構成は次の通り。
15mにおける40m除去用のJA7YAAトラップ
2.構造
基本的に1/4λ長の同軸ケーブルをオープンまたはショートにすることで、高周波の周波数の違いによってインピーダンスが異なるため、特定の周波数は通過するが特定の周波数はカットする、という動作を利用するもの。
なお、製作に当たっては物伝送線路上の電磁波の波長を使う必要があるので、波長短縮率を考慮する必要あり。
5D2Vの短縮率は一般に約67%。巷の評価ではフジクラは短縮率にバラツキがなく性能が安定しているとのことであるが、その他のメーカーはバラつきがあるとの話もあり。
従って、アンテナアナライザーやベクトルネットワークアナライザーなどを使って調整するのがベター。
ちなみに、MFJアナライザーを用いた1/4λスタブの測定方法についてはこちらを参照。
より高い精度を求めようとすると、CWとSSB用に別設定が必要かという問題がありますが、DH1TWのベクトルネットワークアナライザーのスクリーンを見てもバンド内であれば特性がそれほど急峻ではないように見え、過去K1TTTのところで運用していますが特に別々にしていたようでもなかったと記憶しているので、CWバントとSSBの中間の周波数で調整すればよいと思います。
まあ、CWのみとかSSBのみなどこだわりがある場合はそちらの周波数に合わせて調整してもよいでしょう。
3.挿入場所
基本的にリニアアンプ(送信機)とアンテナの間に接続。K1TTTによればリニアアンプ(またはその直後のメーター)の直後がベター。先に記述の通り束ねても問題なし。
4.注意点
オープンスタブの先端は電圧最大となるため危険なので、しっかりと絶縁が必要。
DH1TWは先端に対して外被覆は2cmほど短くした上で自己融着テープなどで絶縁することでアーキングの発生を避けることとしている。
マルチマルチ用で全てのバンドに対して準備しようとすると11本も用意しないといけないので、まずは干渉の大きいバンドを優先して導入していくのが現実的そうです。
先日の運用ではハイバンド同士の干渉はあまり気にならなかったので、15m・20mと40m・80mの間での対策からというところでしょうか。
あくまでも実用を目的とした備忘録です、情報の参照元は以下の通りです。
K1TTT
DH1TW
JG7PSJ
JI0VWL
給電線(ケーブル)の波長短縮率について
YB2DXは来年はハイパワーバンドパスフィルターを用意するつもりといっていましたが、取り急ぎ思いつくのは同軸トラップを挿入して軽減することです。
インドネシアは自国の産業振興を意識としているためと思われますが通関が厳しく、関税も高いので大がかりな設備投資には大きな費用がかかります。
こちらには同軸ケーブルなどもありませんが、日本への一時帰国時に時間があれば製作できればと思いとりあえず、以下の通り製作のための情報をまとめてみました。
1.使用同軸
本件について詳しい情報を提供しているK1TTTはRG-8(外径10.3mm)を使っているが、RG-11(外径10.3mm)やRG-213(外径7.24mm)でも問題ないとのこと。
また、V55VやED1Rで使用実績のあるDH1TWの記事ではRG-213(外径7.24mm)を使っている。
当然のことながらこれらの局はハイパワーでの運用局。
RGはアメリカの軍用規格ですが、外径を日本で一般的な充実ポリエチレン絶縁の同軸ケーブルと比較してみると以下の通りで、5D2Vで問題ない。
外径(mm) 外径(mm)
5D2V 7.5 RG-213 7.24
8D2V 11.5 RG-8 10.3
10D2V 13.7 RG-11 10.3
このスタブフィルタは特に同軸を展開する必要はなく束ねても効果は変わらないので束ねやすいケーブルがベター。
各バンド用のフィルター構成は次の通り。
15mにおける40m除去用のJA7YAAトラップ
2.構造
基本的に1/4λ長の同軸ケーブルをオープンまたはショートにすることで、高周波の周波数の違いによってインピーダンスが異なるため、特定の周波数は通過するが特定の周波数はカットする、という動作を利用するもの。
なお、製作に当たっては物伝送線路上の電磁波の波長を使う必要があるので、波長短縮率を考慮する必要あり。
5D2Vの短縮率は一般に約67%。巷の評価ではフジクラは短縮率にバラツキがなく性能が安定しているとのことであるが、その他のメーカーはバラつきがあるとの話もあり。
従って、アンテナアナライザーやベクトルネットワークアナライザーなどを使って調整するのがベター。
ちなみに、MFJアナライザーを用いた1/4λスタブの測定方法についてはこちらを参照。
より高い精度を求めようとすると、CWとSSB用に別設定が必要かという問題がありますが、DH1TWのベクトルネットワークアナライザーのスクリーンを見てもバンド内であれば特性がそれほど急峻ではないように見え、過去K1TTTのところで運用していますが特に別々にしていたようでもなかったと記憶しているので、CWバントとSSBの中間の周波数で調整すればよいと思います。
まあ、CWのみとかSSBのみなどこだわりがある場合はそちらの周波数に合わせて調整してもよいでしょう。
3.挿入場所
基本的にリニアアンプ(送信機)とアンテナの間に接続。K1TTTによればリニアアンプ(またはその直後のメーター)の直後がベター。先に記述の通り束ねても問題なし。
4.注意点
オープンスタブの先端は電圧最大となるため危険なので、しっかりと絶縁が必要。
DH1TWは先端に対して外被覆は2cmほど短くした上で自己融着テープなどで絶縁することでアーキングの発生を避けることとしている。
マルチマルチ用で全てのバンドに対して準備しようとすると11本も用意しないといけないので、まずは干渉の大きいバンドを優先して導入していくのが現実的そうです。
先日の運用ではハイバンド同士の干渉はあまり気にならなかったので、15m・20mと40m・80mの間での対策からというところでしょうか。
あくまでも実用を目的とした備忘録です、情報の参照元は以下の通りです。
K1TTT
DH1TW
JG7PSJ
JI0VWL
給電線(ケーブル)の波長短縮率について
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