まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

「憎しみを持つことで生き延びることができた」(日本軍捕虜となったオランダ軍人)NHK・BSドキュメンタリー「父を捜して日系オランダ人 終わらない戦争」!すごすぎる番組!

2018年07月02日 | 市政

NHKだからできたドキュメンタリーというべきだろう。インドネシアの日本軍捕虜収容所で看護師として働いていた母親と日本軍人との間に生まれた主人公ナニー(日本名はなみこ)そして弟。母はオランダに戻りインドネシアで日本軍捕虜となっていたオランダ軍人と結婚し3人の子どもが生まれ5人兄弟となったが継父からいつも自分や弟は虐待を受ける。何故なのだろうか。そして15歳の時、継父の強姦で妊娠をするが二階の階段から突き落とされるも女児を出産しその子はすぐに養女に出され顔も覚えていない。そして自分の父親が日本人であることを突き止める。「なぜ継父を止めなかったのか」と母を問いただした答えが「なぜされるがままになっていたの」。母、継父と絶縁する。日本の父の墓参もでき自分のアイデンティティを発見する。今度はナニーの息子が継父との間の娘さんを探し当て母親と再会させる。その娘さんが思う母への思い、そして母の継父である自分の父が何故、母ナニーを強姦したのか考え始める。その時に現存する日本軍の捕虜となったオランダ軍人の言葉が見出しの言葉である。「日本への憎しみ」が母ナニーへの強姦となったのではないか。母ナニーはそのような考え方を敢然と拒否しながら自分の父を探し出し離ればなれの娘とも再会できたことから「憎しみはなくならないが乗り越えることができた」。こうした三世代にまたがる戦争の「傷跡」を丹念に人と人との関係の中に浮かび上がらせたドキュメンタリー。何という辛い人生なのだろうか。「憎しみ」は「生きる力」になるが「憎しみ」だけでは「人として変わる」ことができない。すごいドキュメンタリーだった。