toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「愛なき世界」 三浦しをん

2019年10月29日 | 読書日記
何かに打ち込んでいる人(それもあまり普通でないものに)の世界を書いたら三浦しをんにかなう人はいないんじゃないか・・・と思う。
これは植物の研究に打ち込む人たちと、研究室のメンバーのなじみの食堂で働く青年の物語。

仕事でDNAの解析装置を開発していたんで非常になじみのある世界で、逆に読者向けの説明がちょっと煩わしく感じることもあったし、ちょっとそれは違うんじゃないのって言うところも有って、その辺が気になって仕方なかった(笑)。
今まで読んだ作品は知らない世界の話ばかりだったので、これはかなり嵌った。
研究室で実験する様子も卒研を思い出してなんだか懐かしかった。
もちろん、内容は申し分ありませんでした。

ただ、タイトルが・・・。







中央公論新社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「エミリの小さな包丁」 森沢明夫

2019年10月23日 | 読書日記
いつもの森沢小説と同じく良い人しか出てこない。
沙耶がちょっと毒を持ってるくらい。

お約束通り読み終わってほっこりできる。
これが味わいたくて森沢明夫を読むんだよね。

時系列的にはエピローグに続くプロローグ。
刃物を持った女性が「あの人」の住む家を訪ねていく場面。
ミステリー小説のようなプロローグだけど、こういう場面を書きなれていない森沢明夫らしく、全然臨場感が無い。
パロディにするか、もう少し研究するか、いっそ削除した方が。そもそも表紙のイラスト見ちゃうと在りえない展開だし。

鉄平さんの言葉「せっかくのんびり釣りしてるのに、このもがいちいち釣れたら面倒くさい」。
こんど釣れないときに使わせてもらおう(笑)。





角川書店
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「陽だまりの天使たち」 馳星周

2019年10月19日 | 読書日記
サブタイトルに「ソウルメイトⅡ」とあるように「ソウルメイト」の続編的な本。
「ソウルメイト」と同じく犬と人間のハートウォーミングなお話。

それぞれちょうど良い長さで感動的な短編集だけど、これだけまとめて読むと、「そんなに犬が人間の心が分かるわけない」とかちょっと出来すぎなところが目についてくるけどたまにはこう言うのも・・・





集英社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ガラスの麒麟」 加納朋子

2019年10月14日 | 読書日記
3連休なのに台風で本屋に行けなかったので、本棚から全く記憶にない本を適当に選んで読んでみた。
読んだ本の記録をつけ始めたのが2004年頃で、その記録の中に無いのでそれ以前に読んだんだろうと推測される。
と言うことは少なくとも15年以上前なのね。

解説にはミステリーと書いてあるし、それっぽい展開にもなってるけど、ミステリーとしての出来はイマイチ。
それよりも女子高生達と、不思議な保健室の先生の物語として楽しめる。
全く内容を覚えていなかったほど印象が薄い本だったけど、結構面白かった。





講談社文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「この道をどこまでも行くんだ」 椎名誠

2019年10月12日 | 読書日記
「旅の窓からでっかい空をながめる」の続編。

独特の、それでいて何となく雰囲気が分かる不思議な形容詞と副詞が頻発していて、どこを読んでいても「今、椎名誠を読んでる感」が途切れることが無い。
その椎名節で語られる異国の不思議な世界の話。
一話が短く、写真付きなのですぐに理解できる。





新日本出版社
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「君と漕ぐ2」 武田綾乃

2019年10月09日 | 読書日記
最近ボート競技を始めたので非常に興味を持って読みました。
カヌーとボートは微妙に違うけど、最後のレースの場面では、先月出場したレガッタのことを思い出した。
ゴールの瞬間は、自分たちが一位でゴールした(予選だけど…)時の感激が蘇って来た。

内容は先日読んだ、敷村良子の『がんばっていきまっしょい』のカヌー版と言う感じ。
女子高生の青春小説として楽しく読めるし、カヌーに興味がある人だったらのめりこめるんじゃないかな。

ライバルとして登場する大森姉妹や、神田・堀ペアのキャラがぶっ飛んでいて面白すぎ…。
良いアクセントになっている。

カヌー部の物語なので、特に主人公が誰と決まっては無いけれど、基本的には希衣が中心の三人称で書かれている。時々希衣の一人称になったりしてちょっと混乱してしまった。
その辺はちゃんと校正して欲しいところ。

私がやってるボートのスタートは「アテンション ゴー」だけど、カヌーは「レディ セット ゴー」なんだってことを知りました。
エルゴメーターもボート用のローイングエルゴメーターしか知らなかったけど、ちゃんとカヌー用もあるんですね。調べてみたら、いろんな競技用のものがあったので勉強になりました。

そもそもこの本がシリーズ2巻らしいけれど、きっと続編も出るんでしょうね。
出たら(前編も合わせて)読みたいな。






新潮文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「私はスカーレット1」 林真理子

2019年10月05日 | 読書日記
海外作品はほとんど読まないし、映画やテレビは見ない(見る時間が有れば本を読みたいから)ので、「風と共に去りぬ」はタイトルくらいしか知らなかったので、林真理子がどうアレンジしたのかはわからないけど、非常に面白く読めた。
林真理子ってやっぱり上手いなぁと改めて。

ただ雑誌に書いていたせい(?)で、段落が変わるたびに前段のおさらいみたいなところから始まるのが・・・。
本にするときはその辺を直して欲しかったな。。


是非続きも読みたいけど、いつ出るんだろう??







小学館文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「東京湾景」 吉田修一

2019年10月01日 | 読書日記
青春小説って言うのかな。
月並みな言い方をすれば、二十代の青年たちの恋愛と日常を描いた小説。

ただ登場人物が、基本的な部分で全員いい加減で、私とは根源的な部分で全く違う人ばかりなので、行動原理が全く理解できないし、共感もできない。
だから、何でそんなことするの?
とか、どうしてそんなこと言うの?
ということばかり。

どこか遠くにある星の東京とそっくりな街での、外観は地球の人類とは似てるけど全く違う異星人の物語…という感じだった。
私にしてみれば全くリアリティのない「おとぎ話」だけど、実際にこんな生活してる人も居るんだろうか。
こういう人が、一人いるっていう設定ならまだしも、登場人物達がみんなそうなんだもん。

ただ、面白くないのか…と言われれば、そうでもなかった。

後日譚みたいな同録されている短編小説「東京湾景・立夏」は、全く余計。
本編の言い訳みたいな内容で、まさしく恥の上塗りと言った感じ。
何故、こんなものを付け加えたのか。。





新潮文庫
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする