フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

Last Chance

2010-11-02 10:01:52 | Weblog
[Last Chance]と名付けられた牧場にあの男は帰ってこなかった。主人を失った牧場は今もひっそりとたっている。
今日は、「カウボウイ」の日として一年に1回か2回テンガロンハットを被る日にしている。気分は、スティーヴ マックィーンだ。


ちょっと遠出して渓谷で半日過ごした。久しぶりだけどカウボウイのスタイルは昔から好きなんだ。なんだか、『かえるところ』のような気がして。



そしたら、深夜のテレビで偶然にも「マックィーンのすべて」のような番組をやっていて思わず見入った。友人としてロバートボーンが出てた。どこかで見た爺さんだと思っていたら「ナポレオンソロ」じゃないか年とったねなんてお互い年とったのを思わず喜んだ。マックッィーンが「タワーリングインフェルノ」でついにポールニューマンを追い越し芸能界の頂点を極めてから「ボディガード」「ワイアットアープ」「地獄の黙示録」などそうそうたる作品のオファーを断って田舎の篭って数年後アイダホ州のケチャックという田舎町に終の棲家として買ったのが「ラストチャンス」と名付けられた牧場だったんだ。オートバイやカーチェイスでない自分自身への回帰を果たしたかったのかもしれない。事実田舎に来てから彼は、映画スターとしてではなく演劇人としてのスタンスをとりはじめる。信仰に目覚め自分自身にやっと巡りあう。その時、癌が彼の体を蝕んでいた。番組はラストで牧場の看板を写す。主人をなくして30年の風雪に耐えた看板の擦り切れた文字がかろうじてわかる「Last Chance」と。
この言葉は、彼の最大のメッセージじゃなかったのかなと僕は思った。
コメント
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