まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

2012年 5月10日 非常事態省 住民保護課訪問

2012年05月12日 | ニュース・関心事
非常事態省では、日本大使館の参事官・中野洋美氏同席のもと住民保護課副課長のアントニーナ・イシチェンコ氏と土壌汚染規定担当のナターリヤ・シヴェラ氏と社会保障担当のナターリヤ・セミャニフスカヤ氏が担当してくれた。

資料として、91年段階までの法制定、内閣令など分厚いウクライナ語による2冊の解説本とウクライナ地域の放射能汚染地図をいただいた。3人からの報告については、夕飯時に参加者どおしの大論争になるのだが、保護課職員とのやりとりは違う機会に譲りたい。
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参加者質問としては、私からはソ連政府の事故秘密政策を乗り越えて法律制定に至るウクライナの「運動」について、汚染区域が2293から273に減少したことについて。岩佐さんから、法律の権利規定、制度設計、制定過程について。

古市さんから改正された法律、26年間の経験とアドバイスについて、佐藤さんから、被ばく者の国家登録について、等質問しました。実は、私への回答時間が極めて長く、15:00から16:00の約束が17:00までに延長されるも時間切れの実情。

一番の問題となったのは、放射能汚染の被ばくが軽減されているという「改善」の実態とそのことから法律「改正」の必要があるとの現在の状況と福島原発事故経験した日本や私たちへのアドバイの部分。その部分だけ紹介すると以下の内容。

「福島の方々に対する 26年間 勧告助言だが、地理的経済的条件を考慮して 一方で住民の精神的な問題も考慮していかないといけない。国際的水準に照らしても被災者にネガティブな影響が長く続いている。ウクライアナ自身のメンタリティもあるかもしれないが先祖代々の土地を捨てていかなければならないことがトラウマになって戻ってくる人々がいる。除染して住めるようにすることは範囲が広いうということ、財政的に負担が多額と言うことで国の政策として取らなかった。なので、状況をみて正しい判断をしなければならない。年間300億ドル、社会保障で国の予算から支出している。これは経済的に考えると被災者に選択してもらった方がいいのではないか。わずかでも特典としていくか、一次的補償にしていくか。
放射能汚染環境でいかに生きていくかについて、科学技術的な、環境の改善、がん、糖尿病、心臓欠陥が起きてきたときに医療的に対応できる、どこに住んでいく条件を見つけられるのか、汚染されているといっても適応できる、汚染を踏まえた上で生活できる条件を見つけていくことが必要。」
「この汚染地域は市町村で2293から各市町村における調査の結果273に減っている。様々な措置により 放射線量が軽減されたと考えている。しかし、法律に反映されていない。政治家が反映しなければならないが、政治家は、現在払われている補償を 他の重要な措置に使うべきと判断すべきであるができていない。ゾーンの見直しは、州レベルの議会の発議で決まる。州議会の議員は一般受けしないので、なかなか発議をしたがらない。 選挙民受けを考慮して政治的な決断ができない。政治家は、法律を制定すべきである。」

2012年5月10日 坂田東一ウクライナ特命全権大使への表敬訪問

2012年05月12日 | ニュース・関心事
チェルノブイリ原発事故から26年目のウクライアナ首都キエフ、スターリンゴチック建築を思わせる街並みに圧倒されます。日本大使館は、独立広場から2キロくらいでしょうか、フィルハーモニーのすぐ近くにあまり目立たないビルの中に構えています。

昨年10月に着任した前文部次官の坂田大使は、様々な事故対策をやってきているウクライナ、除染の経験も積んでいるが費用対効果については彼らなりの評価がある、ウクライナにうまくできたこと、できなかったこと、全部調べて帰ってほしい、と激励。

ざっくばらんな意見交換の中で、遠く離れたウクライナにいながら福島原発事故の国際的観点からの4つの問題提起を受けました。

1、 皆さんは住民の立場が必要条件であるが、あれだけの国際的な迷惑を、逆にいえば世界から助けられた日本の責任において、原子力をどうするかは横において、あの事故を通じて原発の安全な原点作って世界にフィードバックしてもらいたい。

2、 福島原発事故のような悲惨で不幸な事故は世界から助けられなければならないが、内戦において国連PKOという仕組みがある。原子力事故に関する国際PKOつくるべき、国際条約化して世界中が助け合う国際制度を打ち立てなければならない。
3、 原子力損害賠償条約には、パリ条約、ウイーン条約、補完的補償条約の3つがあるが、今回、日本は原子力損害賠償制度という福島原発事故に関する支援機構を立ち上げたが、この経験も国際社会にフィードバックしなければならない。
4、 福島原発事故の「現場」を事故炉の安全な技術力を見につけてもらう、誰も経験したことのない「修羅場」、その中から新しい技術を考案しなければならないが、「学びの場」として国際開放するような貢献・活用もあるのではないか。

表敬訪問でしたが、刺激的な意見交換ができました。私からは、福島原発事故をめぐる政府の対応の中で除染―帰還等、地方分権を尊重する立場で首長の言い分を無視できない構造があるが、住民の声と離れる場合もある、こうしたことをどのように考えたらいいか。

これには大使は、政府は首長の立場を尊重しなければならない しかし、首長として帰らせることはできても責任をとりきれない。政府は過去に例のない、違う判断もしてはいけないことはない。首長に任せることに限界もある。政府の毅然とした判断が求められる。

もうひとつ質問。日本のIMF拠出はヨーロッパでどう評価されているか。大震災を被っていながらIMFに600億、ウクライナのODAなど国際コミットメントの推進は高い評価を受けている。税、震災など内向きになるのでなく国際協力に日本の姿勢を示すべきだ、と。

そして、そのことから木村准教授のチェルノブイリ原発事故後のジトーミル州ナロード地区での調査活動やウクライナ在住歴18年というチェルノブイリ救援・中部の駐在員の竹内さんたちの支援活動と今回の訪問にふさわしい表敬訪問となりました。