toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「焼跡の二十面」 辻真先

2019年06月24日 | 読書日記
タイトル通り江戸川乱歩のオマージュ作品。

シリーズの続編と思わせるような(思わないけど・・)パスティーシュ。
何でも有りのトリックだけど、ここまで行けば言うこと有りません。。





光文社
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「トロイメライ」 村山早紀 + げみ

2019年06月21日 | 読書日記
3つの短編集。

3分の2が近未来を描いた表題作。
アンドロイド型のロボットと暮すなか、安倍政権の戦争法案を自衛隊だけでなくロボットにまで広げた法律ができ、身近にいるロボット達が遠い砂漠の国の戦争に送り込まれてしまう。
そんな世の中が嫌になった子供達が・・・。

後の2編は打って変わってほのぼの系の話。
最後の「秋の祭り」は、なんだか途中で終わってしまった感じで物足りなかった。。




立東社
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「禁じられたメス」 久間十義

2019年06月20日 | 読書日記
「メス」繋がりで勝手に大鐘稔彦の「孤高のメス」のような物語だろうと思っていたら、ちょっと違った。
田舎の病院で真摯に患者に向かい合おうとする医者たちと、管轄する役所との対立を描いた物語。

冒頭、主人公の女医の東子が上司と不倫をして離婚されるところから始まるが、あまりにありきたりな展開で読むのを辞めたくなった。
離婚騒動が落ち着いて、東京を離れ東北の病院に再就職するところから本来の物語が始まると、俄然面白くなってくる。
東子が行きついた病院には、田舎で活躍する無名の名医がいて、東子は彼に共感して彼が始めた医療行為を推し進める。
しかし、それは倫理上許されない行為とされ、管轄省庁から指導を受けることになる。
ここから物語が加速度的に面白くなっていく。途中、病院が大震災に見舞われたりして、ストーリが途切れてしまうのでちょっとイラつくが、また軌道修正していく。
ここの震災関連の廻り道は不要ですね。

何が起こったか、その場では詳しく書かず、あとからそこで起こったことを書くという手法が多用されるけど、分かりにくいだけです。
しかも凝った割には、ミエミエで分かってしまうので何の意味も無いんだけど。

折角面白い話なのに、冒頭の話と地震にまつわる部分が残念。





新潮文庫
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「転がる石のように」 影山民雄

2019年06月15日 | 読書日記
外交官の息子として横浜で生まれ、幼いころから米軍基地でアメリカ人と遊んでいた青年が、アメリカに渡って一人旅する話。
60年代のアメリカの空気を感じることができる。

こういうロードストーリに魅力を感じてあこがれる人も多いだろうけど、個人的には遠慮しておきたい(笑)。






講談社
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「雨を見たかい」 上野哲也

2019年06月11日 | 読書日記
3篇からなる短編集。

前半の半分を占める表題作が中学生の頃大好きだったCCRの曲のタイトルだったので手に取ってみた。
この曲は当時のベトナム戦争で使用されたナパーム爆弾を雨に例えて歌った反戦歌だけど、この小説はそれとは全く関係なかった。
雨が降ると認知症の症状が出る母親の住む生まれ故郷に久しぶりに帰って来た主人公の話。
もしかしたら自叙伝になっているのかもしれない。
話が急に過去に戻ったりで分かりにくいうえに、全体的に暗くて気が滅入る作品。

次の「海の空、空の舟」は何を考えているのかさっぱりわからない中学生の話。
小説現代の新人賞受賞作らしいけど、個人的には全く面白くなかった。
「結局何なの・・・・?」という内容でした。

最後の「鯉のいた日」は、この中では一番まともな作品。
ある家族の日常を切り取った話。
やっぱり何が言いたいのか良く分からなかったけど、それなりに面白く読めた。
この短編が無かったら、この作者はもう二度と読まなかったかも・・





講談社
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「泥の銃弾」 大森望

2019年06月10日 | 読書日記
日本の近未来を描いた小説。
ハードボイルドミステリーと言ったところだけど、ハードボイルドの要素は低目。
主人公がジャーナリストで、事実を明らかにして自ら公表することが目的だから屈強な刑事とか探偵のようにはいきません。
その元一流新聞の記者が取材に行って自分のことを「俺」って言うかなぁ・・・?
普通の社会人なら一人称は「私」でしょ。ましてや目上の人とか取材対象に。。。
私ですら新入社員研修で教育されましたよ。

ストーリの本筋とは別に難民やイスラム教国などの内戦の話が手を変え品を変えながらいたる所で登場する。
それがストーリの理解を深めるための説明の域をはるかに超えて、そちらがメインの物語?と思うほどの分量と詳しさで、最初のうちは「なるほど・・・」と思って読んでいたけれど、段々読むのが苦痛になってしまう。
本来のストーリそっちのけで直接関係ない話が延々と続き、作者はこれが書きたいがためにこの小説を出したのだろうけれど、こんなにたくさん書かなくても・・。
折角ドキドキしながら読んでいるのに水を差される感じ。それが無ければ、もっと読むことが楽しめたのに残念。分量も上下巻でなく、ちょっと厚めの1冊で収まったのに。

下巻の中頃で本来の謎である狙撃犯が解明してしまう。
(かなり意外な展開だし、納得もできない。)
まだ半分残っているに後は何?と読み進めていくと、そこからスリリングな展開がはじまり、また一気にひきつけられていく。
ただ、狙撃犯の件と同じくその必然性が最後まで理解できないし、冗長すぎて要らないんじゃないの・・。

と言うことで、面白かったのか詰まらなかったのか、自分でも良く分からない。。
ストーリは面白いのに余計な部分が多すぎるってところでしょうか。。

ところでアル・ブラクにはアリバイがあるのでは???





新潮文庫(上下巻)
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「あずかりやさん 彼女の青い鳥」 大山淳子

2019年06月09日 | 読書日記
表紙の絵とタイトルから勝手に時代小説かと思っていたけど、読み始めたら現代の物語でした。
表紙の絵をよく見たら、掃除してる人はエプロンしてるし、その後ろには赤いポスト、そして反対側には自動販売機まで有りました(笑)。

内容は一日100円で何でも預かる「あずかりやさん」にまつわる連作短編集。

朱川湊人のような不思議さは無い。
小路幸也のような楽しさは無い。
畠中恵のような面白さは無い。
強いて言えば、堀川アサコの世界に近い・・・・かな。





ポプラ社
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