http://the-liberty.com/article.php?item_id=12990
《記事のポイント》
・大川総裁が京都で講演、公開直前の映画を紹介
・トランプ氏のFBI長官の解任は「当然」と指摘
・北朝鮮は「武装解除すべき」
大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁が14日、京都市のロームシアター京都で、「永遠なるものを求めて」と題して、講演を行った。会場には約2200人がつめかけた。
大川総裁は、これまで全国・全世界で2600回(うち英語説法100回以上)を超える法話を説いている。今回の講演の様子は、同グループの中継網を通じて、全国の各会場に同時中継された。
5月20日には、大川隆法総裁が製作総指揮した11作目の映画「君のまなざし」が公開される。大川総裁は講演の冒頭で、「永遠の生命の謎や、人間がこの世に生まれてきた意味から来世の意味、転生輪廻の意味などを教えてくれる」と紹介した。
◎トランプ大統領のFBI長官の罷免は「当然」
講演が行われた14日の早朝には、北朝鮮が日本海に弾道ミサイルを発射した。飛行時間が約30分で、高度2000キロを超えたことから、新型であると推定されている。
大川総裁は、北朝鮮問題の解決に向けて様々な角度から発言。そのテーマの一つに、アメリカのドナルド・トランプ大統領が9日、FBI長官だったジェームス・コミー氏を罷免したことを挙げた。
トランプ氏はコミー氏を罷免した理由は明らかにしていないが、FBIは、昨年のアメリカ大統領選において、ロシアがサイバー攻撃などで介入した疑いや、ロシアとトランプ陣営とのつながりなどについて調査を進めているところだった。
大川総裁は「今、北朝鮮問題を解決するためには、アメリカがロシアや中国との関係をよくすることは必要なことだと思うのです。そうした大きなトレンド自体は、一個人の私利私欲ではなく、国家戦略として守らねばならない」として、警察のトップが、国家戦略に介入して、足を引っ張ろうとするような動きを見せたことについては「大統領としては罷免する権利は、私は当然あると思っています」と指摘した。
米ロ関係は、オバマ政権時代、ロシアのクリミア半島の併合を理由に欧米がロシアに対して経済制裁を科したことによって悪化した。トランプ政権はロシアとの関係が良好なレックス・ティラーソン氏を国務長官に任命。経済制裁の解除を示唆しており、ロシアとの関係改善を図っている。
FBIの捜査は、アメリカからのロシアへの敵対的なメッセージとなりかねない。ロシアがアメリカと敵対し、北朝鮮を応援する事態となれば、北朝鮮を止めることはできなくなってしまう。
◎捜査・逮捕の「結果」が問題
国家戦略上、国を危機に陥れる捜査に対して介入を行うことは、日本でも認められている。検察庁法では、内閣総理大臣に任命される法務大臣から、全ての検察庁職員を指揮監督する権限を有する検事総長に対し、指揮権を発動することができる。
日本では1954年に「造船疑獄」事件が起こり、造船会社から政治家にわいろが渡されたとして、与党自由党の幹事長だった佐藤栄作の逮捕を、検察庁が決めていた。当時、「防衛庁設置法案」と「自衛隊法案」という、国防政策にかかわる重要法案が審議されている途中であり、法務大臣の犬養健は「重要法案通過の見込みが付くまで、断じて逮捕請求を延期して、任意捜査を継続すべき旨を支持する」と指揮権を発動。6月には両法案が成立に至った。
日本で指揮権が発動されたのは、この「造船疑獄」事件のみだ。評論家の渡部昇一氏は著作『逆説の時代』で「政治においては結果責任こそが重要なのである」としながら、この時に指揮権が発動されたことを以下のように評価している。
「造船疑獄事件での指揮権発動。その結果はどうだったか。それからわずか二年後に、日本の造船量は世界一を誇るまでになった」
「日本の重工業の復活は造船から始まった。すでに誰一人、この歴史的評価に異論をとなえる人はいない。しかし佐藤栄作幹事長が、指揮権発動もなく逮捕され、自民党政権があの時点で社会党に渡っていたら、日本は間違いなく経済成長の最初の階段を踏み外していただろう」
政治家の判断は、一国の未来を左右するものである。多くのメディアは、罷免を「疑惑隠し」「圧力」と批判しているが、「国家戦略へのFBIの介入」を、トランプ氏が阻止したという面を見過ごしてはならないだろう。
◎「北朝鮮は武装解除を」
大川総裁は北朝鮮の今後について、「最後は、金正恩氏は、武装解除するしかない。自分一人がかわいいか、国民が下手をすれば百万人単位で死ぬかもしれない戦争を起こすのとどちらがいいのか。優れた指導者ならば、自分の命を懸けてでも国民を救おうとすべきではないか。そういう姿勢を見せたら、世界の国々は、助けの手は差し伸べてくれると思います」とした。
講演の最後には、幸福の科学グループの活動について、「この国をよくすると同時に、世界を平和に、幸福の名の下にクリエイトしていく」ことであると述べて締めくくった。
◎映画「君のまなざし」公開直前イベント
講演前には、5月20日から全国ロードショーされる映画「君のまなざし」の公開直前スペシャル企画として、総合プロデューサー・脚本を務めた大川宏洋・ニュースタープロダクション社長、主演の梅崎快人氏、ヒロインの水月ゆうこ氏が登壇した。
大川社長は「映画のセリフの中で、『人生の苦難や困難には必ず理由がある』というセリフがあります。『人生は一回きりではなく、生き通しの人生である』『神様っているんじゃないのかな』ということを少しでも感じていただければと思います。大切な方と行っていただいて、考えていただけるような作品になればいいかなと思います」と語った。
なお、大川総裁は講演で、以下のような論点にも言及した。
・多数の霊言を出版していることの意味
・人間の基本的人権の根拠とは
・全体主義国家の特徴について
・革命が目指すべきものについて
・北朝鮮のミサイル発射や、サイバー攻撃について
・徳ある人が選ばれる政治の実現と教育の関係
この法話は、幸福の科学の全国の支部、精舎、拠点において、拝聴できます。
支部や精舎への問い合わせは、以下の連絡先まで。
・幸福の科学サービスセンター
Tel:03-5793-1727 : 火〜金/10:00〜20:00 土日/10:00〜18:00
・同グループサイトの支部や精舎へのアクセス
http://map.happy-science.jp/まで。
【関連記事】
2017年4月30日本欄 大川隆法総裁「トランプ氏は近く、大規模攻撃を行う」と予測 幸福実現党大会にて
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12944
【関連ページ】
映画「君のまなざし」公式ホームページ
http://kimimana-movie.jp/
http://the-liberty.com/article.php?item_id=12993
《本記事のポイント》
・ 日本にとっての「核リスク」が増す——トランプ氏動けず時間稼ぎ
・ 反日歴史戦の再開——慰安婦少女像は韓国の「リンカン像」
・「核保有」「反日」の統一朝鮮が対馬の向こうに——意外と近い韓国と北朝鮮
緊迫する朝鮮半島に、文在寅政権という新たな混乱要素が生まれた。
「親北・反日」と言われ、何となく危険なイメージのある同政権だが、日本にとって具体的にどのようなリスクがあるのか。3つに絞って紹介したい。
(1)日本にとっての「核リスク」が増す——トランプ氏動けず時間稼ぎ
まず、文政権の誕生は、北朝鮮にとって核ミサイル開発の時間稼ぎになる可能性が高い。
政権誕生について、米主要紙は次のような主旨で懸念を示している。
「新大統領は南北融和と北朝鮮との共同事業を推奨してきた。これは、制裁の強化に進むトランプ氏の戦略に反する」(9日付米ワシントン・ポスト紙)
「文氏の北朝鮮への融和政策は、トランプ政権の対応を複雑にしている。核の脅威を終わらせるたった一つの可能性は、北朝鮮とそのパトロンである中国に対して、米韓が共同戦線をとる以外にない」(10日付米ウォール・ストリート・ジャーナル紙)
「米韓中の不和は、北朝鮮の動きを促すことになるだけだ」(11日付米ニューヨークタイムズ紙)
アメリカから見て、文政権がいかに北非核化の妨げになるかが伺える。
北朝鮮がさらなる核実験を行っても、韓国が望まなければ、アメリカが攻撃する正当性は低くなる。トランプ氏が軍事行動に出ようとしても、韓国軍の指揮権を持つ文氏の協力が得られなければ、断念せざるを得なくなるかもしれない。
金正恩氏もそのことを見越して、アメリカの意志を軽く見るようになるだろう。つまり、圧力の効果が半減するということだ。
また、トランプ氏が文氏と対北戦略を調整している間に、北はさらにミサイル開発を進められる。実際、北は15日早朝、新型と思われるミサイルを日本海に発射した。
この時間稼ぎで割を食うのは、アメリカよりも、日本の方だ。
まず、日本に向いているミサイルの精度はさらに増す。
さらに、アメリカ本土に届く核を搭載したICBM(大陸間弾道ミサイル)が完成するだろう。そうなれば、アメリカは北に圧力をかける際に、自国民を核のリスクにさらすことになる。日本に対して、「すまない。私たちは、前のように、気軽に君たちを助けられなくなった」と言わなければいけなくなる。
アメリカ自身がローリスクで北朝鮮に圧力をかけられるかどうか——。その「レッドライン」が超えられるかもしれない大事なタイミングで、文政権の誕生は大きな番狂わせとなった。
(2)反日歴史戦の再開——慰安婦少女像は韓国の「リンカン像」
文政権誕生の第二のリスクは、激しい「反日歴史戦」が再び仕掛けられる可能性があることだ。
文氏の政治信条は、日本人が思うよりも「反日」に支えられている。彼は、次のような歴史観に影響を受けていると言われている。
「私たち朝鮮民族は永らく、日本に虐げられてきた。大戦後、ようやく独立したにも関わらず、一部の親日的な朝鮮人が国を建てた。それが韓国だ。この流れを汲むのが、朴槿恵(パククネ)をはじめとする保守政党だ。そして、日本に屈せずに戦ってきたのが、金日成から始まる北朝鮮だ。同胞が南北に分断されているのも、日本が悪い」
つまり、文氏の求心力となっている「反・保守政権」の奥には「反日」がある。北朝鮮への親近感の奥にも「反日」がある。今後、文政権が韓国、そして南北朝鮮を一つにするため、「反日歴史戦」にどれだけの情熱をかける可能性があるのかが見えてくる。
歴史戦はまず、世間を騒がせている「日韓合意」の見直しから始まるだろう。
文氏はかつて、「(慰安婦の)少女像設置は真の独立宣言だ」と言ったことがある。彼にとって少女像は、1ドル札のワシントンのような建国の原点。そして、リンカン像のような、国家統一の象徴にもなる。
さらに今年は、ユネスコの「世界の記憶」(旧・記憶遺産)に「慰安婦」に関する文書が申請されている。韓国の民間団体は、慰安婦像の次には「強制徴用工」の像まで立てようとしている。日本企業への損害賠償請求訴訟なども加速するかもしれない。
様々な火種に乗じて、政権が強硬な姿勢を取ってくる可能性が高い。
日本政府としては「対北朝鮮問題がある中、日米韓の足並みを乱したくない」などとして、さらなる譲歩の誘惑に駆られる可能性がある。
(3)「核保有」「反日」の統一朝鮮が対馬の向こうに——意外と近い韓国と北朝鮮
第三の、そして最大のリスクは「反日・統一朝鮮」の誕生だ。
文氏は過去に、「北朝鮮との低い程度の連邦制を実現する」と訴えている。
「そんなこと、韓国国民が受け入れない」と思うかもしれない。しかし、韓国民にとって、「南北統一」は「北朝鮮と戦争をしないで済む確実な方法」でもある。
韓国は、日本よりも北朝鮮のミサイルの被害を受けやすい。
日本であれば、ミサイルが日本海を飛んでいる間に、迎撃する猶予がある。Jアラートが鳴ってから避難する余地も、わずかだがある(正常に作動すれば)。
しかし北朝鮮と国境を接する韓国に、その猶予はほとんどない。北朝鮮による「ソウルを火の海にする」という発表は、日本人が思っているよりも韓国人の心理に効いている。
さらに忘れてはならないのは、韓国が兵役制だということだ。もし北朝鮮との戦闘が始まれば、若者が戦場に送られ、母親たちはそれを見送らなければならなくなる。
今回、対北融和派の文政権が誕生した背景には、目前に迫った北朝鮮との戦争リスクに怯えた人々がいたからとも言われている。
そもそも韓国と北朝鮮の体制は、日本人が思っているほどかけ離れてはいない。
韓国も民主化が宣言されたのは、30年ほど前に過ぎない。歴代大統領が、役目を終えてから必ず社会的に抹殺されているように、北と同じ「人治主義」は根強い。親日的発言をしてきた言論人・呉善花氏が入国拒否されたり、政権に都合の悪い記事を書いた産経新聞支局長が起訴されたりもしている。
そう考えると、韓国国民が「完全な統一ではない、緩い連邦制程度ならいいか」と思う可能性もある。
90%以上のメディアを敵に回したトランプ氏が大統領選で勝ち、イギリスがEUから離脱するまさかの判断をした。国際政治においては何が起きるか分からない。
もし金王朝が残ったまま南北統一がなされたら、「反日」という理念で統合され、核兵器を保有した国家が、対馬海峡を隔てた隣に出現することになる。さらに、在韓米軍もいなくなる。
いたずらに危機を煽るわけではないが、日本としては最悪の事態を想定して備えたいところだ。(馬場光太郎)
【関連記事】
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