クソッ!やっぱりそこを指定してきたか!
ブー!ブー!(ブーイング)
あ、違う。ヴー!ヴー!(ヴーイング) #
というわけで、
前回のしりとりで回されたお題は「ヴ」!
編集長、きっちり
「ブじゃないよ!ヴだからね!」
と釘を指してきた!
いや、わかりますよ、そりゃそうです。
「ブ」と「ヴ」じゃ大きな違いがある。
「ブードゥー」じゃなくて「ヴードゥー」。
「バン・ヘイレン」じゃなくて「ヴァン・ヘイレン」。
下唇を歯に押し当ててぇ〜
……「ヴ」!
となると普段の私の流れでいえば
「ヴードゥ……」と行きそうなもんだが、
今回はせっかくなので
「ヴ」と聴いた瞬間に思い出した、
普段の流れでは出さないところをピックアップ。
『ヴィルヌーヴに憧れて 』 by プレイグス
プレイグスをご存知か?
日本が誇るべきロック職人、
深沼元昭氏擁するロックバンド、
プレイグスをご存知か?
アメリカンミュージック、
特に南部サウンドを強く意識したギターを軸とした
実にグルーヴィーなロックサウンドを武器に
90年代中頃にメジャーデビュー。
2002年に活動休暇と称した活動停止後、
10年の間を開け、2012年に活動を再開し、現在も継続中。
ヴォーカル&ギターの深沼元昭氏
(フクシマン土屋氏と同じく福島県出身だ!)
はこのプレイグス以外にもソロプロジェクトのメロウヘッド、
元ピールアウトの近藤智洋氏とのバンド、ギーや、
佐野元春氏のバンドでも活躍し、
更にはレコーディングエンジニア、プロデューサー、楽曲提供と
八面六臂の大活躍を続けている、まさにロックの職人であります。
(実は筆者、中高生の頃からかなり尊敬しております)。
1996年作のアルバム
「センチメンタル・キックボクサー」に収録されている当曲は
1982年にレース中の事故で亡くなったF1レーサー、
ジル・ヴィルヌーヴへの憧れをソリッドなギターリフに乗せて歌った、
まさにF1レースさながらの勢いに溢れた一曲であり、
ひたすら「why can not I be you?」と繰り返されるリフレインが、
言葉の連なりだけが情感を生むのではなく、
同じ言葉を繰り返すことで生まれる情感がある、
ということを教えてくれる良曲であります。
(言葉の繰り返しによる情感というのはまさにブルースの方法論なのだけど、長くなるので割愛)。
が、これだけでは話は終わらない。
実は上記のアルバムとは別に、
2012年発の「アワ・ラスティ・ワゴン」というアルバムにも
当曲が収録されている。
こちらは当時の基本的なアレンジはそのまま、
細かいアレンジとサウンドをブラッシュアップした新録ベスト、
という作りのアルバムになっているのだが、これが面白い。
「えっ、そこ変えるだけでこんなに印象が替わるの!?」の連続!
氏曰く
「当時(1996年)はアナログレコーディングとデジタルレコーディングの過渡期で、デジタル録音の癖を把握できていなかった」
とのことで、確かにオリジナルと新録版を比較すると
圧倒的に新録版の方が音がよい。
そしてなにより、
オリジナルでのプレイよりも新録版の方が演奏が気持ちいい!
「年齢とともに上手くなるとはこういうことか!」
と、当時の筆者は唸りながら感服しきりでありました。
世代的にうちの編集長と深沼氏は同年代なのだが、
こういう人たちがプレイしてくれた
「60、70年代的な音をきっかけに音楽にのめり込んでいった」のがまさに私。
音楽には必ず系譜がある。
好きになった音楽のその親は?さらにその親は?
という探究心が生まれるのもきっかけが良かったからに他ならない。
その意味でもこの曲については是非書いておきたい……
なんてことをね、
「ヴで!よろしく!」と言われた瞬間に思ったわけです
(なにせ"ヴ"ィルヌー"ヴ"と、ヴが二つもついとるわけですから(笑))。
というわけで珍しく
日本のロックバンドから一曲お届けしたところで
次回は「て」!「て」でございます!
ひらがなの「て」で!
とは申しません(笑)!
さあ、編集長、どう出るか?
乞うご期待!
《 ハウリンメガネ筆 》
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