私の知り合いで「引っ越しが趣味なんです」という方が何人かいる。彼ら彼女らの共通項は、なぜか「セミナー講師」
その彼ら彼女らに言わせると、「自分を変える手っ取り早い方法が引っ越しなんです。人は環境が変わること変わります」と口をそろえて言うのだが、引っ越しについて語り出すと、国家公務員という立場だった私も一応、うんちく言う「資格」はあると自負している。(某女史の29回?には負けるが)
私の引っ越しは、生まれ故郷の北海道小樽市を皮切りに、東京都練馬区(もっとも住民票は埼玉県朝霞市だったが)、北海道札幌市、再び朝霞市、福岡県飯塚市、北海道千歳市、再び福岡県飯塚市、熊本市、沖縄県那覇市、そして「まさかの」3度目の福岡県飯塚市・・・で現在に至っている。
こうして見ると9回、いや、子供の時に一度、引っ越しているから人生でトータル10回の「引っ越し」を経験している。
社会人になってからの引っ越しは、もちろん、自分の仕事上の引っ越しであるが、なぜか北海道~関東、北海道~九州、九州~沖縄・・・という「島またぎ」的な移動が多く、かかる費用も半端ではない。俗にいう、「引っ越し貧乏」(笑)
もちろん、職場から手当は出るが、必要最低限の計算になっているので、車を移送するだけでも「赤字」になる。加えて、わが社の人事異動は、なぜか3月末と8月1日、というワケで、私の異動は圧倒的に8月が多かった。
真夏の引っ越しは地獄である。新たな勤務先に赴任して大量の荷物を搬入する際は、(最初っから設置されていれば良いのだが)まだクーラーも付かない状態での搬入となるから、汗だくである。まさしく「引っ越しダイエット」?(笑)
経験した人にしかわからない?が、(最近は、ガステーブルの付いている物件も多いが)自治体によって都市ガス、プロパンガスと供給されるガスの種類が異なるため、異動直前までわからない。(当然、ガスの種類が違えば使用するガステーブルも違ってくる)持ってきたガステーブルが「これ、使えません」とガス屋に言われたのはショックだった。以来、私は2種類のガステーブルを持ち歩くようになった。
「一人暮らしのハズなのに、なんでこんなに荷物が多いの?」と加勢に来てくれた仲間に愚痴られるのも、度重なる全国転勤の「成果」?である。
通常、転勤は2~3年に一度の割合だが、朝霞市に5年、沖縄県に4年半、そして九州は通算10年以上になる。それだけいると、もう、そこの「住人」になってしまう。
20代~30代の引っ越しは、異動内示が近づくたびに「次は何処に行くのだろう?」と楽しみで仕方がなかった。だが、40代の頃から面倒くさくなった。そして半ば「諦め」?で現在地にマンションを買った。
でも、最近、あることに気付いたのである。またどこか知らない土地に行ってみたい、と思っている自分に。果たして私は農耕民族ならぬ遊牧民か、はたまた狩猟民族の縄文人なのか?(笑)
まったく知らない土地で人生をやり直す中年男の物語が頭に浮かんだ。タイトルは「春風にグッドラック!」
初版本「シンクロニシティ・ジャーニー」の主人公、中谷恵理の「その後」を書いてみたい気もする。大いなる一歩を踏み出した彼女の横を吹き抜けていった初夏の風・・・やはり「風」がキーワードだ。
夢破れたしがない中年男の物語(ハードボイルド風?)になるか、華麗なる中谷恵理の「その後」の物語になるか・・・?
すべては2年後の私が答えてくれるのだろう。
追伸:なにかから「逃れよう」とする時、なぜか人は「南」を目指す。わかりやすく言うと、犯罪者はだいたい沖縄を目指す。鹿児島、沖縄をへて北海道へ飛ぶ・・・そんな人間心理をついて警察関係者にひとことアドバイス(笑)「犯人を捕まえたければ、那覇空港、那覇港、本部港で張り込め」(笑)