異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

書籍紹介「戦場体験キャラバン」彩流社…23人の方の体験談を、一言一句そのままの形で書き起こし収録

2015-10-03 22:52:55 | ご案内

http://www.jvvap.jp/

戦場体験史料館 

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「戦場体験キャラバン」(彩流社、2014年)のご紹介

 いつもご来訪ありがとうございます。
 すっかり更新が滞っており、まことに申し訳ございません。
 
 保存会の最近の活動はこちらのブログ(全国キャラバン隊が行く)にて紹介してもらっています。
 
 そしてこのたび彩流社さまから本を出版させていただきました!
タイトルは 「戦場体験キャラバン」 です。


 戦場体験キャラバン表紙  


 私たちは全国で体験の聞き取りを行っておりますが、その時には希望者で班を組んでひとつの地域で旅程を組みます(単独行の場合もあります)。この体験聞き取りのツアーのことを私たちは「戦場体験キャラバン」と呼んでいます。
 この本は、そのキャラバンを疑似体験できるようにつくりました。読者の方はボランティアとしてそのツアーに参加し、8日間をかけて様々な体験者からお話を聞いて回る、という本の構成です。
 
 本には23人の方の体験談(の一部)を、一言一句そのままの形で書き起こしたものを収録しています。方言も感動詞も差別用語もそのままです。

 確かに一部分かりにくいところはありますが、詳細な描写と取り繕わない心情表現、その方のありのままの語り口で表現される戦場の姿は、私たちのひ弱な固定概念を打ち砕く力強さに満ちています。ぜひ、ご一読を。
 
 そして、意外と好評をいただいているのが、章ごとに出てくるショートエッセイと、巻末のボランティア座談会です。ショートエッセイというか、聞き取り裏話というか。それぞれの体験をどういう文脈のなかで理解するか、ということを知るのに少しは役に立つかなと思います。ちなみにボランティアJ子は私です。
 巻末の座談会では以下のテーマについてボランティアが集まって議論しています。 
なぜ戦場体験を聞いているのか/「戦場の話って暗いんでしょ?」/広く知られた空襲と原爆の体験、兵士しかしらない戦場の体験/無色という方針/加害体験でなければ意味がないか/日本人はなぜ特攻話が好き/沖縄で体験を聞く/戦場体験は民間で残そう/あの決まり文句について話してみた/継承って何だろう
 
 このテーマから推して知るべしですが、ボランティア同士でかなりさばけた話をしています。ぶっちゃけトークというのでしょうか。何も知らない奴が、素人が何をと思われる方もおられるかもしれません。しかし10年もこの運動に没頭してきてしまった者として、現在の率直な思いを語らせて頂きました。こちらもぜひ読んでみてください。ご意見を賜りましたら幸いです。 

 本のご注文はぜひ最寄りの書店で!(私はできるだけ地元商店で買い物したいと思います!)
 お近くに書店がない方はAMAZONでも販売中です。AMAZONに在庫がない場合は、彩流社のホームページ(リンクはこちら)からどうぞ!

 (戦場体験放映保存の会 中田順子)
 

 

 書名: 戦場体験キャラバン 元兵士2500人の証言から
 著者: 戦場体験放映保存の会 編著, 中田 順子 編著, 田所 智子 編著
 定価: 2,500円 + 税
 発行年月: 2014年07月  書籍コード: ISBN978-4-7791-1996-5 C0036

 

 


杉原千畝の「命のビザ」史料群 ユネスコ世界記憶遺産の国内候補に決定(Christian Today, Japan)

2015-10-03 22:52:25 | キリスト教 歴史・国家・社会

Christian Today, Japan

http://www.christiantoday.co.jp/articles/17121/20150926/sugihara-chiune-visa-memory-of-world.htm

杉原千畝の「命のビザ」史料群 ユネスコ世界記憶遺産の国内候補に決定

2015年9月26日16時38分 記者 : 新庄れい麻 

杉原千畝の「命のビザ」史料群 ユネスコ世界記憶遺産の国内候補に決定
1941年(昭和16年)2月28日に、在プラーグ総領事代理の杉原千畝が松岡洋右(ようすけ)外務大臣(当時)に宛てた「普通第28号 在『カウナス』領事館扱査証調書送付の件」。通し番号、国籍、名前、入国ないしは通過ビザの種別、ビザ発給の日付、査証料など、32ページにわたって2139人の名前が記載されている。(写真:八百津町提供)

2017年の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産登録に向けて、日本がユネスコへ登録申請する候補物件に、第二次世界大戦中、外交官の杉原千畝(1900~86)がユダヤ人難民たちに発給した「命のビザ」の記録が決まった。ユネスコの審査に申請できるのは、1国につき2件までと定められており、日本からの申請物件を選定するため、日本ユネスコ国内委員会が国内公募を実施していた。今回決まったもう1件は、群馬県高崎市にある7世紀から8世紀にかけての古代の石碑3基を総称した上野三碑(こうずけさんぴ)。同委員会が24日、発表した。

同日、同委員会の第15回ユネスコ記憶遺産選考委員会が開催され、候補物件として全国から応募のあった16件についての審査が行われた。杉原の出身地である岐阜県八百津(やおつ)町は今回、「杉原リスト―1940 年、杉原千畝が避難民救済のため人道主義・博愛精神に基づき大量発給した日本通過ビザ発給の記録」を申請した。これは、リトアニアの在カウナス日本領事館の領事代理であった杉原が、1940年7月から9月にかけて、主としてユダヤ系ポーランド難民のために大量発給した日本通過のためのビザ発給の記録、外務省公電、パスポートなどからなる20点の史料群。

これらの史料は、記録媒体が多様であること、多角的な観点から世界的な重要性が説明されていること、さらなる関係資料の収集に向けた作業が進められていることが示されていることなどが高く評価され、候補物件に決定した。

今回決定された物件は、申請者自身が締め切りまでにユネスコへ申請し、ユネスコ記憶遺産国際諮問委員会(IAC)の審査を経て、最終的にユネスコ事務局長が登録の可否を決定する。国内公募によらないユネスコへの申請がなされたことにより、日本からの申請が3件以上となった場合は、国内公募により選定された物件が優先されるという。

杉原千畝の「命のビザ」史料群 ユネスコ世界記憶遺産の国内候補に決定
杉原千畝のサインが書かれたユダヤ系ポーランド人難民アレクサンダー・ハフトゥカのパスポート(写真:八百津町提供)

「杉原リスト」の申請者である、八百津町の赤塚新吾町長は、「第二次世界大戦という人類史上類を見ない暗黒の時代に、組織人としての服務規律と人命救助の間で葛藤しながらも、最終的には個人としての良心を保ち行動し得たその行いや背景にある思いの記録は、人類が未来永劫(えいごう)にわたって希求すべき人種・民族を超えた人道主義・博愛精神の稀有(けう)かつ勇気ある表出例として、世界が共有し次世代に語り継ぐべき遺産であると言えます」と話している。

また、杉原が発給したビザにより救われたユダヤ人難民は6千人を超えるといわれているが、正確な数は解明されきれていないとし、 「当町では、本件のユネスコ記憶遺産への登録を機に、国内外の諸機関ともさらなる連携を図りながら調査・研究を進める予定」としている。

世界記憶遺産は、世界の重要な記憶遺産の保護と振興を目的に、1992年に開始されたユネスコの事業。手書き原稿、書籍、新聞、ポスター、図画、地図、音楽、フィルム、写真などを対象としており、フランスの人権宣言、ドイツの文豪ゲーテの直筆資料、ウズベキスタンの現存する世界最古のコーランなど、301件が登録されている(2014年1月現在)。日本国内では、平安時代に藤原道長が記した「御堂関白記」、江戸時代に支倉常長が欧州から持ち帰った遺品などを含む「慶長遣欧使節関係資料」などが登録されている。

 
 
 

参議院選挙まであと何日? How many days left until the election? 【あと281日】

2015-10-03 21:40:56 | 政治 選挙 
https://www.facebook.com/Sangiin.2016.07
参議院選挙まであと何日? How many days left until the election?

Picture:安倍首相の訪米に合わせてニューヨークで行われたデモ
 
 

本日10/3から投票想定日7/10まで

【あと281日】

今の政治の進み方や安倍首相の言動の違和感に気付いている方は、投票には行くでしょうし、誰に票を投じるかは自分で判断できるだろうと思います。

...

でもこのままの状態ではいけないという
危機感とともにカウントが1日減りました。

仲間同志の内側の輪から
外側への語りかけが重要です。

1日1人でも政治について考え始めれば、
それをみんなですれば
281日間でどれだけ仲間が増えるでしょうか?

語りかけ

押し付けではなく
一緒に考えてみるアクションからでいいのです。

We shall do this!
We shall overcome!

 

 

 


10/1安保法案採決に抗議で関西学院大学・緊急集会~教授、元学長、シールズ関西がメッセージ 

2015-10-03 20:54:26 | 案内 情報 デモ 集会 逮捕

Christian Today, Japan

http://www.christiantoday.co.jp/articles/17180/20151003/all-kwansei-gakuin.htmより転載

安保法案採決に抗議でオール関学緊急集会 法学部教授やシールズ関西の学生がメッセージ 元学長も

2015年10月3日10時34分 記者 : 土門稔
 
 

大学関係を中心に約170人が集まった=1日、関西学院大学(兵庫県西宮市)で

 

 関西学院大学(兵庫県西宮市)の有志が主催する「安保法案の強行採決に抗議するオール関学緊急集会」が1日、同大で行われ、約170人が参加した。同大法学部教授の柳井健一氏が講話として話をし、安保関連法案の反対運動で注目を集めた学生グループ「SEALDs(シールズ)」の関西地域のメンバーが報告。同大元学長の武田健氏もマイクを握って声を上げた。

集会の冒頭、同大では法学部が中心となって署名活動が始まったが、人間の命に関わる問題だとして、神学部の教員や学生からも多くの声が寄せられたことや、海外に向けて英語で声明を出したことなども報告された。

安保法案採決抗議でオール関学緊急集会 法学部教授やシールズ関西の学生がメッセージ 元学長も
シールズ関西のメンバーで、関西学院大学人間福祉学部4年生の寺田ともかさん

憲法学が専門の柳井氏は、「憲法を専攻する者として良心の呵責(かしゃく)を感じる。立憲主義とは、最低限、国の統治を行う者が憲法に従い、政治を行うということ。この本質的なことが無視され、暴挙が起こっている」と述べ、大きな混乱の中で可決された同法案に対する政府のやり方を批判した。また、通常の民主主義国家で国論を分けるような政策であれば、与党側から造反が出るのが普通だと指摘。「これだけの国民が(同法案反対の)意思表示をしながらも、与党から全く造反が出なかったのは国際的に恥ずべきことである。理不尽なことがまかり通ったことに我慢できないという意思を持ち続けて行動を起こし、今後の選挙を通して民主主義を立て直すことが大事だ」と語った。

またこの日は、シールズ関西のメンバーで、同大人間福祉学部4年生の寺田ともかさんも登壇。シールズの活動の雰囲気を知ってほしいと、動画を紹介し、次のように報告した。

メディアで私たちがデモをやっている様子は報道されますが、私たちはデモだけが政治参加の有効な手段と思っているわけではありません。選挙が重要だと思っていますが、死票が多い小選挙区制という問題があるので、選挙だけでは私たちの民意を届けることができません。だから今日のように大学で集会を行ったり、地方議員に働き掛けたり、署名を集めるなど、できる限り全ての手段を駆使しながら、デモもまた有効な手段と思い、こうして声を上げてきました。

しかし、この法案に賛成する多くの人から、「なぜ彼らは戦争を抑止する法案に戦争法案というレッテルを貼り、ヒステリックに声を上げるのか?」「現実的に考えると集団的自衛権を認めざるを得ない」「他の国が平和のために戦っているときに日本だけが一国平和主義でいいのか」「この法案によって積極的平和主義への転換が必要ではないか」という主張をよく耳にします。その度に本当の抑止力とは何か、平和主義とは何かを考えさせられてきました。

武力による抑止力について

私は大学では福祉の勉強をしてきて、安全保障や国際政治を専門的に勉強してきたわけではないので詳しいことは分かりませんが、普通に考えることはできます。

結論から言うと、今回の安保法制は、戦争を抑止する手段としては適切ではないと思っています。確かにこれまでは、力と力の緊張関係を保つことで相互の武器使用を抑止するということが国際的にスタンダードとなってきました。あいつを攻撃したらひどい目に遭うと、攻撃を思いとどまらせることです。この論理には常に敵が存在します。しかし、あの国だけは何があっても攻撃してはならない、あの国の人は何があってもわれわれを攻撃しない、手厚く難民を受け入れ、災害時には真っ先に掛け付けてくれたのだから、という信頼関係を築くことができれば、それが何よりの抑止力になるのではないでしょうか。

誰も自分を助けてくれた国を攻撃対象にしたくないし、積極的に平和貢献をする国を攻撃することは難しいでしょう。それでも敵が攻めてきたらどうするか。それは、個別的自衛権で十分対応できる問題だと思います。

武力派遣よりも人道援助を

世界の裏側まで自衛隊を派遣して米国の後方支援をするよりも、世界の裏側で飢えている人に食糧支援をする方がよっぽど賢明だと思います。弾薬を提供するお金があれば、世界の学校に行けない子どもたちに教育を受けさせることができるし、病気で命を落とす人たちに必要な医療支援を行うことができます。自衛隊員はこれからも戦闘員ではなく、人命救助のプロとして地球の裏側まで派遣されてほしいと思います。私も一国平和主義でいいとは思っていませんが、本当の積極的平和主義の在り方を私たちは真剣に考え続けなければならないと思っています。

米国との軍事的な同盟関係を強化するという古びた抑止力よりも、効果的で現実的な新しい方法を選びとる時が来たのではないでしょうか。私は平和のために戦争をするという米国のやり方には絶対に付き合いたくありません。米国が血を流しているのに日本は何もしないのかと言う人もいますが、これに対して言えるのは、誰の血も流させてはいけないということです。私たちは暴力を解決手段にする時代を早く終わらせなければいけないと思います。

こんなにも文明が発達して科学技術が進んでいるのに、人間はまだ殺し合いという原始的で愚かな方法を続けています。その度に戦争を始めた人たちではなく、一般市民が犠牲になっています。米国では奨学金を返すために軍隊に入った人や、国を守りたいという思いで兵士になった若者が、上から命じられるままに罪のない子どもたちの上にも空爆を行い、その重荷を受け止めきれずに今も多くの人がPTSD(心的外傷後ストレス障害)で苦しみ、自ら命を絶っているのが現実だと思います。

こんなことはもう本当に終わりにしたい。平和のために命を落とすという矛盾があってはいけないと思います。そのために私にできることがあるとすれば、この法案を運営停止状態にすることだと思います。日本は70年前から「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永遠にこれを放棄」(憲法9条第1項)してきました。私はこれを続けていきたいと思います。強い国になる必要はないと思います。本当の強さとは、力で相手を威嚇することではありません。人間は弱さを持っているからこそ、どうすればみんなで生き残ることができるか、敵を作らずに協力して社会をつくることができるかを模索することができるはずです。それこそが政治の役割であり、私たちが言葉をもって戦うことの意味なのではないかと思っています。

私は、この国が本当の積極的平和主義国家として、不戦の誓いを守りぬき、貧困や格差や差別のない社会を築くために力を尽くすことを願っています。

できることを考え、やれることをやる

いずれにせよ、安全保障法案は可決されました。私はこれが有効な採決だとはとても思えませんが、政府は法の施行に向けて急速に動き出しています。これから大規模な違憲訴訟が始まっていくでしょうし、私たちは次の参議院選挙に向けた動きを考えているところです。しかし、来年2月には自衛隊が南スーダンに派遣されることになっている。訴訟や選挙では間に合わない。南スーダンは少年兵が多いことで知られている地域です。

私は法律の専門家ではないので賢い提案はできませんが、とにかくこの法案をあらゆる手段を用いて運用停止に近い状態に持ち込むしかないと思います。これまでにも、法が成立しても、国民の反対の声が大きかったために運用ができなかった法律があります。いろんな方法で圧力をかけ続けることが大切だと思います。そのために大学として、個人としてできることを考え、やれることを全てやるしかないと思っています。やれることを全てやっていくしかない。私も自分にできることを続けていきます。

学ぶこと、大学について

大学ではいつも考えることが大切だと言われてきました。学問とは、問い続けること。私もそう思います。

しかし、問いに対しては答える必要があり、考えたことを行動で示さなければ、学問はとても表面的で、現実に対して無意味なものとなってしまいます。今一度、私たちは、人は何のために学ぶのかということを問い直し、大学は声を上げる時だと思っています。これまで大学で声を上げることは、私はしてこなかったのですが、今日教室に入りきらないほどの人が集まっているのを見て希望を感じましたし、これからだなと思わされました。これからも一緒にそれぞれができることをして、全ての命が尊ばれる社会をつくっていけたらと思っています。

最後に私の恩師である死生学のゼミの先生の言葉を紹介して終わりたいと思います。

「人には、与えられたいのちを奪う権利はなく、いのちを奪うことをさせる権限も、いのちを棄(す)てさせる権限もありません。真の平和は、争いではなく許しあいの中にあると信じます」

ありがとうございました。

安保法案採決抗議でオール関学緊急集会 法学部教授やシールズ関西の学生がメッセージ 元学長も
関西学院大学元学長の武田健氏

同大元学長で関西学院元理事長の武田氏も訪れ、戦中、関西学院大学の時計台が真っ黒に塗られたり、外国人宣教師が全員帰国させられたりした過去に言及。また、大学に陸軍将校が入ってきて、賛美歌や、英語で書かれた同大の校是「Mastery for Service(奉仕のための練達)」が入っている校歌を禁止された時代があったことを振り返り、「そういうことがまた日本でも行われるようになってしまうのではないか、皆さんも危惧し、私も危惧しています。だから今日ここに来ました」などと語った。

集会ではトークリレーも行われ、さまざまな立場の人が発言。最後には、「与党自民党・公明党、他3党が、参議院特別委員会・本会議において、数にものを言わせた強行採決によって安保関連法案を可決・成立させたことに対して、満身の怒りをもって、抗議します」などとする抗議声明を採択した。

 

10/2★「これは個人の尊厳、人間の尊厳を求める闘いだ!」~野党に踏み絵を踏ませよう!(中野晃一氏)

2015-10-03 16:36:48 | 案内 情報 デモ 集会 逮捕

 IWJ Independent Web Journal  http://iwj.co.jp/wj/open/archives/268381 より転載

【スピーチ全文掲載】「野党に踏み絵を踏ませよう! 国家権力の暴走に組みするのか!? それとも個人の尊厳を守る私達の側に来るのか!?」―中野晃一氏が大演説「1002安倍政権NO! 」大行進

 「これは個人の尊厳、人間の尊厳を求める闘いだ!」

 上智大学教授である中野晃一氏が、壇上から参加者に向かって訴えかけると、会場は破れんばかりの拍手と歓声に包まれた。

 

 未明まで吹き荒れていた強風はピタリと止み、心地よい秋晴れの空が広がった2015年10月2日、集会「安倍政権 NO! ☆ 1002大行進 民主主義を取り戻せ!戦争させるな!」が日比谷野外大音楽堂で開催された。

中野さんスピーチ1

 安保法制の強行採決にとどまらず、川内原発1号機の再稼働、沖縄米軍基地、秘密保護法、TPP、消費税増税、社会保障、雇用・労働法制、農業・農協改革、ヘイトスピーチ、教育など、安倍政権が打ち出す政策のすべては国民世論に逆行しており、独裁的で、民主主義を愚弄しているばかりか、憲法も無視している、「戦後最悪の政権」だとして、集会にあつまった参加者は「安倍政権NO!」の声を上げた。

 以下、中野氏のスピーチ全文と動画を掲載する。

 

<!-- 野党に踏み絵を踏ませよう! 国家権力の暴走に組みするのか!? それとも個人の尊厳を守る私達の側に来るのか!? -->

 

国会議員は代理人にすぎない! 我々の存在こそが「民主主義」そのものなのだ!

 「みなさん、こんばんは。

 あまちゃんが終わったときに『あまロス』という言葉が流行りましたが、皆さんの中には『デモロス』になっている方いらっしゃいませんか? 毎週、毎週、木曜日、金曜日と来ていたころは、もううんざりだな、と思っていたかもしれませんが、なくなってくると寂しいと言いますか、物足りないと言うか、そんな思いあったんじゃないでしょうか。

 私は先日妻からSEALDsのかっこいいTシャツをもらいまして。そんなにしょんぼりしているように見えたのかなと思ったんですけども。そしたら、本当は本人がかっこいいTシャツを欲しいと思ったら、XLしかサイズが残っていなかったので、くれたようなんですけども。さすがに大学に着ていくのは恥ずかしいので、自宅や近所の酒屋に行くときに着ていますけども、見かけたらそっとしておいて下さい。

 なんでここのところ、デモに行って、それが皆怒って来ているんだけど、ある種の喜びというか、嬉しさがあったのか、そのことについてちょっと考えてみたいんです。それは、やはり私達一人ひとり個人として、声を上げる場を、SEALDsや総掛かりが、そして今日のようにいろんな運動体から支えてくれた人たちが作ってくれた。それに対する感謝の思い、嬉しさというのがあったんだと思います。そのこと自体が、『デモなんかやっても無駄だ』という冷笑するような人たちに対しての答えになっているんだと思うんですね。

 私たちは一人ひとり自分で考えて、自分で動いて、そして、国会前やいろんな場所で会って、もっと強くなった。それだけで、凄いことだと思います。

 ただ、これだけではありません。

 国会の議事堂の中というのは、英語で言うと、”REPRESENTATION”と言いますが、『議会制民主主義』、あるいは『代表選任主義』ということになっています。ところが、この”REPRESENT”という言葉は、英語で”RE”という言葉、『再び』という意味の言葉と、”PRESENT”、これは『目の前にある』という意味なんですね。“PRESENT”というのは『目の前に存在する』ということなんです。

 ですから、”REPRESENTATION”といったら、これは『再現する』の意味でありまして。言ってみれば、代表選任主義というのは、民主主義を再現しようとしているものに本当はすぎないわけです。

 ところが、我々の代表、言ってしまえば代理人に過ぎない人たちが、暴走して勝手なことをした。その時、主権者である私たちが立ち上がって、民主主義そのものになる。まさに『民主主義って何だ?』『これだ!』そのことなんです。

 今日ここにあるのが民主主義であって、国会の中で行われるのは、再現しているものに過ぎない。その再現に失敗した連中は追い出すしかない」

中野さんスピーチ2

オキュパイ運動の「その後」を見よ! バーニー・サンダース候補の押し上げに結実しているではないか!

 「もうひとつ、こうやってみんなで集まることに意味があります。よく言われた事なんですけれども、4年前ですか。原発事故があって、その後から日本でも脱原発の運動が始まっていって、今、ここまでの大きな流れになってきているわけですが。アメリカでも4年前の秋にオキュパイ運動というのがありました。皆さん、ご記憶だと思います。

 あれは、その後どうなったんだ。あんなに集まったのに、意味が無かったんじゃないかと冷笑する人もいます。もっと勉強しろと言ってやってください。

 なぜか。

 今、ヒラリー・クリントンに差をつけるほどのリードを取る勢いで、民主党の候補として、大統領選で頑張っているバーニー・サンダースというアメリカでは極めて珍しい、社会主義者を自称する候補者がいます。その人を支えているのはまさにオキュパイ運動で集まった人たちだったんです。

【関連記事】
【岩上安身のツイ録】寝ぼけている民主党の議員へ 〜「対米追従」「新自由主義」路線からの大転換が進む欧米諸国、安倍政権とは真逆の方向へ転進中!英国では「極左」扱いのジェレミー・コルビン氏が圧勝 「戦争法案成立後」の時代を見通せ

 何かというと、私たちがこうやって集まって、国会前で最後の方になって、『賛成議員を落選させよう』、そして野党を応援していった。そこに共産党の志位委員長が早速応えた。そして、今ようやく議論が始まっている。

 道のりは遠いかもしれないけれども、私たちの代理人の尻を叩くことによって、我々の言うことを聞く、そういう代理人を国会議員に送り出すことができる。アメリカで今起きているということは、そういう可能性をうかがわせるものです。

 仮にサンダースが勝たなくったって、ワシントンで行われる議論が大きく変わっていく。そうやって、我々は主権者である限り、私たちの民主主義を守り、育んでいくのではないでしょうか。

安倍政権にいちいち反対しているのではない。どんなイシューにも共通する国家の暴走にNO! と言っているのだ

 「私たちは、じゃあなんで安倍政権にNOと言っているのか。これは安倍政権がやることにいちいち反対したくて反対しているわけではありません。

 なぜか。

 それは、安倍政権がやっていることにひとつの共通点が、どんなイシューを見てもあるからです。今日のこの運動を支えているグループの様々な活動。それぞれは一つ一つのイシューかもしれない。

 しかし、脱原発、安保法制への反対、憲法を守る運動、特定秘密保護法に反対する、TPPに反対する、消費税増税、あるいは社会保障、そして、雇用労働法制、沖縄米軍基地、農業・農協改革、ヘイトスピーチ、教育問題。さまざまですが、共通しているのは、安倍政権が国家の暴走によって、我々を踏みにじり、我々を屈服させようとしていることに対して、私たちは非暴力で不服従の運動に立ち上がっているということです」

個々人の命と尊厳を守るための闘いだ! 野党にも踏み絵を踏ませよう! どっちにつくんだ!?

 「それでは、私たちの旗頭はなにか。

 私は、これは個人の尊厳、人間の尊厳を求める闘いだと思います。

 辺野古で海上保安庁が人々をけ散らかすとき、あるいは国会前で警察が過剰規制をするとき、そういうときに私たちは国家権力の暴走を目の当たりにするわけですが。それにとどまらず、教育問題にしても、TPPにしても。

 いったいどこを見て政治をしているんだ。

 私たちの生活、私たちのちっぽけかもしれない、しかし尊い命。その尊厳を守るための闘いだ、というふうに私は考えています。野党の共闘にも、ぜひその踏み絵を踏ませようじゃありませんか。

 どっち側に着くんだ?

 国家権力の暴走に組みするのか?

 それとも個人の尊厳を守る私たち個々人の連帯の側に来るのか?

 はっきりさせようじゃありませんか。

 それまで、私たちはどんなに踏みにじられても、必ず立ち上がる。人間の尊厳を守る闘いに負けるわけにはいかないからです。

 若い人たちが立ち上がって、私たちに勇気をくれた。高齢者の方たちも、頑張って来てくださっている。そして、ここには来れないけれども、本当は来たくてしょうがない人たちが、たくさん、たくさん、私たちの背後にはいる。

 一緒に安倍政権を叩き出し、そして、個人の尊厳を守り育んでいく政治のために、頑張ろうじゃありませんか。ありがとうございました」

(取材:佐々木隼也、阿部洋地、沼沢純矢 記事:青木浩文)

 

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