【社会派ミステリー】
松本清張記念館へ行った時に買ってきた一冊の文庫本♪
ちょいと前までは文庫本の値段は400円〜500円と認識していたが…🙄
しばらく本を買わないうちに🙄
なんと倍の900円になっていた😅
それでもワザワザ買ったのにはワケがある🙄
北九州市小倉北区に生まれ育った彼が…
その作品の中に如何に北部九州の風景を交えているか?
また、その…ワタシも普段から見慣れている風景が…
作家の手によってどのように表現されているのか?
そこを"確認"したかったのである🙄
実はワタシは…
松本清張の作品を読んだコトが無い😅
なぜ、避けてきたのか?🙄
それはたぶん…
母が読んでいたからだと思う😅
母は本好きで…
特に日本の作家では新田次郎と松本清張が大好きで…
よくワタシに←まだ小学生のワタシに…
松本清張のストーリーを聞かせてくれた🙄
きっと…
子供心に…
あの、重々しい雰囲気が嫌でたまらなかったのだろう😅
代表作「砂の器」にも見られるように🙄
貧しくて貧しくて…どうしようもない🙄
そんな世界は見たくなかった😅
社会派ミステリーと言われる彼の作品の特徴は…
その多くが、当時の社会問題になっている事象をテーマにしている🙄
その点では…
山崎豊子に共通するモノがあるのかもしれない🙄
もし、今彼が生きていたら…
どんな作品を残してくれたのだろう🙄
個人的には…
御巣鷹山に墜落した日本航空123便を題材にしたミステリーが読みたいと思う🙄
【太鼓の音】
この本は、そんな彼の珠玉の短編集である🙄
タイトルの「黒地の絵」を昨日、読み終えた。
よく出来たタイトルだと思う👍
日曜日に松本清張記念館の特設展を訪れた際…
この「黒地の絵」が史実に基づくモノであると知って…驚いた🙄
北九州市小倉の南東に位置する城野(じょうの)は…
小倉駅からの電車の沿線上の駅であり…
今でこそ、大型店舗で賑わっているが🙄
ひと昔前までは、自衛隊の城野分屯地があって…
定年前の自衛官に再雇用に向けた職業訓練を施す場所であった。
自衛隊の基地&駐屯地の多くは…
もともと旧日本軍が居た場所であるが…
そこをそのまま進駐軍のアメリカが使っている…
城野は…
戦後しばらくは…
進駐軍の補給基地であった。
そして…
ココから多くのアメリカ兵が朝鮮半島へと旅立ち🙄
朝鮮戦争で多くの遺体が冷凍されて門司港の岸壁に着けられ🙄
そこからトラックや列車で城野へ運ばれた🙄
城野は自衛隊の分屯地となる前は…
朝鮮戦争で死亡した兵士たちを本国に送り届ける前の…
遺体処理工場だったのだ🙄
コレは史実である🙄
かつて…
自衛隊関係者や、北九州のランニング仲間の間では🙄
城野にほ変な空気←悪い"気"が漂っている…
というウワサがあったが…
この、「黒地の絵」を読んでその理由が理解出来た👍
物語の中では…
今も続く小倉の伝統的な祭り・小倉祇園太鼓が大切なディテールとなって登場する🙄
ひょっとしたら…
小倉祇園太鼓が開催されていなかったら🙄
この事件は起きなかったかもしれない🙄
そう、錯覚させられる🙄
ある日、何処からか大勢の黒人兵が城野に送り込まれてきた。
目的は、朝鮮半島の最前線で戦うため🙄
そんな、明日をも知れぬ我が身の彼らの耳に…
遠くで小倉祇園太鼓の太鼓の音が鳴り響く…
何処か、故郷アフリカを思わせる音…
郷愁の念…
先祖代々受け継がれたDNAが騒ぎ出す…
フル装備の多くの黒人兵が城野キャンプから集団脱走したのは…
ちょうど小倉祇園太鼓の開催される夏の盛りであった🙄
多くの家は鍵を掛けず、暑いので外の戸を開け…
人々は肌着姿でくつろいでいた🙄
そこへ…
軍靴を鳴らして黒い巨体の暴風が吹き荒れ…
家の中を…
家人を…
めちゃめちゃにしていく🙄
コレは…
史実である🙄
何処までが史実であるか?
ワタシにはよくわからぬが…
松本清張は、当時住んでいた東京から…
ワザワザ小倉に来て🙄
被害に遭った人たちを探して話を聞くコトに努めている🙄
なぜか、この事件は…
ローカル新聞に取り上げられただけで🙄
沖縄の基地問題のように全国的に取り上げられるコトは無かった🙄
アメリカに忖度したのか?
沖縄だけでなく🙄
進駐軍の居た全国各地で…
同様の問題が起きていたのだ、と改めて実感させられた🙄
【入れ墨】
入れ墨もまた…
小倉祇園太鼓同様🙄
この物語の重要なディテールである🙄
↑タイトルの「黒地の絵」が示すように🙄
ある日…
城野の遺体処理工場で働く日本人の主人公は…
見覚えのある入れ墨を施した人体のパーツを目の当たりにする🙄
それは紛れもなく…
小倉祇園太鼓の祭りの夜🙄
我が家に押し入って…
妻を陵辱した入れ墨であった🙄
思わずナイフで、その入れ墨をめった刺しにする…
この、異常行動で…
物語は終わっている🙄
めった刺しのシーンは…
清張の創作であると思うが🙄
入れ墨について改めて考えさせられた🙄
ちょうど、炭坑で働いていた坑夫たちも…
肌に入れ墨を入れていた、そんな様子が…
山本作兵衛さんの原画にも残されている🙄
坑夫たちが入れ墨を施していたのは…
単に彼らがヤクザやチンピラ出身だからではない🙄
落盤事故に遭って生き埋めになり🙄
遺体となって発見された時に…
誰かわかってもらえるように👍
との意味合いである、と…
火野葦平の「燃える河」で読んだ🙄
だとしたら…
黒い肌に彫られた入れ墨も…
いずれ朝鮮半島でバラバラになるであろう我が身が🙄
無事、本国で待つ家族らの元に帰還できるコトを願って…
彫られたモノであるコトは…ほぼ間違いないであろう👍
ちなみに…
自衛隊は隊員の入れ墨を禁止しているが🙄
海外の軍人の間では、入れ墨は当たり前である👍