あんたはすごい! 水本爽涼
第ニ百一回
「こんな話ができるのも、ここだけですね」
「はい…。この店でも早希ちゃんは全然、信じてませんからねえ、今でも…」
「人前で話せば二人は変人ですよ、ははは…」
ママは愛想笑いをしながら水割りのグラスを私の前へ、そっと置いた。
「それはそうと、時空を越えたことが、よくお分かりになられましたね?」
「ははは…、玉がそう申したまでです。あなたにも、お告げがあったでしょ?」
「ええ、それはまあ…。ところで、沼澤さんは私と同じ時空にいらっしゃるんですか?」
「いえ、私は私で違う時系列なのです。ただ、世間の人々とは違う時空ですがね」
「ということは、過去に私のようなハプニングに遭遇されたということでしょうか?」
「はい、そういうことです…」
「外国で優雅に暮されている方もそうですか?」
「「いえ、あの方は地位、名誉、お金だけの人でした。玉が時空を動かすのは、すごい人だけなのですよ。この私が云うのもなんですが…」
ママは二人の会話を、まるでテレビの漫才のようにニタついて聞いていた。ただ、口を挟むことはなかった。早希ちゃんは今日も携帯を弄(いじく)って、画面に釘づけだった。

第ニ百一回
「こんな話ができるのも、ここだけですね」
「はい…。この店でも早希ちゃんは全然、信じてませんからねえ、今でも…」
「人前で話せば二人は変人ですよ、ははは…」
ママは愛想笑いをしながら水割りのグラスを私の前へ、そっと置いた。
「それはそうと、時空を越えたことが、よくお分かりになられましたね?」
「ははは…、玉がそう申したまでです。あなたにも、お告げがあったでしょ?」
「ええ、それはまあ…。ところで、沼澤さんは私と同じ時空にいらっしゃるんですか?」
「いえ、私は私で違う時系列なのです。ただ、世間の人々とは違う時空ですがね」
「ということは、過去に私のようなハプニングに遭遇されたということでしょうか?」
「はい、そういうことです…」
「外国で優雅に暮されている方もそうですか?」
「「いえ、あの方は地位、名誉、お金だけの人でした。玉が時空を動かすのは、すごい人だけなのですよ。この私が云うのもなんですが…」
ママは二人の会話を、まるでテレビの漫才のようにニタついて聞いていた。ただ、口を挟むことはなかった。早希ちゃんは今日も携帯を弄(いじく)って、画面に釘づけだった。