ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

桑田真澄の「野球道」とは

2010-07-21 10:25:55 | スポーツ一般
 昨日の朝日新聞に「野球を好きになる七つの道」と題するコラムが載っている。永年巨人Gでエースとして活躍、後にメジャヤーリーグのピッツバーグ・パイレーツでマウンドに立った、「桑田真澄」元投手のインタビューを元に構成したものだ。

 彼は帰国後、早稲田大学院の社会人一年生コースを首席で卒業し、卒業論文が最優秀論文賞を受賞した。題して「『野球道』の再定義による日本野球界のさらなる発展策にかんする研究」。その作成過程について担当教授と対談した「野球を学問する」を新潮社から出版した。小生は残念ながらこの著書は読んではいないが、朝日新聞の記事が面白いので紹介してみる。

 日本では「学生野球の父」と呼ばれた、早稲田大学の監督を務めた飛田穂州氏の野球理論が主流である。野球道は「精神の鍛錬」「練習量の重視」「絶対服従」で成り立ち、武士的野球と呼ばれる。これには残念ながら暴力が伴う。桑田自身、「小学生の時からグランドに行って殴られない日はなかった」と述べている。

 彼は、この論文を書く前に、現役プロ野球選手270人からアンケートをとっている。「指導者から体罰を受けたことがある」は中学で45%、高校で46%。「先輩から体罰を受けたことがある」は中学で36%、高校で51%と高率である。逆に体罰は「必要である」「ときには必要である」が中学、高校でも83%の選手が体罰を容認していたそうである。

 体罰で育った選手が、指導者になって体罰を行う。大相撲界でもリンチで死者まで出した「かわいがり」と呼ばれる体罰が、今の日本のスポーツ界から無くなっていない。この暗部を桑田氏は指摘している。体罰は犯罪であることを指導者に徹底していく必要を感じている。彼は野球道に代わり「スポーツマンシップ」を中核にして、「絶対服従」の代わりに「指導者と選手のリスペクト(尊敬)」が必要と説いている。

 その上で、彼は野球を愉しむために、7つの提案をしている。

 ① 練習時間は3時間でーーーー自分の体力と集中力には限界がある。
 ② ダッシュは全力で10本ーーー投手ならダッシュ一本は一回の投球のつもりで。
 ③ どんどんミスしようーーーーーミスから学ぶことが出来る選手のほうが成長する。
 ④ 勝利ばかり追わないーーーー特に小学生は礼儀と体力つくりが必要、体罰は逆効果。
 ⑤ 勉強や遊びを大切にーーーー得意の野球に集中するだけでなく勉強や遊びで人間形成を。
 ⑥ 米国を手本にはしないーーー米国のメジャーは手本にならない、拝金主義の集団だ。
 ⑦ その大声は無駄では?---相手をヤジるかわりに尊敬する気持ちで対戦を。


コメント (6)
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