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中田考氏とIS交渉ルートは存在した! 安倍政権の責任! 「報道特集」で中田考氏が重大証言

2015-02-09 08:02:04 | アメリカいいなり
転載
IWJ Independent Web Journal
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中田考氏とIS交渉ルートは存在した! そのパイプを潰し、日本人人質2人をみすみす見殺しにした安倍政権の責任! 〜「報道特集」で中田考氏が重大証言
この重大証言を受け、IWJでは2月8日、9日、二夜連続で、緊急会員限定配信予定!!
 「もし日本政府にとって捕虜が大切なら、急ぐことです」――。
 「イスラム国」と独自のパイプを持つイスラム法学者・中田考氏。イスラム国による邦人人質事件発生を受け、中田氏は自身のパイプを使って交渉にあたることができると明言し、注目を集めた。
 中田氏は外務省にも協力を申し出たが、結局、日本政府は中田氏を起用することはなかった。しかしこの間も、中田氏は独自のパイプを使って「イスラム国」側と交渉を続けていた。2月7日放送のTBS「報道特集」がスクープした。
 記事目次
 イスラム国側と独自で交渉を続けていた中田氏
 中田氏に届いた、「イスラム国」宛ての日本政府の音声メッセージ
 なぜ「シリア臨時代理大使」が日本代表なのか
 安倍総理「我々はギリギリの対応をしていた」
イスラム国側と独自で交渉を続けていた中田氏
 中田氏は、イスラム国の「ウマル・グラバー司令官」と連絡を取り合っていた。ウマル司令官からは、2014年8月、湯川遥菜氏が「イスラム国」に拘束された際にも、「湯川氏の裁判を開くので、通訳として来てほしい」との依頼が中田氏にあった。
 9月初旬、中田氏は実際に、ジャーナリストの常岡氏とともに、「イスラム国」の支配地域に踏み込み、ウマル司令官と合流。裁判を通じて湯川氏を日本に連れ戻そうとしたが、シリアによる「イスラム国」への空爆が激化し、裁判は流れてしまった。
 1ヶ月後の10月。常岡氏が「イスラム国」に出直そうとした矢先に、中田氏と常岡氏は、「イスラム国」に渡ろうとした大学生の手助けをしたとして、『私戦予備陰謀罪』の被疑者として家宅捜索を受けた。以降、ふたりは「イスラム国」側との連絡をシャットアウトしていた。警察によって、湯川氏を奪還する回路が絶たれたまま、事態は最悪のほうに向かってしまっていたのだった。
 邦人の人質ビデオ公開後、再び中田氏は、スマホのトークアプリを使い、ウマル司令官とメッセージのやりとりをした。ウマル司令官は「時間はあまり残されていない。先生、イスラム国は約束したこと(72時間以内に身代金を支払わなければ人質を殺害すること)を執行するでしょう」と話していたという。
◯ウマル司令官メッセージ
「身代金の支払期限はもうすぐです。我々に重要なのはイスラム国の条件を満たすこと。もし日本政府にとって捕虜が大切なら、急ぐことです」
◯中田考氏メッセージ
「私個人としては日本政府に時間的猶予を与え、2人を開放して欲しいです」
◯ウマル司令官メッセージ
「先生、事態を理解してください。身代金支払い期限はもうすぐです。」
中田氏に届いた、「イスラム国」宛ての日本政府の音声メッセージ
 「報道特集」で中田氏はさらに語る。
 「『ともかく時間がない』と繰り返し言われました。『お金を払う気があるかどうか』と。先方の要求はそれ(お金)ですので、それに対して日本政府からの答えがないことに、苛立っている印象を受けました」
 そして中田氏は、ウマル氏から重要な依頼を受けたことを明かす。
 「ウマル氏から、『これを翻訳をしてくれ』と、【日本語の音声メッセージ】が届きました」
 イスラム国から、【日本語の音声メッセージ】が届いた。その中身は――。
音声メッセージ
「私(――音声消去――)は、日本政府の代表である。日本政府は、日本人2名の無事な生還について真剣である。当該2名のフルネームと生年月日はそれぞれ、湯川遥菜1972年(――音声消去――)、後藤健二(――音声消去――)である」
25秒のメッセージ。最初の「音声消去」部分には、実在するシリア臨時代理大使の名前が入っていたという。イスラム国側が受け取っていた、この謎の音声について、ウマル氏が中田氏に、「本当に日本政府の出したものなのか、確認したい」と伝えてきたというのだ。
 中田氏は続ける。
 「私は『私にはわかりません』と答えました。ウマル氏は『この音声メッセージを信用していない』と言っていました。私は、これを緊急事態だと思いましたので、夜中の3時、4時くらいに、外務省の『邦人テロ対策室』に連絡し、それが本物かどうかを問い合わせました。(外務省の答えは)『これについては本物だと思ってもらっていい』というような表現だったと思います」
なぜ「シリア臨時代理大使」が日本代表なのか
 日本政府が、公式のメッセージであることを認めた。しかし、なぜ日本の代表者を名乗る者が、「シリア臨時代理大使」という地位の人間なのだ。
 「シリア臨時代理大使」は、現在、シリアの日本大使館が閉鎖されているため、ヨルダンの日本大使館の参事官が兼務しているという。もっとメッセージを発するうえで、適切な人間がいなかったのだろうか。
 「真剣だと言っても、日本政府の代表を名乗る人間がそのレベルの人間というのは…。もちろん、首相でなくとも、外務大臣、副大臣、名前の確認できる人でなければ、真剣だと言っても先方には伝わらないように思う」
 ウマル氏のメッセージ内容は、すべて外務省に報告したが、結局、外務省から中田氏への連絡は一度もなかったという。ただし、ある民間の人物から、日本政府のメッセージをイスラム国側に送れないかという相談が1度だけあったと中田氏は番組内で明かす。
 「間接的に、日本政府のメッセージとして、『我々が2億ドル支援を発表したのは人道支援である』というだけのメッセージ、『あなたがたは誤解している』というメッセージだけを、それも間接的に、しかも『案』という形で『こういうプランがあると』と送ってきました。これを送ると、『人質を解放してもらう意思がない』と取られて、『人質を殺してください』と捉えられると思ったので…私自身、そう捉えたので、このメッセージは先方には伝えませんでした」
 なぜ、中田氏はこのメッセージを「人質を解放してもらう意思がない」「人質を殺してください」と捉えたのか。
中田考「ウマル氏は、『お金を払うのかどうか』を聞いている。そして時間がない、と言っている。よって、このメッセージを出すと、『ノー』というメッセージを出したと受け取られかねないので、私は先方には伝えませんでした」
 そしてまもなく、1月24日、湯川氏が殺害されたとする映像が配信された。
 湯川氏の殺害映像公開後、ウマル氏は、中田氏にこう伝えてきたという。
 「先生、理解してください。我々としてはできる限りのことをやったんだけれども、上の命令なので、私にはこれ以上のことができなかった。非常に残念です」
 以降、ウマル司令官からのメッセージは途絶え、現在はトークアプリのアカウントも消えているという。
安倍総理「我々はギリギリの対応をしていた」
 人質解放のルートは、確かにあった。中田氏によると、少なくともウマル司令官は、交渉の意思を示していた。
 もし、安倍政権でさえなければ、もしかしたら、米国からの圧力があろうと、裏で交渉していた可能性も考えられる。
 しかし、安倍総理は最初期段階から一貫して「テロには屈しない」と喧伝し、国内向けに言い換えると、「人命尊重第一の要求には屈しない」という頑なな姿勢をとったがために、中田氏の交渉ルートは役立つことなく、結果、湯川氏と後藤健二氏は見殺しにされてしまった。
 すべては、集団的自衛権の行使、「イスラム国」との戦争に参戦せよ、という米国からの指示に従うためだろう。何が「日本人には指一本触れさせない」だ。2人をみすみす見殺しにして、死に追いやって、その死を、戦争に向かうために政治利用している。
 これが安倍政権のやり方なのか。そんなやり方が許されるのか。
 なぜ中田氏のパイプを活かさなかったのかについて、安倍総理は国会で次のように答弁している。
 「こういうことがあると中田さんだけでなく、『協力する』という人が出てくるが、当然、取捨選択しなければなりません。こういう申し出があるからといって簡単にのれない。申し出に乗ればこれまでのルートを捨てることになるというのが一般論。その中で我々はギリギリの対応をしていた」
 人質は二人とも殺されたのだ。あまりに虚しい答弁であると言わざるをえない。
 中田氏が政府と協力し、事件解決に動いていれば――。
 希望はあったが、それをみすみす逃した。悔やんでも悔やみきれない。
 そもそも、中田氏は、昨年の段階で湯川氏を救うチャンスがあった。しかし、これが見事に警察によって潰されてしまった。安倍政権は、何重にもミスを重ねていたのだ。
 昨年、私が行った中田氏の単独インタビューでは、「私戦予備陰謀罪」で家宅捜索を受けたときの状況や、裁判のため、「イスラム国」の支配地域に実際に足を運んだときの模様、ウマル司令官との生々しい会話など、詳しく語っている。
 今回の報道特集で明らかになったことは、間違いなく、ISと交渉するための、中田考ルートは存在した、ということ、その確認が取れた、ということだ。それだけに、これまで中田考氏が私に話してきた内容も、信憑性がある、ということになる。
 IWJでは、過去二度にわたる中田考氏のインタビューを、2月8日、9日、二夜連続で会員限定配信する。この機会に、是非、ご視聴いただきたい。
 2月8日は20時から、9日は17時から放送予定。
会員限定配信ページはこちら ⇒ http://iwj.co.jp/wj/member/limited
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