そのうちに、「五芒星」(ペンタスター)マークのマスコットに出会う。[dodge]のロゴが右下に控えめに見える。1914年にダッチブラザーズ自動車が創業するが、1928年にはクライスラーの傘下に入ることになる。クライスラーのロゴがよくみられるのはシンプルな社名か、欧米が好きな翼マークだ。ただし、羊マークの「ダッチ」は独特の高級感と誇りがある。
BC3000年前のシュメール文明にこの「五芒星」マークが発見された。「五芒星」は、結び目・交点などの「目」が多いため魔物を封じ込めるという信仰だ。それがヨーロッパへはもちろんのこと、シルクロードを経て日本にも伝わる。言うまでもなく、このマークは安倍清明の家紋であり、「清明神社」の家紋ともなっている。こんな自動車のマークから東西文化の接点があったとはなんとも驚きだ。
1925年にクライスラーさんが創業した会社はアメリカを代表とするフォード・GMとともにビッグ3を永年担ってきた。しかし、1970年代後半から深刻な経営危機に陥り、当局からの莫大な財政支援もあり今ではイタリアのフィアットの傘下でなんとか伝統を保持している。そういえば、キノコ狩りへ行った時に乗せてもらった乗用車がジープ「チェロキー」だった。いかにもアメリカ的な頑丈さが頼もしかったがときどきストライキすることもあったっけ。
もう「五芒星」のエンブレムは街中で会うことはまずないだろう。会えるとしたら収集趣味の好事家やレトロカーイベントくらいしかないに違いない。今回も往年のアメリカ野郎の鼻息荒い時代の象徴、いや敗戦国のもつ羨望の象徴をひょいと道路沿いで目撃できたのだ。ミュージアムに行かなくても健康を兼ねた街歩きの醍醐味にはこんなところにある。
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自動車エンブレム評論が快調に続き、昔を思い出して楽しく読ませていただいています。
日本の自動車マニアは独特の発音や表記をします。 ジャガーがジャギュアになったり、ポルシェがポーシャになったり、キャデラックはキャディに転職したり、フォルクスワーゲンをワーゲンと縮めたり(単に車かよ)とか・・・
ドッジラインの功罪はありますが対$為替を360円の固定相場にしたことと朝鮮戦争で日本は復活したともいえますね。
老生は同じスペルと発音で「ドッジボール」を連想していました。 辞書の下位にある意味では車にはまずいかなー。 ちなみに大リーグのドジャースは同系統の言葉でした。
ダッチだとDutchで オランダの~ に連想がつながりそうですね。ダッチオーブン、ダッチロール e.t.c.