あんたはすごい! 水本爽涼
第ニ百十一回
『いつか、これからのあなたの映像をお見せしたと思います。今のあなたなら、それも夢じゃなく現実に起こりうるとお信じになると思いますが、いかがですか?』
私は応接セットの長椅子へドッテリと座り込んだ。
「はあ、それはまあ…。国連本部で演説していた映像なんか有り得ない! と思っておりましたが、そうでもないようです…」
『そうでしょう。このまま進めば、あなたはそうなる筈(はず)です。もちろん、私が念力をまた送れば、の話ですが…』
またニラレバ炒(いた)めの会話か…と一瞬、思えた。
「ということは、もし念力を送らなければ、そうはならない、ってことでしょうか?」
『はい、そういうことになります…』
「生意気なことを申すようですが、そのようなことを、あなたがお決めになる権利はないと思います。私はあなたの木偶(でく)じゃないのですから…」
私は意を決して、きっぱりと気持を伝えた。
『なるほど…。その云い分にも一理ありますね。親玉様へ伺(うかが)いをたて、考えたいと存じます』
「親玉様って…そんなの、おられるんですか?」
『おられるのです。人間界のあなた方には到底、考えられない、云わば人間の科学では説明がつかない世界が現実にあるのですよ』
玉はいつもより厳(おごそ)かに語った。私は、おられるんだ…と、思った。

第ニ百十一回
『いつか、これからのあなたの映像をお見せしたと思います。今のあなたなら、それも夢じゃなく現実に起こりうるとお信じになると思いますが、いかがですか?』
私は応接セットの長椅子へドッテリと座り込んだ。
「はあ、それはまあ…。国連本部で演説していた映像なんか有り得ない! と思っておりましたが、そうでもないようです…」
『そうでしょう。このまま進めば、あなたはそうなる筈(はず)です。もちろん、私が念力をまた送れば、の話ですが…』
またニラレバ炒(いた)めの会話か…と一瞬、思えた。
「ということは、もし念力を送らなければ、そうはならない、ってことでしょうか?」
『はい、そういうことになります…』
「生意気なことを申すようですが、そのようなことを、あなたがお決めになる権利はないと思います。私はあなたの木偶(でく)じゃないのですから…」
私は意を決して、きっぱりと気持を伝えた。
『なるほど…。その云い分にも一理ありますね。親玉様へ伺(うかが)いをたて、考えたいと存じます』
「親玉様って…そんなの、おられるんですか?」
『おられるのです。人間界のあなた方には到底、考えられない、云わば人間の科学では説明がつかない世界が現実にあるのですよ』
玉はいつもより厳(おごそ)かに語った。私は、おられるんだ…と、思った。