詩歌探究社 蓮 (SHIIKATANKYUSYA HASU)

詩歌探究社「蓮」は短歌を中心とした文学を探究してゆきます。

人生訓

2019-09-07 11:48:58 | 千駄記


今日は薄曇り。
土曜日。休日出勤者がたくさんいて
嬉しくも嬉しくない悲鳴をあげます。
やる気は大切。納期も大切。経営術も大切です。

何事も思い通りにいかないのはすべて自分が悪い

ずいぶんと昔、大社長である先代が何を思ったか
カレンダーの裏にマジックで書き
事務所の壁に掲げた書です。

父の書く文字にしてはマシに書けている方で
文脈がちとおかしい気がしないでもないですが
言わんとしていることはわかります。
が、これを言っちゃ身も蓋もないじゃねーか
と思ったのも事実です。
自己責任論から生まれた言葉でしょうけれども
極論だわ。と今でも思うには思います。

実際父は79歳にして車椅子の生活になり
いまは施設に暮らしています。
その段取りは私たち兄妹でやったことです。
清潔なワンルーム暮しで三食出るし、ある程度の
世話もしてもらえます。結構な費用もかかりますが
父はおそらく涼しい顔です。
カレンダーの裏書のブーメランじゃないか!
と言いたくなくもないですが、父は恵まれています。

私がここに就職して30年近くになりますが
当初は一流の職人になろうと思っていました。
先代社長の先輩にあたる町工場の社長から
「君は職人になってはいけないよ」
とまず言われたのが、自分の働き方を決めました。
先輩社長には経営と技術は違うものだという
認識があったのでしょう。
その工場はずいぶん前に潰れてしまいましたが
私が仮にモノづくりだけに熱中していたなら
わが工場も同じ運命を辿っていたでしょう。

告白しますと私は常に周りが悪いと思いがちです。
そう考えて生き延びてきました。
立派な社会人ではないのです。
いつだって周りのせい、環境のせい、あいつのせいにするのです。

そんな自分が己を呪い苦悩するとき
なにとはなしに壁のカレンダーの裏書を
見てしまう私もいるのでありました。


スマートフォン見て甘酒を煮るわたし







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