ナガーイ「箸」のおはなし

この話はお釈迦様の説話にある話だそうですが、最近２回ほど目にする機会があり、中々に面白く含蓄に富んだ話なので披露する次第です。

ひとつ目はクイズばりに。食卓に美味しいご馳走が並んでいる。このご馳走は必ず箸を使って食べなければならない。但し用意された箸は一メートル程もある長いものである。勿論自分の口に料理を持ってくることが出来ない。どうしたら食べられるだろうか？、と言うのである。

もうひとつは「天国と地獄」の話である。「地獄」に落ちた人たちは長い箸ではどうしても料理は食べられない。段々衰弱して餓死してしまう。一方の「天国」の人たちは長い箸を上手に使い、毎日美味しいご馳走にありつけて、和やかに生き長らえれることが出来たと言うのである。

賢明なる皆様なら既にお分かりであろうと思います。長い箸でご馳走を自分の口に持ってくることは困難である。しかし他の人の口にもっていくことは出来る。従ってお互いに食べさせて上げるが正解である。

今の世の中、国と国の争い、宗教上の争い、業界内部や企業同士、あるいは家族内の争いが常に絶えないのが現状である。お互いが思い遣りを持って仲良く過ごせる機会が多くあれば、争いの種は根絶することが出来るのではないかと思う。

お釈迦様がこの説話に込めた意義も、そんなところにあったのではと思ったのでした。