マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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シンカン祭神饌作り

2006年09月27日 08時39分52秒 | 天理市へ
天理市海知町のシンカン祭りは三日間に亘り行われます。

昭和10年から宮座制度を廃し、地区住民の年交替輪番制で選ばれた大小の当屋。

1月15日に「当屋渡し」によって引き継がれた当屋により神事、宵宮、例祭などの祭事が執り行われます。

氏神さんの倭恩智神社に初穂を奉献する神事は、「七色の御供」と「花御供」「荷い餅」と呼ばれる珍しい神饌が献じられます。

かっては重陽の節句であったシンカン祭りの名称は座献立のナスの辛し和えがシン辛いとか、神幸(シンコウ)祭が訛ったものとか言われていますが、一年神主の神官(シンカン)が残ったものと考えるのが妥当ではないでしょうか。

9月の7日、8日、9日に行われていたシンカン祭は、サラリーマン勤務に合わせて今年からその日に近い金曜から日曜にかけて行われるようになっています。

初日の今日は、朝から夜間まで大当屋の庭先で「七色の御供」などの神饌が手際よく作られていきます。

決まった長さに揃えた青竹を細く切り裂き、先端を尖らせます。

里芋は丁寧に皮を剥き、藁でカワラケ皿と縛り固定します。

竹串の先端には事前に準備された里の幸の柿、密柑、梨、棗、茗荷、桃、栗を左から順に挿して出来上がります。

一方、杉皮を方形に切断して、鉈で綺麗に削っておきます。

これは後ほど餅を搗きあげてからコモチを9個並べる「花御供」の餅座になるものです。

宵宮神事の「御湯祓いの儀」を終えると、二斗一升の餅を現代的な機器で次々と搗いていく餅搗き神事が始まります。

搗きあげた一番餅の神餅は古式ゆかしく当屋引継ぎされている天秤棒で計量されます。

「荷い餅」の餅は、冷え固まった翌朝に竹で十文字に挿して荷いの形に整えます。

「杉皮御供」とも呼ばれる「花御供」は、一番小さなコモチをひと摘みごとに3列3段に貼り付け、10枚作られます。

(H18.9.8 Kiss Digtal N撮影)