マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

長滝町オコナイの鬼打ち

2010年03月13日 08時17分23秒 | 天理市へ
神事を終えると社務所でパック詰め料理の膳を囲んで直会を始める。

お神酒を注ぎ回るのは行司役。

酒の燗が間に合わないくらい忙しく動き回る。

そろそろマトウチに行こうかと二老が声をかけて、地蔵寺に移った。

灯明を翳して二老が仏前に座った。

傍らに竹弓と矢、ワラ苗、カンジョウナワを供え、般若心経が唱えられた。

かつては神名帳も詠み上げていたというからおそらくオコナイの行事であったのだろう。



本堂にお経が静かに染みていく。

それが終わると一行は的場と呼ぶ山裾に向かう。

そこは山の神とも呼ばれているがご神体は見られない。

山そのものが山の神であろう。

筵を広げた的を取り付ける。

弓打ち者が座る筵を敷いてマトウチが始まった。

代役の二老は神妙に祝詞を奏上した。



サクラの弓を手にした二老は天、地、東、西、南、北に向けて矢を打った。

最後は筵をめがけて矢を放った。

再び地蔵寺に戻って今度は鬼的めがけて射るマトウチが始まった。

鬼的は回廊に吊される。

本堂の柱にはワラ苗が括り付けられた。



二老が弓を持って歩み出た。

酒を口に含んで回廊に括り付けたワラ苗にはき出す。

清めの酒だ。

二老は一旦後ろに下がり一歩前にでた。

左足からだして三歩前にでる。

そして一歩戻る。



これが作法だといって矢を射った。

これを3本繰り返す。

鬼的に命中したら拍手喝采。

次は本当家の二人。

次は受け当家の二人。

行司も矢を打って、最後は弓の角で鬼的をバラバラに壊す。



鬼のとどめをさすといい、退治したので村も安全が確保された、五穀は豊年を迎えることであろう。

(H22. 2. 5 EOS40D撮影)