toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「油絵は謎をささやく」 翔田寛

2022年05月29日 | 読書日記
贋作事件と150年前の殺人事件がリンクしながら物語が進むという構成。
その構成とタイトルから、贋作事件を解決することで、その対象の油絵から殺人事件の謎も解決するんだろうと思っていたら、全くその通りでした。

ストーリには違和感は無いものの、謎が明らかになって振り返るとあちこちに不自然なところが見えてくるけれど、それはそれで最後まで面白く読めました。




角川書店
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「あの家に暮らす四人の女」 三浦しをん

2022年05月26日 | 読書日記
鶴代と佐知親子の暮らす旧家に佐知の友人の雪乃と彼女の会社の後輩の多恵美が同居する風変わりな一家(?)の物語。

いかにも三浦しをんらしい作品だけど、語り部は実は・・・というオチはイマイチな設定かな。
ここで終わっちゃうの?という感じでバッサリ終わってしまうけど、続きはないのかな??





中央公論新社
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「墨田桜」根津潤太郎

2022年05月22日 | 読書日記
「看取り医独庵」シリーズの第4巻だけど、いきなり読んでも大丈夫。

池波正太郎から続く正統派時代小説の連作短編集。
多くの作家で良く有る形態だけど、上等の部類に入る作品。

ここまでのシリーズ前作を読んでいないし「はぐれ長屋の用心棒」のように毎回説明があるわけじゃないから細かな背景は分からないが、主人公は町医者だけど剣術の腕もなかなかと言う、この手のシリーズではお馴染みのスーパーマン。
その腕を生かして滅多やたらに悪人を切り倒すということはなく、ここ一番の時にさりげなくやっつけるだけ。

町医者という設定が珍しいと思うけれど、本業を生かして大活躍と言うことも無く、この巻では第3話で多少関わる意外に医者という設定は物語のきっかけにすぎない。
それ以上に独庵と言う人間のドラマになっている。

どういう関係なのか良く分からないけれど何かと独庵の手伝いをする久米吉が、情報収集のため甘鯛に行くと何故かいつの都合よく話が進むところがちょっとご都合主義だけど、それが無いと物語が進まない。

このシリーズ、なかなか読み応えがあって楽しく読めるから、「御宿かわせみ」とか「酔いどれ小籐次」などに並ぶ長寿になるかも。
とりあえずシリーズ前作の3冊買って読もう。




小学館時代小説文庫
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「不屈の達磨」 安生正

2022年05月21日 | 読書日記
前半は次期社長を巡る権力闘争。
それに続いて、会社を食い物にするファンドとの抗争。
ドロドロした根回しや騙しあいという好きな人にはたまらない展開かもしれないけれど、そういう世界が嫌いな私には最も遠い世界の話で読んでいて嫌な気分になるばかり。

駆け引きだらけの物語の最後を人情ドラマ持って行く展開もどうかと思うけれど、個人的にはそこにちょっと救われた感じ。




角川春樹事務所
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「夢伝い」 宇佐美まこと

2022年05月18日 | 読書日記
ちょっとホラーテイストで、ブラックだったりシュールだったりの短編集。
木内昇や朱川湊人に似たテイストだけど、スタイルは全く違う。

一番良かったのは最初に収録されている表題作。
まだ物語が何も動き出さないうちに、サイドストーリ的に他に話が重なってきて、これはちょっと面倒な構成かも・・・と思いながら読んでいくと、すぐに2つの話が繋がると同時に全く違う展開になる。
これからどうなるのか期待していたら、突然終わってしまった。
ここで、この本が短編小説集だと気づいた(笑)。
このアイデアではこれ以上のストーリは無理だろうというくらいテーマが生かされている。

これに比べて、それ以外の作品は一段落ちる感じ。
最後の2編はファンタジーな味付け。






集英社
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「翳りの城」 三吉眞一郎

2022年05月15日 | 読書日記
武田軍に家族を殺され財産を奪われた旧今川領民達が、全体がトラップになっている城で剣崎弦馬の部隊を全滅させる物語。
まともに想像するととても耐えられないような描写の連続。
最後は一度逢っただけのライバルの友情物語。





竹書房
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「フェルメールの憂鬱」 望月諒子

2022年05月13日 | 読書日記
最初のうち、原田マハの小説を読んでいるような錯覚を何度もした。
絵画には何の興味も無いので、やたらと登場する蘊蓄話は全部斜め読みしたけれど、込み入った内容なのに構成や文章が整理されていなくてストーリがたまに分からなくなる。
壮大な詐欺の物語だと思うけれど、細かいところ理解できないうちに読み終わってしまった。
折角面白そうな話だったのに残念。




光文社
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「サバイバルファミリー」 矢口史靖

2022年05月12日 | 読書日記
以前服部文祥の「サバイバル家族」という本を読んでがっかりしたけれど、それとは全く違う本。

ある日突然電気が一切使えなくなる。
電力会社からの電気が止まっているだけでなく、バッテリーなどの電気もすべて使えないという状況で、バラバラだっら家族がまとまって行く物語。
最後の部分は無くても良かったかな。。

全ての電気系が止まるという設定だけど、体内の生態現象も電気なんだけどね・・・。





集英社
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「私を月に連れてって」 鈴木るりか

2022年05月09日 | 読書日記
読む順番がでたらめになってしまったが、これで鈴木るりか全作品をコンプリート。
どれも素晴らしいけれど、この作品が一番面白くて、完成度が高いかも・・・。
「夜を超えて」で田中母娘の謎ができてしまった。


「さよなら田中さん」が小学校6年生。
「太陽はひとりぼっち」が中学1年生。
そしてこれが中学2年生と話が続く形になっているから、続編(中学3年生?)が出たときにでも改めてまとめて順番に読んでみたい。

田中花実シリーズ以外の「14歳、明日の時間割」と「落花流水」ももちろん面白いけど、やっぱこれが好きだわ。。





小学館
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「手のひらの楽園」 宮木あや子

2022年05月08日 | 読書日記
私には宮木あや子は、面白いか全くつまらない(もしくは理解できない)だけど、これは面白い方だった。

主人公の友麻は環境や性格が私と似てるところが有って割と共感ポイントが多かったし、ルームメイトのこづえが徐々に打ち解けていく過程も良かった。
他の登場人物もそれぞれ個性的で楽しかったし、ストーリも楽しめた、
ただ、みんなのしゃべる言葉(長崎弁?)がたまに分かりにくく、そこがちょっと読みにくい。




新潮社
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「14歳、明日の時間割」 鈴木るりか

2022年05月05日 | 読書日記
鈴木るりかの第2作。

中学2年生の同級生が順に主人公になる連作短編集。
(最後の作品は彼らの担任の国語教師が主人公。)

どの話でも成績優秀、スポーツ万能の中原君が大活躍。
みんな面白いけれど、第1話が断トツ。
清水義範が書いたと勘違いさせるほど。




小学館
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「メビウス・ファクトリー」 三崎亜紀

2022年05月04日 | 読書日記
かなり三崎亜紀度が低い。
そのうえ章ごとに主人公が代わりながら物語が進んでいくけれど、最初の主人公一家が外部からやってきたという設定で説明的な内容が有るのでますます分かり易くなっている。
特異な世界なのは舞台になっている街だけで、周りは普通という設定も敷居を低くしている。
そんな感じなので、三崎亜紀初心者にはお勧めだけど、三崎亜紀を期待していた人にはちょっと残念。





集英社
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「プライド」 真山仁

2022年05月01日 | 読書日記
信念をもって仕事をしている人のドラマを描いた短編集。
どれも読後にモヤモヤが残ってすっきりしない。

最後の「ミツバチが消えた夏」だけど、リンゴの花の時期は春です。
ヒグラシの鳴く時期にリンゴ畑でミツバチを放すことはあり得ません。




新潮社
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