風の記憶

≪記憶の葉っぱをそよがせる、風の言葉を見つけたい……小さな試みのブログです≫

小さい秋に小さい花が咲いた

2020年10月30日 | 「新エッセイ集2020」



思いがけず、朝顔の花が咲いた。
とても小さな花だ。
夏はとっくに終わって、朝はもう、冬らしい寒さなのに。
さようなら、いろいろな小さなもの、ありがとう。
子どもの頃、よく歌っていた歌を、突然おもいだした。

  ちさいはあな はこべのはあな
  おかあさんの はな
  よなかに そっとさいた
  いつもぼくを みてるはな
  ちさいはあな はこべのはあな
  おかあさんの はな

最近はいろいろなことを忘れることが多くなった。
それなのによく、今まで憶えていたものだ。
ちさいはあな……
そんな小さな花が、
ぼくの記憶の庭のどこで咲いていたのだろう。

 


最後の朝顔

 

 

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