きまぐれ雑記

日常の出来事と私の好きなものを思いつくままにゆっくり記していきます

ベッジパードン

2011-06-08 20:01:10 | 観劇・ストレートプレイ
世田谷パブリックシアターで「ベッジバートン」の初日を観劇。

今年上演予定の作品の中で一番楽しみにしていた作品。

近代文学の作家の中で漱石は大好きな人だし、その漱石を演じるのが野村萬斎さん。
作は三谷幸喜さん。これは期待するなと言われても無理です。




さて、舞台。

開演時間になると耳慣れた音楽が流れる。マイフェアレディの「Wouldn't it be loverly?」。
同じロンドンが舞台のお話だけど、どういう関係?と思っているとお芝居が始まる。

当初は精神衰弱状態に陥った漱石の少し重い話を書く予定だったという三谷さん。

でも、3月の震災に遭って、「こんな時こそ、お客様を底抜けに楽しく笑わせたい」と方向転換。
こうして「ベッジパードン」は金之助(漱石)とアニー(ベッジ)のラブストーリーになったのです。

そして、三谷さんの狙い通り、笑いが沢山ある作品になるとともにどこか切ない哀愁のある素敵な物語でした。

この物語に生きを吹き込んだのは5人の素敵な役者さん。

いつもは先頭に立って長いセリフを朗々と奏でておられる印象の野村萬斎さんですが、今回は常に受身のお芝居で、自分から動く事はほとんどない役柄で、観ていてとても新鮮なんですが、これが又、どこかユーモラスで良いんですよね。
もしかしたら、ご本人はすごいストレスかもしれないですが・・・。

舞台で拝見するのは久しぶりの深津絵理さん。やっぱり上手い。
ちょっと頭は弱いけど、けなげで繊細なアニーは秀逸。
「私はずっと怒られてばかりだった。唯一、違うと言われないのは夢の話をする時だけ、だから、夢の話をするなと言わないで。私には夢しかないから」と金之助に訴える姿に涙・・・。

アニーの弟役グリムズビーの浦井健治さん。
ミュージカルでは何度も拝見していますが、もしかするとストプレで拝見するのは初めてかも・・・。
グリムズビーは頭は良いけど、裏街道で生きてる男。でも、どこか可愛げのある感じ。
こんなに立て続けにセリフをしゃべる浦井さんを見るのは初めてかも。でも、なんだかハマって観えた。

金之助と同じ下宿の住人のソータロは大泉洋さん。
私は大泉さんを舞台で観るのは初めて。でも、流石に達者な方。
最終的には憎まれ役なんですが、その片鱗を微塵も感じさせずに演じておられました。

そして獅子奮迅の活躍だったのが11役を演じた浅野和之さん。
もうお見事としかいいようがありません。
何度も階段を上り下りしてお疲れ様でした。

又、観劇させていただきます。




ところで、マイフェアレディの曲が流れるのはアニーの訛りがイライザと同じだからなんでしょうね。きっと。

又、劇中で足袋や扇子が小道具として登場するのは漱石役が萬斎さんだからなのかな
コメント
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