子ども達のための自然学校・イエティくらぶ

NPO法人ねおすが主催する「子ども達のための自然学校『イエティくらぶ』」の活動報告をアップしています。

遊んで学ぶ防災キャンプ

2013年03月30日 18時25分56秒 | 東川校

 

今年も大雪山自然学校で、防災キャンプが実施されましたよ。

東日本大震災をきっかけに始まったこのキャンプ、今回で2回目の実施です。

それにしても今年は雪が多いですね。まだまだ雪で遊べます。

というわけでまずはそりすべりに出かけます。

低い場所で滑る子もいましたが、最初からキトウシ山の山頂を目指した子もいました。

山頂からの大滑降はそれはそれは気持ちよかったことでしょう。

春は気温も高く、水分補給が欠かせません。ついでにおやつも補給です。

普通のそり遊びに飽きると、どんどん次の遊びを展開していきますよ。立ち乗りは定番!

ここは3人で何かを作っているようですが…

何とお風呂とのこと!雪はいろいろ楽しめますね。

これがもしかしたら今シーズン最後の雪遊びになるのでしょうか。

 

今日は気温が上がってみんなのウェアはびしょびしょです。

防寒靴をはいてきた子は、中まで濡れてしまいました。乾燥室を作って全力で乾かします。

お風呂で汗を流してきて、時間が空いたら自由遊び。

馬跳びもやってます。

明日からは防災キャンプですからね。そろそろ準備を始めましょう。

今日の夜プログラムは、「段ボールスリッパづくり」です。

自分の足に合わせて、自由に作る活動です。

物がないなら工夫して作る!!そんな気持ちにあふれた時間でした。

中にはスリッパ以外にもいろいろ作っていた人も…。

 

2日目、防災キャンプスタートです。

昨年と同じく「なんでこのキャンプをやろうと思ったのか。」スライドでみんなに説明します。

「僕らの仲間が被災したのがきっかけ。」

今も頑張っている仲間のためにも、北海道でできる防災活動をしたかったのです。

 

今回は昨年12月に登別市で起きた、停電をイメージしました。

冬の北海道で、電力が3日間来ない間、多くの人が避難所で生活をしていました。

つまり冬に電気が止まると、北海道はどこでも被災してしまいます!

 

特に東川町は全長井戸水ですから、ポンプが止まれば水も使えません。

今回は東川町の旭岳源水だけでなく、美瑛町の忠別湧水にも出かけました。

冬は雪に閉ざされていますが、水はこんこんとわき出ています。

飲み水が手に入る環境というのは、本当にありがたいことです。

 

お昼ご飯は野外で食べました。

天気がいいので気持ちが良いのですが、何せ風がまだまだ冷たいです。

こうやってアスファルトに寝転ぶと、なかなかの暖かさでした。

ちなみにこれは閉鎖された公園道路です。車の心配はありません。

なんか、調子に乗って遊んだりしてます。

 

午後は森に柴刈りへ出かけました。

停電時、LPガスで煮炊きをしていれば安心ですが、オール電化の場合はお湯も沸かせなくなります。

木に引っ掛かっていて、よく乾燥した枝を集めます。

雪に落ちているものは湿っていてなかなか火が付きません。

これだけあれば、十分に火が起こせますね。

さらに森の奥へ進んでいきましょう。狙うは立ったまま枯れている細い木です。

 

途中で頬の実を見つけました。アイヌはお茶にするそうですね。

拾っていくかい?と提案しましたが、子どもには不人気のようです。

その後無事に細めの木を手に入れました。さてこれで今日はご飯を作ります。

東川町は米どころ。というわけで、農家さんからお米を購入します。

 

帰ってきたらいよいよ本格的にスタートです。

コミセン内にテントを張り、まずは寝床を確保。そして料理にとりかかります。

こちらの班はダッチオーブンでいも、にんじん、肉を料理します。

こちらはキャベツのスープとお米担当。においをかいで、焦げていないかチェックします。

はたして、おいしい料理が出来上がりました。

しかし暗いので光を当てないと良く分かりません。

夕食はろうそくの光でいただきます。なかなかいい雰囲気になりました。

このころから室温が下がり始めます。

室内に張ったテントはこんな感じです。テントの中は人の熱で暑いくらい。

みんな防災も忘れて大騒ぎしていました。

 

 

3日目

6:30にようやく起きてきました。

寒さのせいか、ボーっとしている子が多いです。

やはり朝は寒かったようで、目覚めはいまひとつといったところ。

室内では作ったスリッパが大活躍です。これをはくだけで意外な温かさがあるんですね

今日も室内調理から、屋外火起こしの流れで作業が進みます。

豚汁班は切るものが多くて大変だ。

お米班は昨日若干焦げた失敗を今日は修正します。

しっかりとおいしいお米が炊けました。

キトウシ山からとってきたわずかな薪で、2食分の熱量をいただくことができました。

すべての人がこんな生活はできませんが、自然の偉大さを感じられます。

 

朝ご飯が終わって、防災モードは終了。暖かくなった室内で片づけを始めます。

宿泊のキャンプは自分のことを自分でやるのがルールですが、防災キャンプでもそれは一緒です。

あたたかく寝る。

作って食べる。

しっかり出す。

いつでも何かあった時でも、健康で過ごす基本を積み重ねることが、

本当の防災なのかもしれません。

 

普段の生活に戻っても、基本とちょっとした工夫の心を持ち続けてもらえたら嬉しいです。

送り出していただいた保護者の皆様、ありがとうございました。

 

遊んで学ぶ防災キャンプ

 

大雪山自然学校 小林峻(しゅんちゃん)