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世界一美しい響き@東京




「サントリーホールは、「世界一美しい響き」をめざして1986年に開館」したとある。

関西人のわたしはサントリーホールは全く初めてだった。

見切り発車したらしい麻布台ヒルズ(上の写真)を経由して、サントリーホールまで黄昏時をそぞろ歩いたのがまたよかった。


そして、英国から日本にこのためにやってきました、Krystian Zimermanのピアノリサイタル!

前々日の横浜でのショパンのノクターンに対する「?」は完全に吹っ飛んだ。

芸術とは、決して自己のものとはできない絶対的なものに対し、自己のものとはできないまま、未完成なままで永遠に対峙し続けることなのかと感じた。

最初から最後まで「世界一美しい響」く会場で、世界一美しくピアノを響かせるZimerman、はるばるやってきた甲斐があった。
詳細はとても興味深かった彼の2010年のインタビューを訳し終えたらまた改めて書きます! 




さわりだけ記憶を頼って少し...

「私はショパンの感情を再現しようとしているのです。子供の頃、教会の横に住んでいました。葬列が音楽を鳴らしながら窓の前を通ります。葬送行進曲です。音楽は遠くから聞こえるけれど、しかしそれはいつ始まったのかはわからないのです。そこにあると気づくだけなのです。窓の前を通り過ぎるとき、躍動感と音の大きさが聞こえ、そして次にもう聞こえなくなってしまう瞬間があるのです。
これを今、ソナタ『葬送』で再現しようと思っているのです。最後の音のピースはフォルテッシモの印象を残したい。でも人には聞こえてほしくないのです。楽団はもう遠くにいるから。音はもう消えてしまっているのに、まだ響いているのです)




横浜は横浜で、リサイタル終了後、ピアノの好きな友達と夜がふけるまで「ノクターン」について話し合ったのが最高に楽しかったのだが。

Yさん、ほんとにありがとう!
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