フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

没後40年、カラカラの海

2010-11-25 01:26:02 | Weblog
三島由紀夫が壮絶な文学的な死を遂げてはや40年。昨今、ますます、彼の素晴らしさが良くわかるようになってきた。最終的に民族や国家の価値を決めるのは,政治でも経済でもなく、文化のありようだと。日本が、経済の走狗となって無くなってしまうと予言していましたっけ。「豊饒の海」は、カラカラの海のイメージだったとは、いまはじめて知った。天才とは、かくも予言しうるものなのかと驚嘆している。彼は、文化の核が欲しかったんだろうか。無くならない日本の姿を夢描いたのだろうか。彼の言ったとおりの社会が実現して、日本人は滅びの道をただひたすら転がっていくのか時代にブレーキをかけたかった男だったのか、文化としての三島由紀夫論がふたたび論じられるべき時代が来たのではないかと思われるのは自分だけでしょうか。
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