マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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福住不動寺御膳

2007年10月10日 09時28分53秒 | 天理市へ
毎年9月15日、天理市福住上入田(かみにゅうだ)地区の不動寺では、早朝から地区の方が大勢集まって農家から寄進された自家栽培野菜を使って作りものをこしらえていきます。

収穫した野菜で人の顔やタヌキなどの動物の形を作って今年の豊作を感謝する「御膳」は起源が16世紀に遡るとされる伝統行事。

持ち寄られた野菜はカボチャ、トマト、サツマイモ、サトイモ、ナス、キュウリ。タマネギ、ネギ、ショウガ、ピーマン、オクラにシイタケなどなど。

最近はゴーヤや赤ピーマンも栽培しているので色とりどり。

作りもんのベースであるカボチャは半切りにするが他はそのままの形を使う。

各野菜を固定するのは新入りと当番8人が削った竹串。

凡そ30体ほどの御膳は当番7人が4体ずつほど作りますが、設計図はなく当日のインスピレーションで作っていくとおっしゃる。

御膳前にはお皿であろうカキの葉に乗せた10cmほどダイコンの茎葉を束ねたものが並べられる。

御膳は本尊の前のテーブルにずらりと並べられ、お寺前の不動尊、行者祠、金毘羅権現、十三仏や三面六臂荒神さんなどの石仏群などに7体を供えます。

供えられると直会が始まります。宴が盛り上がった15時ころ、一同は本尊を前にして般若心経を唱えます。

この日は御膳をそのままにしておき、翌朝、役員らは寄進してくださった各世帯へお礼として1体ずつ配られます。

※撮影、拝観に際しては事前に上入田区長の了解をとってください。

(H19. 9.15 Kiss Digtal N撮影)