予算規模、国債発行額…鳩山政権で目立つ数字の独り歩き (1/2ページ)
平成22年度予算の一般会計総額や新規の国債発行額をめぐって、閣僚の発言が相次いでいる。仙谷由人行政刷新担当相や藤井裕久財務相が予算規模を92兆円程度に収める意向を示したのに続き、平野博文官房長官も19日、「もっと切り込んでもらいたい」と、言いたい放題だ。しかし、税収や景気の見通しが立たない段階で設定した目標には根拠がない。21年度補正予算の見直しをめぐっても数字が独り歩きしたが、同じことが繰り返されようとしている。
概算要求が出そろったばかりの段階で、早くも最終的な予算規模の数字が飛び交っているのは、要求総額が約95兆円と過去最大に膨張したことへの鳩山政権の“焦り”にほかならない。しかも概算要求には、見かけ上の予算を少なく見せかけるため、要求時点では具体額を明示しない「事項要求」が多用されている。今後の予算編成作業で獲得を目指す手法だけに、実際の要求額はさらに膨らむことは確実だ。
このため、与党の議員からも「ここまで予算が膨らむと説明がつかない。選挙で勝てない」と、将来の国民負担が増大するというイメージが広がることへの懸念も出てきた。藤井財務相も「(予算は)必ず切る。このままじゃまずい」と、財務省と行政刷新会議が中心となって厳格査定を進める考えだ。
だが、「予算規模92兆円」の発言の根拠は薄い。概算要求にどこまで切り込めるかは今後の査定作業にかかっているからだ。査定の現場である財務省からは「補正予算で3兆円近く削れたから(92兆円と)言ったのだろうが、補正予算と本予算では性格が違う」(幹部)と冷ややかな声も上がる。
補正予算の見直しでは、「3兆円削減」という数字が独り歩きした。そもそも3兆円の根拠は不明確で、政権誕生前に藤井財務相(当時は党最高顧問)が「3兆~4兆円は出る」と発言した程度だ。だが、3兆円確保が困難になると、今度は「数字が独り歩きしすぎた」(鳩山由紀夫首相)と火消しに走る場面も見られた。
数字が独り歩きしているのは、国の借金である国債の新規発行額も同じだ。藤井財務相は来年度の新規国債発行額について、21年度の44兆円より「少なくしたい」と、借金が野放図に増えないよう国債増発にくぎを刺した。だが、44兆円は21年度当初予算で発行を決めた約33兆円と、補正予算時の約11兆円を合算した金額だ。民主党内からも「当初予算より減らさなければ、無駄の撲滅を掲げて選挙を戦った意味がない」(関係者)と、政府の対応をいぶかる声もある。
さらに菅直人副総理・国家戦略担当相は19日、「税収が40兆円を切れば、穴埋めに国債発行が必要」と赤字国債を増発する可能性を示唆した。
財政問題に詳しい東大の岩本康志教授は「司令塔が誰だか分からない。思惑で発言すると(政府の意思が)不明確になる」と指摘、予算規模や国債発行額で足並みがそろわない閣僚たちに疑問を呈している。(田端素央、坂本一之) (MSN産経)
”とにかく削らないとまずい!!”という焦りが、閣僚の一致した思いだと言うことだけは伝わってきます。民主党の言うことって、選挙時から現在まで、一貫して「根拠がない」。その場になってから考える・・。
「司令塔が誰だか分からない」なんて言われていますよ。 鳩山首相の存在感は日に日に希薄になっているようで、現時点でもう見えない? ネクタイは金ピカなのに。