天竜の「春野人めぐり」の訪問中、「砂川」(イサカワ)地区でレトロな鋳物ストーブを発見。レトロな割にはデザインもとびきり素晴らしいし、インテリアとしても活用できそうだ。
ストーブにある丸いエンブレムを見ると「センオーストーブ」と読み取れる。その字の上には「釜」、その下には「鷲」が描かれている。調べてみると、センオーとは「愃王」と書くらしい。というのも、明治6年に伊藤愃六が工場を操業。愃王は石炭の塊炭(カイタン)・粉炭(コタン・コナタン)を焚く始祖と言われている。
(画像は函館市中央図書館)
昭和6年に創業した会社で鋳物ストーブが国内はもとより朝鮮・満州にも輸出されストーブメーカーとして成長。ポスターも時代を感じさせる。
石炭はてっぺんの蓋を開けてから投げ入れるらしい。粉炭と塊炭の焚き方は違うらしいがよくわからない。以前は薪より石炭のほうが安い時代があったようだ。この日はもちろん薪を使っていた。空気調整用の回転窓が二か所ある。一番下に灰が集まる。やかんを置く煮炊き台もしっかり完備しているのも優れた配慮だ。往年の山里の豊かな財力をも感じさせる鋳物ストーブだった。