山麓の秋は慌ただしく過ぎようとしています。
霜の降るたびに枯れ行く草木の中で、
ひときわ鮮やかに紅葉を迎えている 「まゆみ」
糸巻きのような形のピンクの実から、赤い種子が出て
冷たい雨にぬれている風情は、また格別です。
この木が弓の材料として使われ、頭に美称の マ を付けて 「まゆみ」と呼ぶそうです。
朝夕の厳しい冷え込みで最後まで枝に残っていた葉っぱや実が
一層鮮やかに色付いてまいりました。
なが~い花茎につるさがった赤紫の実が、やがて五つに裂けて
真っ赤な種子が顔を出し、やがては大地に落ちて 深い眠りにつくのでしょう。
優美な葉と実が人の心にふっと安らぎを与えてくれるような可憐な 「つりばなまゆみ」 です。