「あんぽ柿のなます」
主な伝承地域 伊達市、福島市
主な使用食材 あんぽ柿、大根、にんじん
歴史・由来・関連行事
福島県で柿が食べられるようになったのは、江戸時代頃からと言われている。梁川町(現伊達市)に住んでいた七右衛門という人物が、柿の木を植えたのが始まりとされている。ちなみにあんぽ柿は、柿の皮をむいてから天日干しにするため、「天干し(あまほし)柿」と呼ぶようになり、その後これがなまって、「あんぽ柿」となった。福島の特産物として親しまれており、なます以外にも、天ぷらや羊羹、和え物、焼酎漬けなどさまざまな料理に使用されている。
その中の一つである「あんぽ柿のなます」は、一般的に祝いの席の料理として知られるなますに、せん切りのあんぽ柿を取り入れたアレンジ料理。さわやかな酸味とあんぽ柿の甘味、うま味がぴったりと合う一品となっている。
食習の機会や時季
あんぽ柿はもともと、砂糖が貴重とされていた頃に、甘いお菓子の代わりとして親しまれていた。その後、郷土料理に多く使われるようになったとされている。また、「なます」は本来、生魚と大根、にんじん、酢を合わせて作り、祝いの席で食べる料理。福島らしい食材であるあんぽ柿を使ったなますもまた、正月や祝い事の際に供される。
飲食方法
あんぽ柿、大根、にんじんをせん切りにし、大根とにんじんに塩をふって水気を抜いた後、酢と砂糖で和える。あんぽ柿にはたんぱく質やカルシウム、ビタミンA、食物繊維などが豊富に含まれており、自然由来の健康食品として慣れ親しまれており、あんぽ柿のなますは栄養たっぷりの郷土料理と言える。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
福島県ではオンライン上にあんぽ柿のなますのレシピを公開。県外の人も気軽に作れるように情報提供を行っている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_16_fukushima.html より