「帆」39号 佐藤よしみ個人誌
一首目の
取っておいた月見うどんの満月が不意に破れぬ 不意は切なし
がとても好きです。「月見うどんの満月」という喩が良いですよね。
卵だけではなく何か不条理なものも感じられるのです。
と、歌友からLINEがあって佐藤さんにLINE転送しましたよ。
個人誌の良いところは結社誌や同人誌よりも
うたや文章を読んでもらえる可能性があるところ。
ボクの孤人誌「晴詠」は写真だけ見てもらってるようですけど。
では佐藤さんの「さくら散る」よりボクの好きなうたを紹介します。
ほどほどの寂しさなればうみかぜをほどほど浴びてまた歩みだす
不機嫌は伝染をする起き抜けの言葉は選びコーヒーを飲む
友の手に渡らなかったいちまいの葉書ちぎれば桜花のごとし
1首目は佐藤さんお住まいの横須賀の海が思われる。
2首目は孤独なボクにだってイヤなほど経験がある。
人間は一人が良い。失う哀しみを知らなくていいからね。
3首目はハガキをちぎるイメージが実感できる。