toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「母子草の記憶」 小杉健治

2022年03月31日 | 読書日記
ノンフィクション作家が自分の両親が殺害された事件を調べて行く物語。
事件の関係者を追って行くと最後にはとんでもない事実が明らかになり、何の関係も無いと思っていた人同士が繋がっていたというドラマチックな結末。

訪ねて行った人が、質問に対してやたらに具体的に答える場面が結構有って、ちょっと違和感があるけれど、物語は最後まで興味持って読める。





双葉社
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「コーリング・ユー」 永原皓

2022年03月30日 | 読書日記
冒頭、パラグラフごとに全く別の物語が始まったようにすべてがガラッと変わってしまい、「ここはどこ?」状態になる。
しばらく進んでようやく話が見えてくる。
後から振り返ってみれば、その構成が一番良かったと分かるけれど、ファンタジーまで入り込んでいるので混乱は避けられない。

終盤次々と立ちはだかる困難も、ご都合主義な展開で乗り越えて大団円。

この著者の作品、もっと読んでみたいかも・・・。




集英社
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「弊社は買収されました!」 額賀澪

2022年03月28日 | 読書日記
今まで読んだ額賀澪の中では一番良かった。
予定調和みたいな結末ではあったけれど、個性的な登場人物達の活躍が上手く描かれていて面白かった。

ただ開発部門はあんな形で無理やり一緒にしたりしないだろうな・・・。





実業之日本社
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「スリーピング事故物件」 西澤保彦

2022年03月27日 | 読書日記
適当に選んだら、先日読んだ西澤保彦の作品だった。
「パラレル・フィクショナル」より完成度が高く思えるけれど、サイドストーリ的に描かれる由希子と音尾の過去の話とか、レズの場面は全く不要。

細かいこと言うようだけど、箕浦奏人とはじめてワープロで交信したとき、
「来年、某出版社から作家デビューの予定です」
って言ってるのに、その後で謎の女に殺されたって言うのは論理破綻してるでしょう。




株式会社コスミック出版
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「ポンチョに夜明けの風をはらませて」 早見和真

2022年03月24日 | 読書日記
ロードノベルって言うのかな・・。

ストーリも7面白いし、構成も良くできていると思うんだけど、何となく物足りない感じがするのは細かいところの詰めが甘いから??
清水義範を目指したけれど、ちょっと失敗といったところ。
もう一歩頑張るが、全く別の路線を目指せば良かったかも。

なんか伏線がショボいというか、どうでもいい伏線が多い気がする。






祥伝社
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「分かれ道 ノストラダムス」 深緑野分

2022年03月22日 | 読書日記
女子高生のハードボイルドははじめて読んだ。
誰が味方かさっぱり分からない状況で、主人公のネギの行動は危なすぎてちょっと理解できないところも有るけれど・・・。

ちょっとひねった構成で、そのままだとつまらない話になりそうなところを、これしかない!と言うストーリに仕上げた感じ。
ラストはちょっと気に入らないし、エピローグもイマイチだったのが惜しい。





双葉社
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「パラレル・フィクショナル」 西澤保彦

2022年03月20日 | 読書日記
こういう内容の本ははじめて読んだ。
それを何というのか見当がつかなかったけれど、紹介文によれば特殊ミステリとなっていた。
確かにミステリの要素も有るけれどメーンはミステリじゃないし、強いて言えば三崎亜紀のような独自の世界を描いた物語といったところ。

この物語を成立させるための一族の複雑な相関は冒頭に相関図があるので何とか理解できる。
(というより、とても覚えきれるものではないので、それを見ながら読む必要がある。)
その一族が巻き込まれた事件の結末はストンと入って来たけれど、本質的な問題として自分に関わる予知夢の場合、予知夢に登場する自分はすでに予知夢を見て結末を知っているんじゃないのか?





祥伝社
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「はやぶさ2のプロジェクトマネージャーはなぜ「無駄」を大切にしたのか?」 津田雄一

2022年03月19日 | 読書日記
プロジェクトリーダーの立場から見たはやぶさ2の開発裏話的なドキュメンタリ。
タイトルから「無駄」の大切さを説くような内容だったらどうしよう思ったけれど、ある意味「無駄」は象徴的に使われている感じで助かった。

私自身エンジニアとしていくつもの製品開発に携わってきたので、自分のことのように臨場感をもって読むことができて、とても面白かった。

基本的に「です。」「ます。」で書かれているのに、たまに言い切るところが有ってその度にちょっと戸惑ってしまう。





朝日新聞出版
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「満天の星」 大山淳子

2022年03月16日 | 読書日記
「あずかりやさん」シリーズ第5弾と言うことだけど、読むのは第3弾の「彼女の青い鳥」以来2冊目。
何となく覚えていたけど、こんな設定だった?というシリーズのファンには申し訳ないような印象。
「彼女の青い鳥」を読んだときはそれほどでもなかったけど、これを読んでちょっと気に入りました。

ちなみにカバーの星空になっている点字は「あずかりやさん」です。






ポプラ社
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「落花流水」 鈴木るりか

2022年03月15日 | 読書日記
あいかわらず鈴木るりかは凄い。
3人の会話(一部+山田)の冴えが抜群。
流石文芸部。
特に愛海が最高。

ところで3人の苗字、ところどころで混乱してない??





小学館
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「まるまるの毬」 西條奈加

2022年03月15日 | 読書日記
「亥子ころころ」を読んだら気に入ったので、まだ読んでいなかった本作を早速手に取った。
私としてはこの作品が西條奈加のベストです。

お君が良い働きします。



講談社
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「吉祥寺ドリーミン」 山田詠美

2022年03月12日 | 読書日記
以前「トラッシュ」を読んで、この人にはついて行けない・・・と思った私でしたが、エッセイならと手に取ってみた。

内容はもう言いたい放題、やり放題。
でも、90%は共感できるんで、読んでる方も気分爽快。
エッセイならついて行けると思ったのでした。

ところで、小池都知事の横文字多様について色々書いていて、激しく同意するのですが、あなたにもそのまま言いたいです。
アメリカ人と結婚していたあなたには普通の言葉かもしれないけれど、さっぱりわかりませんよ。



小学館
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「楽園ジューシー」 坂木司

2022年03月11日 | 読書日記
ミックス(複雑な混血)の青年が沖縄のホテルジューシーでアルバイトする物語。

一緒になった若い男性と女性それぞの二人連れの客同士、またその後の夫婦と謎の男の客の間でミステリアスな問題が起こるけれど、不思議なオーナー代理が見事解決。

全体的にはちょっと教訓めいた展開だったりでピントがはっきりしない。

どうもこの作者の小説は私にとって、面白いのか詰まらないのか良く分からない。





KADOKAWA
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「下弦の月に消えた女」 瞬那浩人

2022年03月11日 | 読書日記
序盤、荻原浩や清水義範の書くライトな探偵小説っぽい雰囲気を目指して失敗したと言った感じで読むのが辛くなる。
そのうえ外来語表記に拘りがあってヴィニール、スウィッチ、ヴィデオ、プライヴェート・・・など読みにくいったらない(だったらオーバーハングはオーヴァーハングって書けよ・・と言いたい)。

しばらくして話が動き出すと、あいかわらず痛い比喩や挿話があったりするものの、なんとか物語の世界に入って行けるようになる。
特に清安真病院の特別室の謎が深まってからは、綾辻行人を連想させるようなホラーミステリーの色が濃くなり俄然面白くなっていく。
このあたりで、何となく意味不明だったプロローグ1に繋がりそうな予感が・・・。
しかしちょっとズレた描写や拘りの「プライヴァシィ」が出てきてホラーじゃなくなってしまう。

また何度読み返しても状況が良く分からない描写があったり、普通に書けばいいところを聞いたことない単語で書いてあってそれを調べたりと、ところどころで躓いてしまう。
そうして数々なハードルが立ちふさがるけれど、ストーリは面白いので何とかクリアして読み続けられる。

核心に迫るにつれハードボイルドの匂いもしだして、中盤からいよいよ本格ミステリーらしくなって行く。
ここまで来ると、竜崎の場面になると途端にレベルの低い描写になることさえ我慢すれば、物語に入り込み一気読み。

ミスリードさせるような描写は全部クリアしたものの、直前まで予想できなかった展開には脱帽。
伏線はいっぱい有ったのに。

島田荘司の路線かと思っていたら、西條奈加の「刑罰0号」とか荻原浩の「海馬の尻尾」と同じ系列でした。

プロローグ2を最後に持ってきた構成は良かった。


ストーリも面白いし構成も良いのに、返す返すも竜崎に関する描写が残念。
読みにくいだけの拘りを無くして、滑っている描写を止めれば文句なしの作品。



セルバ出版
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「寄る年波には平泳ぎ」 群ようこ

2022年03月07日 | 読書日記
大好きな群ようこのエッセイ集。
相変わらず彼女のエッセイは面白い。
目の付け所が群ようこだし、何でもないようなことを面白く書く才能は健在。
今回は激しく同意する内容も・・・・。




幻冬舎文庫
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