まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

共通番号制度 税と社会保障を考える

2011年09月08日 | ニュース・関心事
住民基本台帳ネットワークの問題からズーッと地道な活動を進めてきた市民団体からの要請で民主党政権が推進している「共通番号制度」についての勉強会の講師を引き受けて今日の下記のレジュメを作りました。

政府は、税と社会保障の観点から3:11東日本大震災をも活用しながら「共通番号制度」の法的整備を進めるべく全国での公聴会を計画的に進めています。静岡市は来年の2月12日労政会館で開催されます。

そこでの意見陳述の申し込みも含めての第1回の勉強会でした。政府構想もなかなか緻密に作られています。相当に論点を絞って臨まないとスエーデンのように社会保障の充実の為に番号制度が必要との世論が形成されます。

次回勉強会は10月5日18:00から地球ハウスにての開催です。是非多くの皆さんに関心をもっていただきたいと思います。



「共通番号制度を考える」           2011年9月8日

「1」 いただいた資料
1、 打合せ会レジュメ
① 現状分析
② 進め方について
③ 当面の具体的な予定
・まつや勉強会
・11月勉強会
・1月 2月12日シンポ参加者確認

2、 「NO!監視」ニュース
① 住基ネットを土台にした「共通番号制度」の導入反対!
② 新たな「国民総背番号制」を許すな!
③ 増税反対!社会保障の削減反対!

3、 日弁連「共通番号制度の問題点」
① Q-1-1 社会保障・税に関わる共通番号制度」とはどういうものですか?
A-1 → P1図

② Q1-2「納税者番号」とはどういうものですか?
A→P2図

③ Q-2 ①公平・公正な税制の実現と、②社会保障の重要な課題ですし、その前提として、③正確な所得を補足する必要があります。共通番号(納税者番号)制度をつくれば、しっかり所得を把握し、公平・公正な徴税等ができるのではありませんか?

A-1→「納税者番号」をつくっても「所得の正確な捕捉」は実現できません。
 ・海外捕捉できず
 ・小売業・サービス業 いちいち把握できるか、業者の事業      
   用と私用の区別の困難さ
 ・「低所得者」把握の困難さ 費用対効果
A-2→ 公平・公正な税負担は、納税者番号とは別の税制改革の課題です。→P4図税負担率
  また、今回の「共通番号制」は、金融資産からの所得なども含めた総合課税の実現を目指していません。

A-3→「社会保障の充実」とは具体的にどういうことでしょう。共通番号制を導入すれば、財源保障も社会保障の「充実」も実現するということにはなりません。雇用改善が必要。

④ Q3 「共通番号」を使うと、どのようなプライバシー侵害の危険性が高まるのですか?

A-1→個人情報が集積・統合(プロファイリング)されやすくなり、深刻なプライバシシー侵害が起こりやすくなります。
  スーウーデン型を目指す。
A-2→「なりすまし」による深刻な被害も発生する危険性が高まります。
A-3→特定分野の個人情報が流失するだけで、“芋づる式”に広範囲のプライバシー侵害がもたらされやすくなります。

⑤ Q4 「共通番号」記載のICカードを全員がもたらされるそうですが、どういう問題がありますか?

A-1→便利さは管理責任とセットです。だからこそ、所持するしないを選べることに意味があります。ところが、政府案ではすべての人々が所持を強制されます。「便利だからいい」と簡単に結論づけることは出来ません。

A-2→共通番号が個人認識・認証手段として、日常的に利用されることが促進され、プロファイリングの危険性が高まります。また、ICカードを利用した医療・健康情報などのセンシティブ情報流失の危険性も高まります。

⑥ Q5 「社会保障・税」に関わる共通番号制度」に必要な費用と効率化のバランスはどうですか?

A-1→費用対効果は疑問です。

⑦ Q6 「社会保障・税に関わる共通番号」で、社会保障の負担と    
給付の関係が明確になる(社会保障個人)というメリットが生まれるのではないですか?

A→「社会保障個人会計」は、経済的弱者をお荷物とみる風潮につながる恐れがあります。

⑧ Q7 諸外国ではすでに「番号制」を導入しています。早く導入しなければ、日本は世界に取り残されるのではありませんか?

A→番号制の内容は国によってさまざまです。それぞれの国の内情や歴史的経緯、近隣諸国との関係、プライバシー保護に関する問題意識等の影響を強く受けています。
また、社会保障制や税制度の透明性ヤプライバシー保護のための独立した第三者機関の存在があることが大きな違いです。

⑨ Q8 日弁連は「共通番号制度」についてどう考えるのですか?

A→共通番号を行政でも民間でも広く利用する制度には反対します。
 プライバシー保護のための第三者機関の創設などは、共通番号制度とは別個に早期に実現すべきです。

4、 いま、共通番号はいらない!5・30市民集会
① 問題点の指摘
・何のための番号か、前提の検討をせぬままま、どうにゅうだけを推進
・結局は住民票コードによる一元的管理
・「国民の懸念」は解決できるか
・無駄、使えない、コスト、拙速・強引な進め方
② 社会保障と共通番号制度―「真に困っている人」に手を差し伸べられるのか?
③ 「共通番号付き国民IDカードは大震災に役立つ」は悪質なデマ

5、 反住基ネット通信 29号(5・30集会報告あり)
① なぜ、選択制にしないか
② 福祉抑政策にも使える番号
③ 災害時に活用できるか

6、 いらない 共通番号 パンフレット

「2」 入手した資料
1、 政府発表 「みんなで考えたい 社会保障に関わる番号制度」
2、 住民台帳法の改正について 新たな在留資格制度がスタート
3、 静岡県本人確認情報保護審議会 ホームページ公開
① 議事録
② 住民基本台帳カードについて
 2010年度 12367発行、累計107854枚 2,86%
③ 運用状況について 別紙

「3」 給付付き税額控除
3.給付つき税額控除の基本的な仕組み
給付つき税額控除の基本的な仕組みは、「一定以上の勤労所得のある世帯に対して、勤労を条件に税額控除(減税)を与え、所得が低く控除しきれない場合には還付(社会保障給付)する。税額控除の額は、所得の増加とともに増加するが、一定の所得で頭打ちになり、それを超えると逓減し最終的には消失する。」(3)というもので、主に3つの段階がある。
3つの段階とは「(1)稼得所得が増加するにつれて控除額が逓増(phase-in)段階、(2)所得が増加しても控除額が(最高)控除額で一定の定額(flat)段階、(3)所得の増加に伴う控除額が減額される逓減(phase-out)段階である。また、対象者の控除額が課税額を上回る場合には、ネットの超過分は社会保障で給付される(refundable)」(4)であるが、制度
設計によっては(2)、(3)だけの場合もある。

「4」 問題点
1、 住基ネットの現状の把握と評価
2、 共通番号の基盤整備の把握と費用負担
3、   税と社会保障をどう考えるか