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深海1000メートルに光りたるキンメを思い他は思わず
寒くなると釣りを思い出す。
思い出すとは忘れていたということだ。
釣り師は一年中、魚を求めるけれども季節は冬。
深海の釣りは仕掛け作りから始まる。
幾晩もかけて大きなハリをいくつも結び
投入時に絡まないように仕掛け枠に巻いておく。
それを10セットくらい。
投入に小一時間、巻き上げに小一時間かかるわけで
一日に何回も釣るチャンスはなく仕掛けは使い捨て。
深海に棲むキンメを探る釣りは船で仮眠をとる。
夜明けにはキンメのポイントである。
新島や三宅島の周辺が多かったように思う。
深海に仕掛けが下りると船頭がキンメのポイントまで
仕掛けを引きづってゆく。そして待つ。
アタリがあってもなくても船頭の指示を待つ。
勝手に巻き上げると仕掛けがこんがらがって大混乱となる。
仕掛けが絡めば食いついたキンメが外れてしまうわけだ。
待つ釣りだから待っている時間を
哲学的な思考に使いそうだが
深海に群れているはずのキンメ以外なにも思わないのである。
これって不思議。