報道文は、北京での協議を「朝日(日朝)平壌宣言に従い、不幸な過去を清算し、国交正常化を実現するための実務会談」と位置付けた。その上で「双方は相互の関心事となっている懸案問題の解決に関し、真摯(しんし)に協議した」と評価し、北朝鮮側は拉致被害者の再調査など2項目、日本側は経済制裁で一部解除する3項目を盛りこんだとした。
日本側が発表した「拉致問題は解決済みとの立場の変更」には触れなかった。(共同)
北朝鮮側の言動や「誠意」をまったく信用できないので、北朝鮮側の言うところの拉致被害者の「再調査」という言葉が、どの程度の意味を持つのか想像もできません。日本人の多くがこの全く信頼できない相手に翻弄される不安を抱えていることでしょう。北朝鮮にとって、拉致誘拐事件は、日本に見返りのお金やら援助を迫るという目的のための、「きっかけ」でしかないように見えます。隙あらば、要は「経済援助」をものにする目的さえ達すれば、できれば「終わったこと」にしたいところなのでしょう。
北朝鮮側の発表では、日本側が発表した「拉致問題は解決済みとの立場の変更」には触れていない、とのこと。彼らが拉致問題は解決済みとするかもしれないという懸念を感じます。これではもう既に、日本側の意向が重要視されているとは思えません。
(北朝鮮側がよど号乗っ取り犯の引き渡しへの協力を前面に出してきたことにも警戒感(MSN産経記事)・・・これも唐突な話。自分から望んで北朝鮮に渡った人々を返還する。これらに何の意味があるのか・・)
一部解除する3項目とは具体的に何なのでしょう。伊吹氏のいうように 最低限、「拉致問題をそのままに万景峰(マンギヨンボン)92など北朝鮮の船を入港させてはいけない」と思います。 拉致問題の進展成果を見極め、手にするまで、経済制裁一部解除や万峰号の入港は見合わせるべきでしょう。この国相手に、先に「見返り」を渡すことは愚かです。向こうの都合次第で、いつこの問題は終わりとされるかわかったものではありません。