toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

牙のある時間

2011年10月30日 | 読書日記
著者は以前書いた「警察庁から来た男」の佐々木譲。

タイトルから勝手にハードボイルドを想像していたけれど、一応ホラーと言うことになるらしい。
とは言え、解説に書いてあるほど恐怖も感じないし傑作だとも思えない。

3部構成で、第一部は妻の視点で、第二部は夫の視点で出来事が語られ、短い第三部は再び妻の視点でその後が語られる。
ストーリはそれなりに面白くて入り込んでいけるけれど、真実は分からないままで、警察庁から来た男と同じように読んだあとじれったさが残る。
妻と夫の感性の違いで同じ出来事を語っているのに、見ているところや感じ方が違っているところは良く書き分けられていて面白いけれど、普通はそれによって真実が明らかになって行くところが、だた2つの見解が有ってそれを紹介しているだけ・・と言うのが。。。


ハルキ文庫 定価838円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

契約

2011年10月24日 | 読書日記
明野照葉と言う人の作品。

能天気に生きている人が、金を持っていて執念深く頭が良い人に怨まれるとどうなるか・・と言うお話し。
最後に載っている広告を見ると、この人の作品はどれもこのようなねじくれて生きている人を描いたものが多いみたいです。

「世の中間違っている!」と思っている人は読むとすっきりするかも・・


光文社文庫 定価619円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ためらいもイエス

2011年10月22日 | 読書日記
山崎マキコという全く知らない人の作品。

可も無く不可も無くと言ったところで、今までならあえて感想を書いたりするような作品では無いんだけど、以前読んだ本のことを綺麗さっぱり忘れていたことがあり、防備録代わりに書きます。
タイトルは、文中に歌の歌詞として登場して、主人公が「どんな意味なんだ」と悩むところから付けられていると思うんだけど、たいして重要な場面ではなくそのままスルーしたまま結局明らかにされないので私にも意味が分かりません。
群ようこちっくなコミカルで読みやすい文体で登場人物もみんな面白いし、ストーリーもそれなりなんだけど、まぁそれだけの作品です。
途中、主人公が小学生の頃を回想する場面があり、それで想像するストーリー通りの結末でした。
作者としては伏線の積もりだったかもしれないけど、しっかりネタばれしてます(笑)。
登場人物の中の「青ちゃん」が良い味出してます。


文春文庫 定価657円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

顔に降りかかる雨

2011年10月15日 | 読書日記
著者は桐野夏生。
この人の作品は「OUT」を読んでいるけど、ここに感想を書いたかどうかは覚えていません。

この作品は、女性が主人公のハードボイルド。
ちょっとそれはどうも・・・と言うところも無いではないけど、サスペンスフルで良くできている。
一度すべてが解決した後、実は意外な人物が・・と言うのも良くあるパターンでそれなりに意表をついているものの、この作品においてはなんだか取って付けた様な感じで、もう少し上手く持って行きようが有っただろうに、と言うところが惜しい。


講談社文庫 定価629円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

四つの嘘

2011年10月14日 | 読書日記
大石静と言う人の作品。
紹介文によるとこの人はテレビドラマの脚本家らしい。

これは女子高の同級生だった4人のうち一人が事故死したのをきっかけに、残った3人が一緒に亡くなった一人の追悼旅行に出かけるまでの話。
誰かの視点で物語が進んで行き、今度は別の人の視点で同じ物語が繰り返されながら少しずつ先に進んでいくと言う手法は、宮部みゆきの模倣犯と同じ。
ただし、こちらは高校時代の回想が間に入るのでいくつもの出来事が同時に語られてゆく。
凝った趣向の場合、企画倒れって事が良くあるけど、これは結構しっかりしている。
流石に本職が脚本家という感じ。

これを読んで分かったことは「女性の友情や行動はすべて打算だったのね。。」


幻冬社文庫 定価686円
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする