一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

真保裕一『灰色の北壁』(講談社)

2005年04月26日 | 読書・音楽・美術・その他芸術
最初に結論から言ってしまうと―― 「傑作」である! 珠玉の三編が収められている山岳ミステリー集である。 「黒部の羆」「灰色の北壁」「雪の慰霊碑」 どれも原稿用紙に換算すると150枚ほどの作品で、短編というより中編だ。 だが、読み応えは長編に引けをとらない。 どれも緊迫感あふれる作品である。 掲載されている順に読んだ。 「黒部の羆」を読了後、満足感が体に広がった。 他の二編を読んでいないのに、これ . . . 本文を読む

映画『運命を分けたザイル』

2005年04月03日 | 映画
どうしても見たい映画だった。 この映画、佐賀では上映していない。 そこで福岡まで行ってきた。 天神にある【KBCシネマ1・2】――小さな映画館だが、良質な作品を上映している。 『運命を分けたザイル』は、世界中で大ベストセラーを記録したノンフィクション文学「死のクレバス アンデス氷壁の遭難」を完全映画化したものである。 壮大なサバイバルとアドベンチャーの実話が、『ブラック・セプテンバー』でアカデ . . . 本文を読む