山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

死を・生を想う、その力が人を人とする 

2018-05-31 19:25:37 | アート・文化

 話題の映画「友罪」(監督・瀬々敬久)を観た。「心を許した友は、かつて日本中を震撼させたあの事件の少年Aだったら」。「<あちら側>へと踏み越えた少年A」が成人(瑛太)となり、また、少年時代、親友を自殺へと追い込んだ元記者との懊悩。そこから、二人の出会いは「死を想うこと、生を想うこと。その力が人を人とする」と川口敦子(評論家)は指摘する。(画像は「映画ナタリー」から)

 

             

 その「過去から現在と未来を逡巡する者たち」の途方を、我々が愚直を引き受けて、その問いのなかを生き続けること(森直人・映画評論家)の意味を提起した映画でもある。

 

        

 人間破綻を思わすが罪を全うしようともする主人公(瑛太)の複雑な演技が秀逸だ。一見、真面目そうだが過去に傷を持つ元記者(生田斗真)、二人の対照的な現在とが化学反応する。加害者家族としての責任を背負って生きている運転手(佐藤浩市)やハラスメントを受けている女性(夏帆)らの背負っている現実とが絡んでいく、

 

        

 「日々大量に流され、徒に消費されもする三面記事やワイドショー・ネットニュース。その奥にあるような<いちばん小さな声>をキャッチするために、瀬々は懸命に耳をすませて、目を凝らしている」という森直人の指摘に納得する。重く暗いテーマだが、「二度と友達を死なせたくない」という希望がほの見えてくる場所に二人が向かうところで終わる。

 

         

 この映画を観て、オイラの少年時代の傷を想いだす。その傷口からは、人間の悲しみ、やるせなさ、怖さ、バカバカしさとかの黒い塊がどろどろと流れてくる。その傷は完治することはない。少年時代に見てしまった人生の現実。

 その塊とともに毎日の「生きる」があり、それを畑に漉き込むことで希望という潤いを獲得している。したがって、山里に生きるとは、定年後の田舎暮らしという口当たりいい清涼飲料ではなく、オイラにとっては傷口をふさいでリハビリしている自己再生の訓練所なのだ。   

 

        

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ツバメの赤ちゃんやっぱり可愛いなー

2018-05-30 23:06:41 | 生き物

 たまたま道の駅のトイレに寄ったら、天井近くにツバメの巣があり、三羽の赤ちゃんが親の餌を待っていた。親が飛んでくると一斉に顔が隠れるくらい口を大きく開けていたのがかわゆい。親が飛んできた時の一瞬をレンズで狙っていたがあまりに一瞬だったので失敗。

 

         

 そのうちの一羽はオイラにお尻を向け始めた。親から餌を貰ってお腹がいっぱいになったからだろうか。親の活躍は人間も生き物も同じなんだなー。いよいよ梅雨本番となる。

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「食べるしじみ」を食べる

2018-05-29 21:20:36 | 食彩・山菜・きのこ

 がんセンターに通ったとき、医者から「ビタミン12」が不足していると言われる。胃を切除した人に多いらしい。その時は注射をしてもらったが、ビタミン12を補給する食材は魚類やしじみの貝類があげられる。

 味噌汁にしじみを入れて何回か食べたがけっこう面倒くさい。たまたま、掛川SAで乾燥の「食べるしじみ」を売っていたのですぐ食べてみたら、こちらはお菓子感覚で食べられるし腐る心配もない。日本産かどうかがやや心配だが、今のところ愛用している。

 同時に、シジミのオルニチンのサプリメントも取り寄せてみたが、続けて飲んでいくには高額な経費となるのがわかったので、こちらはやめることにする。

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シカの赤ちゃんか!?

2018-05-28 21:32:03 | 生き物

 和宮様が「裏山の茂みに何かがおるぞ」というので、さっそく見に行く。遠くからは物体が見えたがわからず近づいてみると、どうやら斑点模様が見えてきた。葉が邪魔になってよく見えない。しかし、相手はじっとしているだけで動く気配がないので数mくらいまで近寄る。

 

   

 すると、鹿の子模様がはっきり見え、耳や目が見えてきた。大きさからすると、ひょっとすると、生まれて間もないシカの赤ちゃんかも知れない。生後2年くらいは「鹿の子模様」が目立つようだ。今のところ、鹿の食害はないし、捕まえる気もないので現場から離れた。

 

       

 そのすぐ隣の竹藪では動物の糞が落ちていた。これはよく見るシカの糞ではない。どうもイノシシの糞のようだ。まさか、シカの赤ちゃんがイノシシに襲われて動けなくなったのだろうか。かくして事件の謎は深みにはまっていく。         

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フェアレディ「Z」のロゴもこんなに!!

2018-05-27 23:01:00 | 行事

 「第8回オールドカーin K’z ROAD」イベント会場のふれあい公園に初めて見に行く。公園入口にはさっそく「T型フォード」のトラックが特別展示されていた。アメリカがフォードシステムで自動車を大量生産していき自動車王国を席巻していく先駆的自動車だ。

 

          

 「Ford」のロゴの下には「made in USA」と誇らしげに刻印されている。1908年から1927年までモデルチェンジしないで生産してきた帝国アメリカを支えたフォードだ。

 そのアメリカに米日産初代社長として乗り込んだのが春野町出身の「片山豊」さんだ。かれをリスペクトする記念イベントが8回目を迎える。彼が開発したスポーツカー「フェアレディーZ」も多く集結した。

 会場の乗用車のロゴデザイン「Z」に絞って集めてみたら、微妙な違いがあるのがわかった。それぞれの車本体の貴重なデザインや性能は、車に興味のないオイラの範疇外なので、まずはエンブレムデザインに限ることにする。「フェアレディ」は貴婦人、「Z」はアルファベットの最後なので「究極」を表す。

 

       

       

           

                

                

 Z文字の大小、文字の中にある点は3個ありよく見ると四角型だった。また、Z文字も微妙な変化もあり、その文字の斜めの線だけ盛り上がっているのもある。輪の丸形もそれぞれ違いや装飾があり、その帯状の突起の有無も見どころだ。もちろん、背景の鮮やかな色彩もさることながら、ツルツル・ざらざらの感触も違いがある。

 食べ物や自動車部品の売店も出ていたが、地元春野町からの出店が少ないのが気になる。イベントの運営に追われ、地域への波及効果や狙いまでのコンセプトがやっぱり欠落している。                 

 

 

    

 

       

 

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剪定枝でうどんいただき

2018-05-26 20:17:36 | 野外活動

 剪定した枝が溜まってきたので、急遽焚き火をする。定番のうどんを茹でて昼食とする。火の使用は人類の発展に奇蹟的な結果をもたらしたが、山と積まれた枝がきれいになくなる。自然エネルギーは適度に使うことで生活を豊かにしてくれることを実感する。

 

                  

 ハチクがまたニョキニョキ出てきたのであわてて収穫して、うどんの残り湯で茹でる。ついでにフキも茹でて、たけのこと一緒に夕飯のおかずにする。それぞれ柔らかくてうまい。

 

         

 焚き火の炭を七輪に入れて鰯を焼く。冷凍の魚だったので日から遠ざけて解凍してから焼く。定番メニューでやれなかったのが「焼き芋」だ。サツマイモがなかったからという単純な理由だ。    

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飛んできた昆虫は!?

2018-05-25 20:41:28 | 生き物

 シロアリがそろそろ飛び立つ時期だと警戒していたら、デカい黒アリを次々見つける。みんな翅がある。新しい女王アリが多数の繁殖用のオスを引き連れて、空中で交尾して一生分の精子を体内に蓄積するという。そして新たな開拓地へと飛翔する。

 

          

 近くの道路では交尾で力尽きたであろうオスの羽アリを小さいアリが運搬していた。オスのはかない運命の瞬間を垣間見てしまった。ちなみに、それを運ぶアリは年寄りなのだ。若いアリは巣穴でくつろいでいるか餌の管理をしているという。なるほど人間社会と同じだね。

 

   

             

 家の中には髭のある「ヒゲコメツキ」(コメツキムシ科)がやってきた。捕まえて容器のなかに入れておいたら、仰向けになったときは見事な月面宙返りを行う。ふだんは髭のないコメツキムシが風呂場にやってくる。幼虫は野菜の根を食べてしまう「ハリガネムシ」と呼んでいるが百姓にとっては害虫なのだ。

 

          

 畑ではネギ坊主に「アサマイチモンジ」(タテハチョウ科)が飛んできた。いつもだと、「イチモンジチョウ」だね、で納得していた。イチモンジチョウは表面の翅の上から4番目の白紋が無いかごく小さい。「浅間イチモンジ」は、浅間山から名前をとったことから、本州特産種で個体数が少ないという。貴重な蝶であるのがわかった。             

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挿し木してきたレンギョウを植える

2018-05-24 20:27:05 | 出会い・近隣

 数年前に挿し木してきた10cmくらいだったレンギョウの樹がすっかり大きくなってきた。畑の周りに植えてもいいが、国道の法面のレンギョウが足りないのでそこへ10本ほど植えることにする。

 

       

 そのためには、腰より高い雑草の森を切り開かねばならない。午前中いっぱいかかって草刈りをする。急こう配なので足場が悪い。ナイロンコードの草刈機は役に立たなかったのでチップソーの草刈機を取りに行く。

 

           

 穴を掘り、肥料を入れてからレンギョウを植え付けるが、土が足らない。掘れば掘るほど瓦礫が出てくる。なんとか周りから土を集めてくるが心もとない。

 

             

 近くの防火用水から水をバケツでピストン輸送して水をかける。近所の高齢者が「みんなに呼び掛けてみたら」と言ってくれた。今までいろいろやってきたが、準備に一日かかってしまうし、神経も使う。時間はかかるが一人で気楽にやるほうがいい。もう少し余裕ができたら集落単位で動きたいのだが。 

 

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急峻な山に勇壮な八幡神社ーぷぶふの日③

2018-05-23 20:20:31 | 歴史・文化財

 静岡県下で二番目に古いと言われる社殿がある「八幡神社」が突然現れた。急坂を上り詰めると威風堂々とした風格のある社殿だった。1552年の棟札があるというから、室町時代の遺構を継承しているという。信州と遠州を結ぶ交易の「塩の道」であり、秋葉山に向かう信仰の「秋葉街道」でもあった。

 

     

 鬼瓦のてっぺんには、お経の巻物3巻が乗せられており、その下に「綾筋」という2本の「へ」の字直線があるが、その意味についての資料は見当たらない。綾筋の下には「蓮の花」が線で表現され、中央に八幡の「巴」紋がある。左右の両脇は雨が侵入しやすい場所なので「雲」を飾り、雨の侵入を防ぐ役割がある。「雲」は建物が火事になったとき天から雨雲を呼びその雨で火を消すという意味があるという。

 

  

         

 社殿の彫り物は見事な作品になっている。デザインの「松」と「鷹」は掛軸や襖にもみられるが、「松」は生命力・不老長寿、「鷹」は力強さを表す。それは戦国時代から江戸時代にかけての武士の祈願に背景があるようだ。家康軍が武田側の犬居城を攻める前にこの神社で「武運長久」を祈願している。

 また、「鳩」は、西洋では平和のシンボルだが、日本ではなんと軍神の八幡神の「神使」なのだ。つまり戦争に勝つための象徴だったのだ。こうしたちょっとした飾りから時代が見えてくる。戦前の神社が果たした役割を今日いまだ総括されていない。

  

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山里の高尾邸を訪れる-ぷぶふの日②

2018-05-22 21:21:15 | アート・文化

 一昨日、森町の山奥を歩いていたらやっと目標の「高尾邸」を発見。屋根は200坪の銅葺きで往時の繁栄が偲ばれる。築146年の勇壮な家屋を保っている。

 

   

            

 入り口の門は総檜だという。その上には、高尾家の特注の「髙」の字と家紋の「丸にオモダカ」の瓦、さらには一対の「鷲」が睨みを利かす。飾り瓦の「波」は防火を表す。

 

     

 隣は昭和の懐かしさがほのみえる家屋が隣接している。建物のあちこちは林業が中山間地を潤していた時代の証人でもある。

 

                 

    

 廊下の天井は長さ7間の一枚板だった。これだけの長さだったので運搬が大変だったという。欄間は見事な松の透かし彫り。

             

 蔵はさすがにくたびれていた。これらの建物群を維持管理するだけでも経費と労力がかかる。高尾家の建物群の現在が「いま」という時代を反映している。

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