
『へいへいとして水を味ふ』
発音すると
『ひょうひょうとして水を味う』となります。
原作が『飄々』ではなく『ひょうひょう』な理由は、作者が漢字から受けるイメージを嫌ったからだと言われています。
放浪の旅の途中でカラカラになった喉を潤す為に飲んだ水は、身体に染み入るようだ、ということのようなのですが、この時山頭火は『ひょうひょう』と言う言葉がよぎったそうです。
それは『飄々』ではなく『ひょうひょう』だというのです。
きっとそれは辞書に出てくる『飄々』ではない『ひょうひょう』なのでしょう。
生涯酒と共に喜怒哀楽を味わった山頭火の身体に、酒ではなく水がしみ込んでいった様は、『ひょうひょう』だったのでしょう。
ゆえに私も略さず書いてみたわけですが、変体仮名を使わず、あえて同じ文字を繰り返すことの難しさを痛感しました。
まさに『ひょうひょう』な心境で書かねば乗り越えられないのかもしれません。
酒で困るような生活をしたこともなく、放浪の旅に出たこともない私なのに、なぜか山頭火の句が心に染みるのです。
レインボーの『A LIGHT IN THE BLACK』を聞きかながら書いたなんて、山頭火もびっくりでしょうね(笑)
僕にとってのROCKは山頭火にとっての『酒』なのかもしれません。