toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「ママナラナイ」 井上荒野

2020年10月30日 | 読書日記
とりとめの無い話が続いたあと、ようやく状況が見えてきたところで終わってしまう話が多い。
続きが読みたいのに・・・。

中には最後まで何だか良く分からないものも有る。

短編集として成立していると思うのは「毛布」と「十七年」くらい。

それなりに面白いかなと思うものも有ったけど、この作家はもういいかも。。。






祥伝社
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「犬がいた季節」 伊吹有喜

2020年10月26日 | 読書日記
伊吹有喜には外れが無い、けれど大当たりも無い。その中ではこれは大当たりに近いかも。

犬を飼っている高校での出来事を描いた連作短編集。
物語の中心が犬なのは第一話だけで、その後の話では犬は脇役になる。

最後にそれまでの各物語での主人公たちが勢ぞろいするという、この手の本では良く有る展開。
ただ、ここの部分を含めて、「感動させてやろう」感がいっぱい。
それと犬が死ぬ場面がきれいすぎる。
この2点が大当たりにならない減点部分。


第三話は阪神大震災関連の話。個人的にこの話題には弱い。そのうえその後の展開も悲しい。
この中では一番良かった。

第一話の時代、共通一次になってから国立大学は一校しか受験できなくなってたはずだから、2校合格したっていうのはおかしいんじゃないのかな?
それに名古屋大学(と思われる大学。明記されていないけど・・・)に受かっているのに、それを蹴って早稲田行くかな。。。

第二話は犬とは全く関係ない話でここに入れるにはちょっと違和感が・・。





双葉社



追記

共通一次ですが、1987年からの3年3回は、毎年変更が加えられる変遷期でした。受験生は共通一次試験の結果を基に、二次試験の日程別にグループ分けされた全国の国公立大学および産業医科大学の中から最大3校(3学科)を志願して二次試験を最大3回受験することができるという大学受験制度でした。
小説の舞台である89年は「前期日程に合格し入学手続きした者は後期日程を受験できない」制度だったので、2校合格は有りあえるけれど、後期を受けた時点で合格していた前期校にへ行けないってことだから、やっぱりそこに悩む余地はないから小説はおかしい。
87,88年だったら間違ってなかったのに・・・。
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「シグナル」 山田宗樹

2020年10月24日 | 読書日記
いかにも山田宗樹らしい設定という感じがした。

最初いつまで読んでもなかなかテーマが分からない。
一体何がテーマの物語なのだろう?と分からなままも、興味深い展開が続くのでそのまま読み進め、第一部が終わり第二部になってようやくテーマが見えてくる。

知らない世界の話で、どこまでが本当の話でどこからがフィクションなのか全く区別がつかない。
読んでいて興味がわいてくるし気になるのでいちいち調べて、これは事実でこれは作者の創作で、と確認していたのでなかなか先に進めなかった。それが無ければ一気に読めたのに(笑)。

読んでいて納得できないのは、人類の中から選ばれた6人が全員日本人で日本に住んでいたこと。
世界中に散らばっていたら、「八犬伝」のように仲間が集まるまでが一つの物語になってしまったかもしれないけど、そもそもネットを通じて集まることができたんだから全員が日本にいるという設定にする必要は無かったのに…。
と思っていたら、言い訳みたいな台詞が出てきました(笑)
まぁそうしないと色々面倒なことがあったことは想像に難くないけど。

それにも増して納得できないのは、たった47分49秒の信号にそれだけの情報が有ったってこと…。





KADOKAWA
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「サバイバル家族」 服部文祥

2020年10月23日 | 読書日記
サバイバル生活を営む一家の物語かと思って読みだしたら、自称「サバイバル登山家」の半生記を描いた自叙伝風エッセイみたいな作品。

それぞれの話の中には面白いものも有るけれど、基本的に変なこだわりの中で生きている著者の独りよがり的生活の話が中心で、全体のストーリを通して見ても別に興味をそそられるようなものじゃなくイマイチな本。
ただ全くつまらないわけじゃなくて、文章はちゃんとしているし、それなりに読み続けて行けるけれど、斜め過ぎる思考の著者の作品が楽しいわけない。




中央公論社
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「諏訪式。」 小倉美恵子

2020年10月18日 | 読書日記
私の地元である信州諏訪についてあれこれ考察した本。

最初に諏訪の紹介を兼ねて、諏訪に在る、あるいは諏訪の出身者が起こした企業などについて色々紹介されているけれど、他の会社の資本に入ったり現存しない企業も多く有りちょっと悲しかったりする。
諏訪の製糸業の歴史、岩波書店を創業した岩波茂雄の話、諏訪の地場産業と信仰の話、そして私の母校でもある諏訪清陵高校の三澤勝衛先生の話を中心にそこから話を膨らませて行く。
諏訪で生まれ育って、一時離れたものの今も住んでいるところなのに知らないこともたくさん書かれていて興味深いとともに、良く調べたものだと驚く。
ただ途中からどんどん関係ない話になっていく箇所が多い・・・。

あまりに諏訪のことを良く書いてくれているので、地元民としてはうれしい反面ちょっとコッパズカシイ(笑)。
でも諏訪のことをあまり知らない人には読んで欲しい一冊。

諏訪清陵高校時代、地学を教わった(地学以外のことも色々教えていただきましたが・・)牛山正雄先生が登場してちょっとうれしかった。





亜紀書房
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「続家族のあしあと」 椎名誠

2020年10月13日 | 読書日記
椎名誠の四部作(「哀愁の町に霧が降るのだ」「新橋烏森口青春篇」「銀座のカラス」+「本の雑誌血風録」)や、「岳物語」などと同じ系列となる自叙伝的小説。
「岳物語」の本人版と言うか、四部作の前編と言うか・・・、小学校高学年から中学校までの内容。
「続」が付かない方は読んでないけど、多分小学校低学年までの物語なのでしょう。。

四部作は「本の雑誌」(もしくは「怪しい探検隊」)のメンバーが集まって創設期までの物語で、沢野ひとしや目黒孝二、群ようこなど登場人物になじみが有ったりするのでストーリだけでなくいろいろ楽しめるけれど、これにはまこと少年以外知ってる人は登場しないので、普通の小説ととして読んだ。

それにしても最後のジョンの事件は悲しすぎる。
何てひどいお母さんなんだろう・・・。




集英社
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「安政五年、江戸パンデミック」 立川談慶

2020年10月10日 | 読書日記
安政五年というのは、安倍政権5年目の洒落らしい。
コレラが流行した江戸末期から明治時代と、新型コロナの現在(安政五年)を色々と比べては洒落のめす。
話に一貫性が無くてあちこち跳ぶけれど、読んでいて混乱することもなく最後まで面白く読める。





エムオン・エンタテイメント
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「宇宙飛行士、「ホーキング博士の宇宙」を旅する。 若田光一

2020年10月05日 | 読書日記
スティーブン・ホーキングと若田光一の対談集かと思って買ってみたら全く違っていた。
ホーキング博士が自著の中や、様々な機会に語った言葉に対し若田氏が解説やコメントをするといった内容。

どの言葉を選ぶのかを若田氏が決めたのかどうかは明らかにされていないけれど、教訓的・哲学的といった言葉が多い。
ホーキング博士の著作はかなり読んでいるけれど、一つも覚えていたものはありませんでした(笑)。
一番良かったのは「全てが運命で決まっていて、何も変えることはできないと主張する人でさえ、道路を渡るときには左右を確認する」。

若田氏のコメントはどれも分かり易くて読みやすいけれど、もう少し宇宙飛行士という特殊な職業からの検知を語って欲しかった。





日本実業出版社
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「お笑いショート・ショート集―ヤング寄席」 武田武彦

2020年10月02日 | 読書日記
古典落語をジャンル別にしてノベライズした本。
先日落語のあらすじを紹介した「落語キャラクター絵図」を読んで、落語はあらすじだけわかっても面白くないことが良く分かったので、ちょうど読む本が手元に無くなったタイミングで昔読んだ本を引っ張り出して読み返してみた。
奥付を見ると昭和59年とあるから30年も前に買って読んだ本。

「落語キャラクター絵図」と被ってる話も多いけど、やっぱり落語はストーリーよりもそこに加える演者の肉付けや語りが重要と言うことが良く分かる。
と言っても、誰かが演じたものをそのまま活字に直したものはちょっと読みにくいからこのようなノベライズがちょうどいい。
CDも良いけど、たまには本で読むのも良いかも・・・。




集英社文庫コバルトシリーズ
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「ロング・ロング・ホリディ」 小路幸也

2020年10月02日 | 読書日記
小路幸也度数がちょっと低い感じがした。
重要な登場人物の店のオーナーがちょっと問題有りで、他の登場人物もただただ良いだけの人じゃなくて訳ありだったりする。
ストーリーも小路幸也というより森沢明夫チック。
100%小路幸也の世界を期待した人にはちょっと欲求不満な作品。

何で「ロング・ロング・ホリディ」なのか最後まで分かりませんでした。






PHP
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