toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「若葉荘の暮らし」 畑野智美

2023年12月31日 | 読書日記
群ようこの「れんげ荘」や三浦しをんの「小暮荘」みたいな物語を期待したけれど、ちょっと違った。

アパートの住人の話が半分、主人公の望月ミチルのプライベートの物語が半分と言った内容だけど、トキ子が亡くなってからは取って付けたような感じで社会問題に流れていってちょっと引いてしまった。
社会問題の話は別に譲って、登場人物のキャラがみんな良い感じなので、それをもっと生かした物語にして欲しかった。





2022.9.12
小学館
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「閉店屋五郎」 原宏一

2023年12月30日 | 読書日記
リサイクルショップを経営す恵右五郎が主人公の連作短編集。
リサイクルショップと言っても、メーンの商売は廃業する店舗の備品をまとめて買い取るというもので、埼玉の郊外に大きな店舗(物置兼事務所)を構えている。

閉店させる依頼主からただ買い取るだけでなく、閉店の事情を知ると人情に厚い五郎は様々なおせっかいを焼くことになる。
中には五郎の商売とは関係ない話も有るけれど、長屋の人情話の現代版と言った感じで気楽に読めて楽しい。




2015.4.10
文藝春秋
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「女子大小路の探偵」 秦建日子

2023年12月28日 | 読書日記
私が今まで読んだ秦建日子はいつもそうだけど、いくつもの細切れの話が時刻までも前後しながら語られるので、分かりにくくて仕方ない。
思わせぶりのところで話をぶった切って別の話に変わっていくので最悪。

コージーミステリと言うよりドタバタミステリと言った内容だけど、キャラ設定もストーリも面白いのに、構成の悪さで台無し。





2021.9.30
河出書房新社
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「一線の湖」 砥上裕將

2023年12月27日 | 読書日記
「線は、僕を描く」の続編と言うことを知らずに読んだ。
前作を読んでいないので、最初全く状況がつかめなくて苦労した。
ただでさえ状況が分かっていないのに、冒頭はほぼ会話だけで物語が進んでいくので全くついて行けなかった。
目次の次に有る登場人物紹介を唯一の手掛かりにして読み進めてようやく何となく状況が分かってきた。
水墨画に造詣は無いし、専門用語は最後まで分からないままだったから、完全には理解できていないと思うけど・・。

一言でいうと主人公の霜介の成長物語だけど、全体に大げさすぎて逆に冷めてしまった。





2023.12.11
講談社
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「仕事のためには生きてない」 安藤祐介

2023年12月25日 | 読書日記
安藤祐介のお仕事小説の中では一番良かった。
リアリティも有ったし、最初から最後までずっと楽しく読むことができた。

沼尻が最後にキーマンになるだろうと思っていたら、まさにその通り。
すべてが予定調和と言った感じの結末だったけれど、上手くまとまっていて良い。





2023.12.13
KADOKAWA
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「神様のお父さん」 北村薫

2023年12月24日 | 読書日記
本に関するエッセイ集。

残念ながら半分以上は全く興味の無い内容で、それぞれが短いから良いものの長かったら読むのが辛くなったかもしれない。
そのうえ構成に凝り過ぎているので分かりにくいのに、(知ってる人には当たり前のことかもしれないけれど)説明が足りなくてさっぱり理解できないところも多い。

そうは言っても面白い作品も有って(と言っても本の内容を紹介しているんだけど)、「剣持君と三島由紀夫」には笑った。
また、「月は綺麗・・・・・・かな」で紹介された「140字の文豪たち」は読んでみたいと思った。






2023.11.25
本の雑誌社
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「1984」 ジョージ・オーウェル

2023年12月23日 | 読書日記
友人が2冊買ってしまったからと1冊くれた本。
1949年に発行された(当時の)近未来小説。

舞台はソビエト連邦がモデルだけど、今の現実では中国や北朝鮮に近い一党独裁の監視社会。
過去まで都合の良いように書き換える徹底ぶりで、何か不具合が生じるとすべてを書き換えてなかったことにしてしまったりする。
主人公はこの書き換えの仕事に従事する真実省の男。
あらゆる資料の改ざんをしつつも、記憶は有るのでその矛盾に悩みつつ生活をしている。
やがて革命を目指す組織と巡り合うけれど、味方かと思っていた人物がことごとく体制派だったりで物語は大混乱。

最初のうちは他人事だと思って読んでいたけれど段々読むのが辛くなっていき、終盤は惰性で読み終えた感じで、(他の本を読む合間に読んだんだけど)読み終わるのに3ヶ月ほどかかってしまった。

全く嫌な社会の物語だけど、ここで使用されているニュースピークは合理的で良いなと思った。
実際英語がニュースピークになっていたら、覚えるのがずいぶん楽で助かったに違いない。




2021.2.25
角川文庫
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「こちら空港警察」 中山七里

2023年12月22日 | 読書日記
成田空港が舞台の連作短編集。最後だけ2編で一つの物語になっていている。

成田空港だけを管轄とする成田国際空港警察署の新任署長として仁志村が赴任するところから物語が始まる。
遣り手の仁志村が上昇志向だと言う理由だけで空港の職員たちが毛嫌いするのが不自然だけど、誤解されていたのが徐々に慕われるようになるという展開の伏線なのかな?

4つの物語で構成されているけれど、第2話の「ATB(エアーターンバック)」と最終話の二つは、リアリティが無さ過ぎ。
第2話は塁淵の行動とその動機があまりに不自然だし、最終話は伊庭が最後まで馬鹿すぎるし犯人達の行動がご都合主義になっている。
そうは言っても、この2つの話を含めてすべての話で仁志村の活躍とストーリ展開が素晴らしく、新しいヒーローの登場を思わせる。
是非、空港を舞台にした続編とともに、空港から別の部署に異動しての続編をお願いしたい。

腰巻に「最も狡猾な警察署長」と有るけれど狡猾と言うより緻密な感じだし、「どんでん返しの帝王が贈る・・」と書かれているけれど、本作にはどんでん返しは無い。






2023.11.14
KADOKAWA
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「秋山善吉工務店」 中山七里

2023年12月20日 | 読書日記
表紙のイラストから有川ひろの「三匹のおっさん」のような内容を思い浮かべたけれどまったく違った。

最初の3セクションで頑固な善吉と3人の母子がそれぞれ打ち解けていく話は、かなりご都合主義でちょっとひいてしまった。
次のセクションから突然犯人捜しのミステリと言う展開も取って付けたような感じで違和感いっぱい。
でも、最後はさすがに中山七里。ちょっとズルい。




2017.3.20
光文社
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「空と星と風の歌」 小手鞠るい

2023年12月19日 | 読書日記
在日差別がテーマの3つの短編集。

読み易い本だけど、内容は教育的な臭いに満ちていてちょっと重い。




2023.11.10
童心社
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「商い同心 人情そろばん御用帖」 梶よう子

2023年12月19日 | 読書日記
良く有る時代小説の短編集。

内容が謎解きミステリになっていてそれぞれ良くできているんだけど一編が短すぎる。
そこそこ複雑な内容を詰め込み過ぎて、物語の展開が突然だったり、説明が足りなくて分かりにくかったり。
折角どの話も面白い内容なんだから、1話の分量を倍くらいにして欲しかった。



2023.12.15
実業之日本社
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「タスキ彼方」 額賀澪

2023年12月17日 | 読書日記
戦争で中断させられた箱根駅伝を再開させた学生達の物語。
来月開催される100回大会の話とシンクロしながら話が進んでいくけれど、2回の中断と再会の物語と、100回大会の物語は2つの小説に分けた方が良かったんじゃないかな。
それぞれ良い話になったと思う。

出場大学名や企業名が実在の名前をもじったもののなっているけれど、そのまま出すか全く違う名称にしてもらいたかった。
変に連想させる名前で余計混乱してしまった。

それにしても額賀澪は駅伝好きですね。。






2023.12.13
小学館
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「今日もピアノ・ピアーノ」 有本綾

2023年12月16日 | 読書日記
ピアノに出会って成長して行く小学生の物語。
ジュブナイルなのでさらっと読めるけれど、ストーリはきっちとしてるから充分楽しめた。
ただ、駅のストリートピアノで練習するのはかなり恥ずかしいかも・・・。




2023.12.5
ティーンズ文学館(Gakken)
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「スモールワールズ」 一穂ミチ

2023年12月16日 | 読書日記
「ツミデミック」でちょっと興味を持ったので、勧められた本作を読んでみた。
でも。私的には・・・。

2作目の「魔王の帰還」がこの中ではベスト。
「ピクニック」「花うた」「愛を適量」は普通。
登場人物が繋がっていると想像させる「ネオンテトラ」と「式日」はイマイチ。




2012.4.20
講談社
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「なるようになる。」 養老孟司

2023年12月14日 | 読書日記
養老孟司の自伝風エッセイと言った感じの本。
養老先生に興味のある人にはお勧め。

北杜夫もそうだけど、虫好きの医者は変わり者なのか(笑)?






2023.11.25
中央公論新社
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