2020-0106-man3471
万葉短歌3471 しまらくは3216
しまらくは 寝つつもあらむを 夢のみに
もとな見えつつ 我を音し泣くる ○
3216 万葉短歌3471 ShuG457 2020-0106-man3471
□しまらくは ねつつもあらむを いめのみに
もとなみえつつ あをねしなくる
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第17首。女。
【訓注】しまらく(思麻良久)[「<しましく>に同じ。平安朝には<しばらく>となる。」 02-0119須臾毛(しましくも)、-0137須臾者(しましくは)、など]。夢(いめ=伊米)。もとな(母登奈)[「元無し」で、わけもなく、処置なく」]。我を寝し泣くる(あをねしなくる=安乎祢思奈久流)[-3362(或本歌)安乎祢思奈久流。下記注]。
【編者注-泣く】中央語では自カ四(か・き・く・く・け・け)で、「悲しみなどで声を立て涙を流す」。上代東国方言では他カ下二(け・け・くる・くれ・けよ)で、「泣かせる」。「寝し」の「し」は、強意の副助詞で、体言、活用語連用形・連体形、副詞、助詞などに付くが、とくに訳す必要はない。(『詳説古語辞典』参照)