「馬刺し」
主な伝承地域 会津若松市、会津坂下町
主な使用食材 馬肉
歴史・由来・関連行事
福島に馬肉食が広まったのは、戊辰戦争の頃。県内に運ばれてきた負傷者に馬肉を食べさせたことが始まりとされている。その後馬肉は貴重なたんぱく源として会津若松で親しまれるようになり、豚肉や鶏肉のように家庭で一般的に食べられる食材となった。
当初は加熱するのが当たり前であったが、会津若松を訪れた人気プロレスラーが生食したことをきっかけに、「馬刺し」を食べる文化が広まっていったという。今となっては「馬刺し」は会津若松の立派な郷土料理の一つ。ほかのエリアと違い、人気プロレスラーが持ち込んだことから根づいた「からし味噌」をつけて食べるのが特徴。
食習の機会や時季
もともと会津若松は内陸部であり、新鮮な生魚が入りにくかった。そんな中、内陸部でも入手できる馬刺しは、魚の刺身の代わりとも言え、会津若松では「刺身」と言えば、魚でなく馬刺しを指すと言われるほど。
飲食方法
会津若松市内の肉屋で、新鮮な馬肉が販売されている。しょうゆとからし味噌をつけて食べるのが一般的。また、会津若松の馬肉には赤身の脂肪分「さし」が入っていないことも特徴の一つとなっている。基本的には家庭内で食べるものであり、外食で馬肉を楽しむケースは少ないのだという。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
会津若松の馬肉文化を広げるため、「会津ブランド馬肉」さくらの会が8月29日の「馬肉の日」に市内の飲食店で馬肉の定食メニューを展開したり、イベントを企画したりと精力的に活動を行っている。また、会津若松の馬刺しはからし味噌をつけて食べることが多いが、一部で学生や事業者が新しいたれを開発して楽しみ方を広げる取り組みも行われている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/30_23_fukushima.html より
「会津ブランド馬肉」さくらの会
設立主旨
会津ブランド馬肉を名実ともに国産馬肉日本一の産地として普及活用と消費拡大を図り、全国に発信していく。
馬肉料理の普及、広報、特産品の開発とメニュー作りなど会津の食文化、産業振興に寄与する活動を実施していく。
*https://www.aizu-city.net/sakura/ より