今年も大雪山自然学校で、防災キャンプが実施されましたよ。
東日本大震災をきっかけに始まったこのキャンプ、今回で2回目の実施です。
それにしても今年は雪が多いですね。まだまだ雪で遊べます。
というわけでまずはそりすべりに出かけます。
低い場所で滑る子もいましたが、最初からキトウシ山の山頂を目指した子もいました。
山頂からの大滑降はそれはそれは気持ちよかったことでしょう。
春は気温も高く、水分補給が欠かせません。ついでにおやつも補給です。
普通のそり遊びに飽きると、どんどん次の遊びを展開していきますよ。立ち乗りは定番!
ここは3人で何かを作っているようですが…
何とお風呂とのこと!雪はいろいろ楽しめますね。
これがもしかしたら今シーズン最後の雪遊びになるのでしょうか。
今日は気温が上がってみんなのウェアはびしょびしょです。
防寒靴をはいてきた子は、中まで濡れてしまいました。乾燥室を作って全力で乾かします。
お風呂で汗を流してきて、時間が空いたら自由遊び。
馬跳びもやってます。
明日からは防災キャンプですからね。そろそろ準備を始めましょう。
今日の夜プログラムは、「段ボールスリッパづくり」です。
自分の足に合わせて、自由に作る活動です。
物がないなら工夫して作る!!そんな気持ちにあふれた時間でした。
中にはスリッパ以外にもいろいろ作っていた人も…。
2日目、防災キャンプスタートです。
昨年と同じく「なんでこのキャンプをやろうと思ったのか。」スライドでみんなに説明します。
「僕らの仲間が被災したのがきっかけ。」
今も頑張っている仲間のためにも、北海道でできる防災活動をしたかったのです。
今回は昨年12月に登別市で起きた、停電をイメージしました。
冬の北海道で、電力が3日間来ない間、多くの人が避難所で生活をしていました。
つまり冬に電気が止まると、北海道はどこでも被災してしまいます!
特に東川町は全長井戸水ですから、ポンプが止まれば水も使えません。
今回は東川町の旭岳源水だけでなく、美瑛町の忠別湧水にも出かけました。
冬は雪に閉ざされていますが、水はこんこんとわき出ています。
飲み水が手に入る環境というのは、本当にありがたいことです。
お昼ご飯は野外で食べました。
天気がいいので気持ちが良いのですが、何せ風がまだまだ冷たいです。
こうやってアスファルトに寝転ぶと、なかなかの暖かさでした。
ちなみにこれは閉鎖された公園道路です。車の心配はありません。
なんか、調子に乗って遊んだりしてます。
午後は森に柴刈りへ出かけました。
停電時、LPガスで煮炊きをしていれば安心ですが、オール電化の場合はお湯も沸かせなくなります。
木に引っ掛かっていて、よく乾燥した枝を集めます。
雪に落ちているものは湿っていてなかなか火が付きません。
これだけあれば、十分に火が起こせますね。
さらに森の奥へ進んでいきましょう。狙うは立ったまま枯れている細い木です。
途中で頬の実を見つけました。アイヌはお茶にするそうですね。
拾っていくかい?と提案しましたが、子どもには不人気のようです。
その後無事に細めの木を手に入れました。さてこれで今日はご飯を作ります。
東川町は米どころ。というわけで、農家さんからお米を購入します。
帰ってきたらいよいよ本格的にスタートです。
コミセン内にテントを張り、まずは寝床を確保。そして料理にとりかかります。
こちらの班はダッチオーブンでいも、にんじん、肉を料理します。
こちらはキャベツのスープとお米担当。においをかいで、焦げていないかチェックします。
はたして、おいしい料理が出来上がりました。
しかし暗いので光を当てないと良く分かりません。
夕食はろうそくの光でいただきます。なかなかいい雰囲気になりました。
このころから室温が下がり始めます。
室内に張ったテントはこんな感じです。テントの中は人の熱で暑いくらい。
みんな防災も忘れて大騒ぎしていました。
3日目
6:30にようやく起きてきました。
寒さのせいか、ボーっとしている子が多いです。
やはり朝は寒かったようで、目覚めはいまひとつといったところ。
室内では作ったスリッパが大活躍です。これをはくだけで意外な温かさがあるんですね
今日も室内調理から、屋外火起こしの流れで作業が進みます。
豚汁班は切るものが多くて大変だ。
お米班は昨日若干焦げた失敗を今日は修正します。
しっかりとおいしいお米が炊けました。
キトウシ山からとってきたわずかな薪で、2食分の熱量をいただくことができました。
すべての人がこんな生活はできませんが、自然の偉大さを感じられます。
朝ご飯が終わって、防災モードは終了。暖かくなった室内で片づけを始めます。
宿泊のキャンプは自分のことを自分でやるのがルールですが、防災キャンプでもそれは一緒です。
あたたかく寝る。
作って食べる。
しっかり出す。
いつでも何かあった時でも、健康で過ごす基本を積み重ねることが、
本当の防災なのかもしれません。
普段の生活に戻っても、基本とちょっとした工夫の心を持ち続けてもらえたら嬉しいです。
送り出していただいた保護者の皆様、ありがとうございました。
遊んで学ぶ防災キャンプ
大雪山自然学校 小林峻(しゅんちゃん)