山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

茶園とのお別れ

2020-10-31 20:48:24 | できごと・事件

 きょうはついに、わが家にあった茶園とのお別れの日となった。しばらくわが家の茶園を管理していた方が「多忙と高齢で茶の栽培を継続できなくなった」という申し出が半年前にあり、とりあえず、防霜扇の電源を切って間もないときだった。それから、茶樹の伐根をお願いしていた若者がやっと来てくれたのだった。まずは、重機の入り口、つまり今後の出入り口を作業の手始めとする。

   

 茶園の外周はそのまま垣根としてシカやイノシシの侵入の防御に備えることにする。この茶園は一昨年亡くなった地域のホープだったシンちゃんが汗だくになって働く姿がそこに刻印されている場でもあった。彼の姿をを見るたびに、働く美しさと心意気に感銘した場所でもあった。

                 

 そのシンちゃんを尊敬していた若い弟子がこの茶園の伐根を快く引き受けてくれたのだった。その心優しい弟子も田舎生活に憧れて単身で暮らしている。アルバイトを重ねながら米作りを続けている。おとなしいのが難点だが、樹の伐採も数百本はやってきているほどのキャリアはある。

                 

 きょうは伐根の初日だが、午後だけで斜面の四分の一ほどを手際よくやってくれた。重機の扱いも丁寧だ。伐根した残骸はこれから、土の表面に敷き詰めて雑草を抑えたり、土の乾きや流出を抑えることにする。そのうちに、歩道部分に使ったり、肥料になるのを期待したりて、有効利用するつもりだ。

   

 上手に伐根してくれている。この跡地利用については突き詰めて考えてはいないが、基本は農地というより森を復活したいのだ。CWニコルのような「アファンの森」はできないが、ビオトープがあり、昆虫や蝶が群がる花や樹があり、昆虫が食べられる野菜があるというような世界を夢想している。挿し木している予備軍の出番がいよいよ現実のものとなる。

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干し柿失敗したがもう一つの技

2020-10-30 22:29:43 | 食彩・山菜・きのこ

先月、実家から送られてきた渋柿を干し柿にしたが、残念ながらカビが生えてしまって惨敗。小さくて吊るさなかった数個の柿はどういうわけかカビが生えなかったので、なんとか食べられることができた。

                

 悔しいので、カビの生えた柿を七輪で焼いてみる。味は残念ながら干し柿の旨さは激減したが、空腹にはおやつにはなりそうだ。焼いて冷めたものは冷凍保存してみたが、期待値はさらに下がっている。

        

 そのうちに、第2弾で送られた渋柿を和宮様は、干し柿ではなく柿を輪切りにして乾燥機に並べドライフルーツとする。数日後、乾燥したそれを食べてみると甘みがほどよくおやつとなった。歯にくっつく難点はあるものの、「お茶の友」にぴったりの甘みが癖になる。薄い輪切りはポテトチップスのような食感ともなっていい感じ。山の裏にあるわが家にとって干し柿づくりは今年も手こずっているが、思わぬ技で活路が見えた。「諦めたらいかんぞな」ということを和宮様は技で示してくれたのだった。

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「芽が出てくれたぞなー」

2020-10-29 22:17:10 | 野菜・果樹

 農業の先輩の尾上女史から、「摘み菜」と「のらぼう菜」の種をいただいた。「摘み菜」は静岡市の「稲吉種苗」の種だった。「のらぼう菜」は女史の畑で採れた自家採種したもの。寒さがじわじわ着ていたのであわててイノシシが荒らした畝を耕して種まきする。

                

 すると、和宮様が「かわいい芽がぞくぞく出ておるわなー」と教えてくださった。畝が狭かったので密生し過ぎた芽ではあったが、荒らされた畝に芽が出てきたことにホッとする。画像の左が「のらぼう菜」、右が「摘み菜」。いずれもアブラナ系の菜の花仲間だ。和宮様は、のらぼう菜の熱烈なファンなので朝や夕方にしっかり水を撒いてくれていた。まもなく、間引き作業が必要となる。

                

 女史はそのうえさらに、種がうまくできなかった予備として、似た種類の「夢咲き菜」の苗を持ってきてくれた。「夢咲き菜」は、菊川市に本部がある「遠州夢咲農協」のブランド品のようだ。また、余った白菜の苗もわけてくれた。害獣に押され気味のわが状況に対して、女史のきめ細かな配慮にまたもや頭が下がる。これで、畑から消えていた葉物野菜がよみがえることとなった。これからうまくいけばだけどね。

 「夢咲き菜」と「ハクサイ」の畝も近くで準備しているので、近々植え込みできる予定だ。ただし、害獣が荒らしまわることも想定して外柵を作るほうが忙しい。スローライフはなんと忙しいことか。

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ドキッとさせるなよ!

2020-10-28 22:11:41 | 生き物

 わが家の居候に、「アシダカグモ」がいる。歩き回る蜘蛛では日本最大というだけあって20cm以上はある。しかし、その模様は個体差があって「あれ、誰だっけ」というほど違う。わが家ではその異様な雰囲気と大きさに「タランチュラ」と呼んでいる。

 とくに、オスのアシダカグモはサングラスをつけている。突然、近くにお出ましになるのでギクッとしてしまう。しかも、ゴキブリを捕らえるほどのスピードで移動したり、じっと動かなかったり、畳の上ばかりではなく障子をよじ登る。

      

 画像のドクロのような顔の中で、口に似たところには2列に4眼、計8個の単眼が見える。メスはサングラスはしていないが、オスの倍くらい大きい。足には「真っ黒黒すけ」のような模様があるのも新発見だ。見るたびに、「仕事をしろよ」と呼びかける。室内にいる虫たちを捕らえてもらいたいからだ。  

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焚き火de歓迎会

2020-10-27 20:42:22 | 出会い・近隣

 集落の人の個人的な提案を受けて、近くの空き家に住み始めた入居者を歓迎しようと、焚き火でささやかな歓迎会をやろうということになった。午前中は山のようにあった雑草と古枝を燃やし尽し、その熾火でお昼はいつものうどんを茹でた。裏の道草山に溜まっている古枝を伐っておいたのが役に立った。

           

 うどんには畑の「ツルムラサキ」を茹でたのを投入、食感が好評だった。また、いただいてきた「インゲン」や自家製の原木シイタケを天ぷらにしたのもおいしかった。また、七輪を出してきて、畑の甘長トウガラシやピーマン、それにホッケ・ウィンナーも焼くことになった。

   

                        

 さらには、近くの川で釣ってきていただいた鮎・十数尾を天ぷらにして丸ごと食べたのも圧巻だった。頭から骨ごと食べられたのが快感だった。最後に、栗の渋皮煮を入れた手作りの蒸しパンがおやつとして出てきた。たが、けっこうお腹がパンパンとなっていた。

                    

 こちらにオイラが来てから地元の人のほうから声を掛けられたことはなかった。だから入居した時はしばらく人と会うことはなかった。その意味では、今回は地元と共同して声掛けしたことになる。といっても、正式なものではなく、その手始めのようなものだ。地元としてはいつものように平穏であることを願い、新住民に対しては遠巻きに観察することになってしまうのが現実だ。それを打ち破るのは、入居者のある程度の覚悟と受け入れ側のおおらかさだ。今回も、定住にはやや距離があるようだが、ぜひ定住に一歩歩んでもらいたいものだ。        

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ウッドチップ肥料を入手する

2020-10-26 22:13:07 | 出会い・近隣

 近所から「発酵したウッドチップ肥料を取りに行くけど一緒に行くか」と言われたので、二つ返事で同行する。現地までは1時間半以上もかかったが、2トンダンプに山盛りのウッドチップを入手した。ありがたい声かけだ。これだけの量なら〇万円もかかりそうな迫力がある。ウッドチップ肥料には保水・保肥・通気性などの効能がある。

              

  さっそく、ネコに肥料を積んで緩やかな傾斜のある畑へ撒いていく。それだけでもう、汗がびっしょりとなる。たまたま、荒耕をやったばかりの畑があったのでタイミングが良い。しかも、町内の知り合いから「夢咲き菜」「ハクサイ」の苗もいただき、畝づくりに重い腰をあげざるを得ない状況でもあった。

   

 かれこれ、ネコでの運搬は14回もの往復となった。それは弱っている足腰のリハビリにぴったりの肉体労働となった。このチップで、土壌中の微生物を応援しようというわけだ。近所の人からはさらに「牛糞もいっぱい入手したから取りにきていいよ」との連絡も入った。チップと動物糞とをコラボすれば強力な肥料が形成される。ブルーベリーやキウイなどの果樹やアジサイなどの樹木への施肥もこれから必要になる。しばらくは肥料運搬が日課になりそうだ。近隣にまたもや感謝する一日となった。

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はみ出し「トレニア」が「光る花」に

2020-10-25 21:38:04 | 植物

 風は冷たいが秋晴れはやはり気持ちいい。それで近くをウォーキングしていたら、茶畑のなかに紫の花を発見。茶畑のなかに紫の花とは意外だ。それはどうやら、近所の人が「トレニア」という園芸植物を植えていたところ、そのこぼれ種が茶畑のなかに侵入したもののようだ。

   

 「トレニア」(ゴマノハグサ科)は、育て易いこともあって家の庭でよく見かける。名前は、スウェーデンの牧師・植物学者トレーンさんの名前からの由来だ。彼は、18世紀半ばスウェーデン東インド会社の商船の司祭としてアジアをまわり、中国・インドの植物を中心に収集したが、病を患い帰国後亡くなる。師であるリンネがそれを悼み彼の名前を献名とする。スウェーデンも小さな東インド会社を設立していたんですね。

                         

 トレニアは、スミレに形や色が似ているので、「ナツスミレ」という別名もある。今では、花色も白・ピンク・赤など多彩になってきて、ますますポピュラーな花となった。近所の庭からはみだしてじわじわと野生化してきて、ついに茶畑に到達したというわけだ。トレニアはインドシナ半島原産なので夏に強い。

    

 そのトレニアが2014年ごろ、NECを中心とするグループが「光る花」として紹介する。つまりは、海洋プランクトンの蛍光性遺伝子をトレニアに組み込んで、植物自体の蛍光を発するという世界で初めての技術が公開される。 この技術がこれからどのように広まっていくかはよくわからない。(画像は、「buzzap」のwebから)

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野の花の5分間de活け花

2020-10-24 20:44:27 | 野外活動

 冬を間近にひかえ、今のわが畑の花といえば、コセンダングサとアカマンマ(イヌタデ)の群落が多数派を占めている。というより、土地を占有されてしまっているとも言える。園芸植物はできるだけセーブしているのでそういう華麗な花はないと言っていいくらいだ。それでも、なんとか花の命を反映できないものかと活け花もどきを試みる。「セイダカアワダチソウ」(キク科)は隣の耕作放棄地でどんどん大きな群落に成長している。それをいただいてきてまずは活けてみる。すぐやることが大切なので手軽な空き瓶に活ける。

       

 セイタカアワダチソウの群落は次にススキの群落に遷移していく運命にあるらしい。ススキはわが畑にもかなり侵出しているので簡単に入手できる。両者をミックスして玄関に置いてみる。秋を家の中でも見られるのも「よか」でしょう。

 セイタカアワダチソウを見るだけで嫌悪感のあったオイラだったが、意外に効能があるのがわかった。蕾の段階で採りこんで入浴剤にすると、肌によく、アトピー性皮膚炎にも良いという。また、若芽は天ぷらにして食べられ、花はハーブティーとして飲めるというわけだ。

                        

 トイレの片隅に、キクイモ・ネコジャラシ・イヌタデを活けてみる。背景のコンセントとか、周りの板壁に花が目立たないとかの面もあったが、じっくり見てると野草もなかなか捨てたもんじゃないことがわかる。「菊芋」の花はほぼ終了し、根っ子を食べられる時期になった。ただし、広く野生化してしまったのでとても食べる容量を超えている。

 こうして、5分間でできる野の花活け花を何とか持ち続けたいものだ。花をわざわざ買わずに活けられるのが「よか」です。蒼天の空にもかかわらず午後は冷たい強風が急に吹いてきた。

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アオムシ君最終の食べ物

2020-10-23 21:36:18 | できごと・事件

 今月の上旬、シシウドに集まった20匹近くもいたキアゲハの幼虫はいつのまにか数匹となった。多くの幼虫たちはどこへ行ってしまったのだろうか。しかも、シシウドの葉は一枚もない(10/7 blog参照)。そんな食草の葉がなくなったら死んでしまうのではないかと心配になる。しかしよく見ると、アオムシ君はシシウドの茎の皮をけなげに食べているではないか。なんとも涙ぐましい生存努力だろうか。セリ科の食草しか食べないという一途な生き方だ。   

 それにしても、自分たちの食草を見分ける能力はどこから来るのだろう。ミカン科を食草とするナミアゲハから種分化したキアゲハは、セリ科を食草とすることで他者と共存し、住み分ける生存戦略を選択した。人間より極めて優れた生き方をしているではないか。21世紀になったというのにいまだ戦火も核も止めることができない人類。今こそキアゲハに学ぶべきだぜ、大統領よ総理よ政治屋よ国民よ。

 そうそう、食草を見分ける手がかりは、蝶の前脚の先端に秘密があるらしい。そこに、人間でいう「舌」に相当する毛状突起物で本能的に感知するらしい。それを研究した学者は経済発展には直接貢献しなかったかもしれないが、生きる真実を明らかにしたのではなかったかと思えてならない。           

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ゆうぜんとして山を見る蛙哉

2020-10-22 22:43:16 | できごと・事件

 わが家の物干しは畑の中にある。というのも、裏山を抱えている日陰のわが家には洗濯物を干す陽当たりのある場所がないからだ。昔の人はこうして住まいを暗い山側にして陽の当たる場所に畑を作ったのだろう。さて、きょうは珍しく天気がいいようなので洗濯物を干そうとすると、誰かが見ていたような気がした。

 なんと、物干しのポールのなかにカエルがいたではないか。どことなく、「おはよう、ごきげんよう」と言われた気がする。

      

 しかしよく見ると、朝の陽当たりを楽しんでいるようにも見えるし、360度の山並みの景色を楽しんでいるようにも見える。一茶の「ゆうぜんとして山を見る蛙哉」のような哲学者風な蛙の尊厳がそこにあった。

 蛙の俳句集を見ていたら、「野の草の色にまもられ青蛙」(工藤いはほ)というのを見つける。目の前の蛙は「野の草の色」ではなく「物干し」のポールの中で暮らしいる柔軟なスタイルに恐れ入った次第だ。

                        

 夕方近く、やっと畝づくりにめどがついてまたもや遅い種まきを終えたときのことだった。突然、黒マルチへ飛び込んできた蛙が一匹。「大儀であった」とトノサマがやってきた。今年になってときどきお出ましになる畑のトノサマだった。

     

 こちらの蛙はやはりどことなく品格がある。どこかの国の大統領とはかなり違う。「田に轍 秋収まるや泥蛙」(たけし)の風景に近いかな。「種蒔いて 秋収まるや殿蛙」とでも言おうか。そのうちに、17時のチャイムも鳴り、夕暮れがじわじわとやってきた。「夕暮れを背負い いずこへ秋蛙」(詠人不知)という風景のとおり、殿様は姿を消した。そろそろ冬ごもりの準備に忙しいのだろうか。

 

 

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