維新の党の松野頼久代表ら執行部は、党の事実上の分裂で延期していた代表選挙を、一般の党員も参加して、2015年12月6日に実施することを決めました。
しかし、代表選挙に必要な5万2000人余りの党員名簿は、大阪市の橋下市長が結成する新党側の議員らが保管していて、執行部側が返還するよう求めています。
これでは、維新の党が大阪側の議員たちを大量除籍したときに、告知・聴聞の機会を与えられなかったのも無理はなく、かえって維新の党執行部側の除籍処分が適法と言える要素が増えました。
こうしたなか執行部側は、新党側が党員名簿の返還に応じず不法に所持しているとして、10月30日に名簿の引き渡しを求める訴えを、大阪地方裁判所に起こしました。
また、執行部側は、新党側が銀行口座の預金通帳や印鑑についても返還に応じず、業務を妨害したとして、新党側の議員らを威力業務妨害(刑法234条)の疑いで東京地方検察庁に告訴しました。
ちなみに、もし、大阪側が維新の党の解散届を総務省に出したら、たぶん、維新の党側はさらに偽計業務妨害罪(刑法233条後段)で告訴すると思いますねえ。
大阪側も良い弁護士さんに相談したほうがいいと思います。
刑法第233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第234条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
もうちょっと、企業法務や株主総会とかの経験豊かな弁護士さんを雇った方がいいと思う。
それから、総務省から維新の党の口座に振り込まれた6億5千万円余りの政党交付金を大阪側が使っちゃったら、維新の党執行部は業務上横領罪で告訴する可能性もあるでしょう。
それにしても、大量除籍処分と言い、今回の提訴・告訴と言い、松野氏らは弁護士である橋下氏らの先手先手を意外と打ってくるんですが、誰が参謀なんでしょうか。
刑法253条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。
告訴合戦というわけですが、橋下氏はここでも矢面に立たないんですね。
松野代表は国会内で記者団に対し、
「代表選挙を実施する党務に支障が出ている。本当に断腸の思いだが、名簿を返してもらいたいという思いで、提訴に踏み切った。
新党側が所持している、銀行口座の預金通帳や印鑑の返還も求めていく」
と述べました。
確かに、正当性の争いにどちらが勝つにしても、大阪側のやっていることが残留組の業務を妨害していることは間違いないので、大阪側は名簿や通帳や印鑑を保持している正当な権限があると証明しないといけません。
しかし、大阪側自身が「維新の党代表松野頼久」名義で政党交付金の申請を10月に入ってからしてしまっているので、なかなか難しいのではないでしょうか。
馬場氏が解党して存在しなくなったはずの党の代表というのも、おかしな話です。
これらの動きに対して、維新の党の「暫定代表」ということになっている馬場伸幸衆議院議員は、
「われわれが正式な執行部であり、名簿をお渡しする理由はない。代表選挙は松野氏らが勝手に言っていることであり、コメントすることはない。司法の場で判断して頂ければいいと思う」
とコメントしています。
そして、大阪市の橋下市長は記者団に対し、
「僕は離党して、維新の党の党員でもないので、全く無関係だ。被告になっているなら、今後訴状をみて対応する」
と述べました。
橋下さんは被告になっていないと思いますよ。
そうならないように、松井大阪府知事と一緒にいち早く離党したんでしょうか。
でも、自分でやらせておいて「自分は全く無関係」って言いぐさはないでしょう。この人のやり口はいつも同じです。
私は個人的には冷たい感じを受けます。
おまけに自分は政治家辞めると言っているのに、新党は作っちゃうんですからね。
いくらなんでも無責任なんじゃないですか。
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