茂人と大樹が居酒屋に到着して30分後・・・・
飲み会は絵里の子供話、茂人とデワントンが平時経営する銭湯の話などの話題で・・
より一層盛り上がった。
ラウラは今までの教官でこれからの教官である茂人の事を知る事ができ・・・・
デワントンと仲良く夫婦生活の話は特に面白かった。
デワントン「子育ては最初慣れなかったけど、あれから10年近くやってきて人生これほどまで楽しかったなと思ったわ。」
星村絵里「まぁそろそろ反抗期の時期だけどね・・・・」
デワントン「そうだけど、大変だったイヤイヤ期も今ではいい思い出よ。」
絵里とデワントンは10年近い母親経験を持っている・・・・・
近くで絵里を見てきたミアンを除く未婚のメルトラン達は・・・・・・
いろいろとカルチャーショックを受けながら、興味深く聞いていた。
なんせ結婚し子供を授かる事はゼントラーディ軍社会ではありえないからだ。
いろいろと聞いていくうちに・・・・・
ラウラ「男と女が愛し合って子供を作ると言うけどどうやって?」
デワントン「・・・・・・・・」
星村絵里「ラウラ・・・・・この話はこの場でするような話じゃないんだけどな、やめようか?」
ラウラ「なんで?」
星村絵里「恥と言う文化からよ、まったく知りたければインターネットで調べるか行政に頼れ!」
ラウラは子供をどうやって作るのかをデワントンや絵里に聞いてきた。
突然の子供をどうやって作るかと言うラウラの発言に大樹と茂人は・・・
飲んでたビールを吹き、子供をどうやって作るのかを知っていたミアンは顔を赤らめた。
メリルやロザはまったくその知識がないせいか、何が何なのか戸惑っていた。
デワントンは余りにも突然な発言に上の空になり・・・
絵里は呆れながらラウラにインターネットで調べろと言った。
ラウラ「ここで言えないわけ?そこまで秘密なわけ?」
星村絵里「バカ!性教育に関わる事を公共の場で言えるわけないでしょ!堂々と言ったら変態扱いされるわけ!」
ラウラ「変態って何よ!」
星村絵里「分からんなら、自分の身で味わえこのバカ!」
吉野大樹「お~怖」
インターネットで調べろと言われたラウラだが納得していない・・・
むしろここで説明しろと口調強め言うが、絵里は更に口調強めて反論した為・・
ラウラと絵里の口論合戦に発展し、その隣で大樹は二人を怖いと言った。
茂人とデワントンは呆れながら見てたが・・・・・
桐原少佐「ラウラ、性教育関連をここで教えろと言っているうちはまだ子供を作る事を知るにはまだ早いな。」
ラウラ「教官・・・・・何故・・・・」
桐原少佐「ラウラは23歳ではあるが、性教育関連はまだ子供レベル。きちんと行政の支援で性教育を学んでこい。」
ラウラ「でもこれから部隊が・・・・」
桐原少佐「教材は一式貰える、空いている時間で学べばいい。それよりもこの話は置いて置いて酒を楽しめ、酒が不味くなる。」
ラウラ「・・・・・はい・・・・分かりました。」
茂人から行政の支援で性教育の教材を貰いしっかり学べと言った。
ラウラの性教育のレベルはまだまだ子供レベルである・・・
まだ子育てとか子作りをしていいようなレベルではない。
変に性知識を知りやってしまえば取り返しのつかない悲惨な結果になる
と茂人は懸念しており、しっかり学んでから考えて欲しいと思っていた。
デワントン「父親らしい事言うわね~茂人。」
桐原少佐「現に父親だからな思う所もある。」
デワントン「なるほどね、娘達が大きくなればラウラと同じように教えるわけだね。」
桐原少佐「それが親としての義務だと思っているからな。」
ラウラにきちんとした性教育を受けろと言ったのは娘の将来のため。
娘達も将来大きくなれば性に関わる機会が増えてくる・・・・
誤った知識を覚え不幸な目に遭って欲しくはないと考えていた。
その練習のためにラウラを教育した。
茂人の命令にラウラは渋々従った。
子供関連の話や性教育関連の話から最近のニュースの話題になった。
ロザ「そう言えばゼネラル・ギャラクシー社、最近最新鋭機の発表があると言う告知ありますね。」
ラウラ「最新兵器?」
吉野大樹「空戦能力に優れ安価な軽戦闘機を開発しているんだ、詳しくは言えんが・・・・」
ラウラ「へぇ」
ゼネラル・ギャラクシーの新型可変戦闘機の発表。
最近、可変戦闘機パイロット・・特にゼントラーディ人パイロットの間で話題になっていた。
噂ではこの可変戦闘機開発にはゼントラーディ人が携わっていると言う理由から・・・・
ゼントラーディ人社会において整備や開発の技術を持っていないのが当たり前で
その中から開発者として最新鋭機に携わっていると言うのは衝撃的な話だった。
星村絵里「確かアルガス・セルザーとか言う名前のゼントラーディ人だったとか・・・」
メリル「聞かない名前ですね。」
星村絵里「恐らくだけど無名の一般兵士のようね。」
開発に携わっているゼントラーディ人.アルガス・セルザー・・・・・
あまりにも無名過ぎて、絵里達は全然知らなかった。
むしろゼントラーディ軍は何億の兵員がいるため・・・
ラウラや絵里達がアルガスの事を知らなくても当然であり・・
特に何も問題がない・・・・
ただ・・・・・
ミアン「同胞が戦闘以外の重要分野に携われるなんて光栄ですね。」
デワントン「ゼントラーディ人の議員や社長とか珍しくないからね、将来的に首長とかでそうかな・・・・」
星村絵里「新統合軍に進まなくても上手くやれるってある意味才能開花したのかな~」
戦闘以外の事を知らなかったゼントラーディ人たちが・・・・
非戦闘分野の重要ポジションに就けたと言う話は自分の事のように誇らしい。
開発者や技術者だけでなく、社長だったり議員だったりと・・・・
軍を離れ民間社会に進出したゼントラーディ人は様々な末路を辿ったが・・・
あらゆる分野で出世した者が数多くいた。
そんな彼らの姿を見て新統合軍に進んだゼントランも誇らしかった。
星村絵里「首長ね・・・・あっミリアか・・・・」
ラウラ「ミリア??」
星村絵里「うん、ミリア・・・軍辞めたら将来市長になるらしいですって」
ラウラ「ん?ミリアが!?」
いろいろと軍に進まなかったゼントランの話をしていると・・・・
絵里がミリアが軍を辞めたら市長になると然り気無く言った。
ミリアが軍を辞めて市長になる、それを聞いたラウラは唖然とした。
市長とかどんなものかはラウラは歴史の本を読んで知っていた。
選挙で選ばれた行政の長であり、新統合政府統治下では現地基地に対する指揮権があると・・
そんは選挙で選ばれた行政の長にミリアがなる・・・それが事実なら笑い話だ。
ラウラ「あはははははははは」
星村絵里「何がおかしいのよ?」
ラウラ「ミリアが首長ねぇ、キャラじゃないわ。選挙で勝てるのかしらね?」
行政の長にミリアがなれるわけがないと思っていたラウラは笑って否定した。
ミリアが選挙で勝って市長になれるわけがないと・・・・・・
絵里はともかくデワントンはラウラの発言に少し気を悪くしたが・・・・
ラウラはそれを気にせずか、ミリアが首長になることを笑いながらバカにしていた。
それを激怒したのか、大樹が席を立った。
吉野大樹「最低だな、人のやろうとしている事を笑うなんて。」
ラウラ「えっ」
吉野大樹「そんなにおかしいのかよ!自分のやりたい事をやろうとする事が!」
ラウラは席を立った大樹にビンタされた。
突然の出来事にラウラは動揺して、何もいい返せてなかった。
周りも動揺しているのを確認できるが、何より大樹の表情が怖かった。
まるで自分を見つめる獣のように・・・・
動揺しているラウラに向かって大樹は一言放った。
吉野大樹「自分がミリアいやミリア・ジーナス中尉の立場でさっきの発言を言われたらどうする?」
ラウラ「!?・・・・・・・嫌です、気分悪くなります。」
吉野大樹「今それをやったんだ、軍人いや人として恥じる事をしたんだぞ!自分に言われたら嫌な事を他人に言うな!」
自分に言われたら嫌な事を他人に言うな!・・・・・と
ラウラがミリアに向かって言った事はまさにそれで・・・・・
大樹からしたら平然と笑いながらいい放つラウラが腹正しい事だった。
デワントンは大樹に何か言おうとすると、茂人が前に出て・・・・
桐原少佐「吉野!!」
吉野大樹「ハッ、隊長。」
桐原少佐「口が厳しいぞ、ラウラの態度は怒るべきだが・・・言葉の使い方を間違えるとお前が加害者になる。言葉を慎め」
吉野大樹「申し訳ございません。」
桐原少佐「ラウラに言うのもなんだが、お前もお前だ。一応一つ上の歳上だからな。」
口厳しくラウラを叱る大樹を注意した。
周りの雰囲気も悪くなるし、ラウラも泣きそうになっており・・・・・
このまま放置してたら他の席の客にも店員にも迷惑になってしまうので・・・
茂人は大樹を睨み付け事態の収拾に努めた。
注意された大樹はあっとなり、冷静さを取り戻した。
ロザ「副隊長、ベルタリア准尉の直属の部下になるのであまり口調は厳しくしないほうが・・・・」
吉野大樹「分かってる、だがさっきの発言はどうしても許せなかった。ラウラ・・・悪かった。」
ラウラ「いえ・・・・私の方こそすいません・・・・気遣いできなくて・・・」
気まずい雰囲気になってしまった・・・・・・
ラウラと大樹はお互い謝ったが、さっきのやりとりで溝が深くなった。
それにラウラは大樹の直属の部下になるので、今後やっていけるか・・・
二人はこれから上手くやっていけるか不安になった。
桐原少佐「吉野大尉、ベルタリア准尉!!」
吉野大樹「ハッ!!」
ラウラ「あ・・・はい!!」
桐原少佐「神楽もいるが、上手く関係は築いていけ!!お前らならやれる」
吉野大樹「了解いたしました。」
ラウラと大樹の行く末を心配した茂人は二人に上手く関係を築けと命じた。
今後、二人は同じ部下と上官と言う関係で部隊勤務をする事になり・・・
いつまでもぎくしゃくした関係でいるわけにはいかない
上手く関係を構築し、神楽含め強い小隊として活躍してもらいたい
と茂人は思っていました。
ラウラ「隊長、私たち上手くやれるのでしょうか?」
桐原少佐「上手くやれる・・・・最初は微妙な雰囲気のまま続くと思うがな・・・・やれなければ・・・」
ラウラ「やれなければ・・・・・」
星村絵里「死だと思うな私。」
ラウラ「死・・・・・・・」
上手く関係を構築しなければ待っているのは・・死
茂人が言う前に絵里が言った今のままのラウラ達の行く末路・・・・・
ラウラと大樹はその言葉に戦慄を覚えた。
絵里の言う通りラウラと大樹の連携乱れれば死亡率が高まり・・・
更に小隊員である神楽も巻き込まれる形で死んでしまう可能性が高かった
星村絵里「まぁぐだぐだ言っても何も始まらないからとりあえず料理食べて酒を飲もうな。」
ミアン「今回は祝いの席ですし、暗い話を止めしっかりと楽しんだ方がいいと思います。」
ラウラ「・・・・それもそうだよね。」
吉野大樹「よく考えた場を悪くしてたな、すまない。」
デワントン「気にしないで飲もうね。」
また酒の席の雰囲気が悪くなって事を危惧した絵里とミアンは・・・・
もう暗い話を止め酒を飲み料理を食べながら楽しむ事を提案した。
せっかくの祝いの席なのに暗い雰囲気なのはもったいないと・・・・
メリルとロザは雰囲気の悪さに、落ち込んでし
気まずいままの新たな門出はこの先の行く末に不安に感じてしまう。
絵里はラウラ達に今日はしっかり楽しんで・・・・
これからの可変戦闘機パイロットとして過ごして欲しいと思っており
思いきって提案した。
ラウラと和也は絵里の言葉を聞いて自分たちが・・・・
祝いの席を台無しにしている事に気がついた。
二人はしっかり皆に謝罪し、再び飲食を再開した。
デワントン「この先大丈夫かなぁ・・・」
食事を再開したラウラと大樹を見てデワントンは二人の身を案じた。
これから上手くやっていけるのか・・・・・
上手くやっていけるのか、愛する夫茂人は指導できるかと・・・・
それから数時間後、ひと波乱あった祝いの席はお開きになった。
ラウラと大樹、二人の人間関係に火種を残しながら・・・・