2015-0610-man1763
万葉短歌1763 倉橋の1610
倉橋の 山を高みか 夜隠りに
出で来る月の 片待ちかたき 沙弥女王
1610 万葉短歌1763 ShuE174 2015-0610-man1763
□くらはしの やまをたかみか よごもりに
いでくるつきの かたまちかたき
○沙弥女王(さみの おほきみ)=未詳。この一首。
【編者注】題詞は「沙弥女王歌一首」。「雑歌(09-1664~1765 一〇二首)」の第100首。左注に、この歌は間人宿祢大浦(はしひとの すくね おほうら)歌(03-0290、下記注)の結句を変えただけで、「正指(せいし)」不明だから重ねて載せる、と。同所で編者注は、本歌取りの先駆と記す。「厳密には歌は二つなのであって、双方正しい」と依拠本。
【訓注】倉橋(くらはし)[奈良県桜井市音羽山?]。夜隠り(よごもり=夜牢)。
【編者注-間人大浦歌】03-0290歌
倉橋の 山を高みか 夜隠りに
出で来る月の 光乏しき 間人宿祢大浦