去る十一月七日は立冬でした
吹く風も日に日に冷たさを増してきました
真っ青な冬空にそそり立つような「からまつ」です
細かな葉が散る様はまるで雪でも舞うように見えます
「カラマツはいつ目覚めても雪降りおり」 と
詠まれております
又あの北原先生も
カラマツの幽かなる吹く風の細かにさびしくその哀れなる
ただ心より心に伝えて、、、と声に出して詠まないでとあるそうです
大正十年浅間山麓のカラマツ林に
スランプに陥って執筆活動を休んでいたそうです
この時カラマツはでどれ程北原先生の心をいやしたことでしょう
カラマツの林をすぎて、、、、、
どことなく寂しさや哀れさを感じて却って共感を呼び
人気が有るのでしょう
この路を少し下りますと合し墓が有ります
この落ち葉を踏んで母子がお参りに行きました
かさこそと踏みしめる落ち葉の音にきっと故人は感じておられることでしう
まさに錦とも言えますさまざまな落葉樹が美しい初冬の午後でした
今年は殊にもみじの紅葉が殊に美しいと思います
夏の暑さが厳しくて朝夕の温度差が大きいのだそうです
紅葉と言えばあの良寛様の
裏を見せ表を見せて散るもみじ
風の冷たさにそんな情景が浮かぶ季節です
舞い落ちる葉に投影されるのは良寛様の心でしょう
冷たい風に吹かれて葉が全部落ちてもなお屈折した枝の先から
又めぐってくるであろう季節に向かう樹木の力つよさを感じる季節です
これらの植物を追及すると年を重ねた者に今後のありようを示唆してくれてるようです