ブロォォォォォォン
惑星スウェート.ケイオス基地と新統合軍基地の隣の湖に着水するコラール・シー。
艦長のバルゼー大佐以下の士官はボートで生存者のテントがある陸地まで向かう。
当然、上空には襲撃されないように艦載機のVF-31Aカイロスが上空を警戒する。
ボートは陸地につき、ケイオスの生き残りの職員が出迎える。
バルゼー艦長は敬礼し、状況を確認する。
ミラージュ「うっ・・・・・ん・・・・」
メリル「隊長、お目覚めですか?2回も気絶したんですよ。」
ミラージュ「2回気絶か・・・・・私は何をしているんだ・・・まったく・・・」
メリル「無理がたたったんでしょう、もう少しすれば自力で歩けるほど回復しますよ。」
ミラージュは2度目の気絶から回復する。
メリルとカークの献身的な看病によりミラージュは順調に体を動かせるほどにまで回復する。
ゼントラーディ人の血を引いているため常人より怪我の回復は早い。
ミラージュ「なぁメリル。」
メリル「なんでしょうか?隊長?」
ミラージュ「あのVF-31は何処の所属?」
ミラージュは部下のメリルに質問をする。
気絶しながらもあのVF-31カイロスの新統合軍の標記と地球本国を示す標記。
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地球の何処の部隊なのか気になっていた。
本来辺境に無関心な地球本国軍がなぜこの紛争地にいるのかミラージュには理解ができない。
理解できるとなれば、ここに何か特別な任務を与えられているのか?
彼がここで活動するに当たっては特別な任務があるそうじゃないと説明がつかない。
ミラージュの問いに対しメリルは・・・・
メリル「第29試験隊だそうです。」
第29試験隊
噂には聞いているが最新鋭機の試験を行う通称モルモット隊の一つである。
ミラージュは新統合軍時代にVF-ⅩⅩゼントラーディアン・バルキリーらしき物が開発されていると当時の上官から聞いていた。
ミラージュ「第29試験隊ならば分かるが・・・・・・本国はここを最新鋭機のテスト上に選んだのか・・・・・・」
ミラージュは第29試験隊の目的を察する。
惑星スウェートでの紛争を利用し最新鋭機のデータを得る。
いやらしいやり方だとミラージュは思った。
その頃・・・・・
【ウラガ級空母コラール・シー】
バルゼー艦長はフォールド通信を行い、地球のマクロスシティ.新統合軍参謀本部に通信を入れていた。
現地到着の連絡兼現地で投下された戦略反応弾の報告である。
エクセグラン「戦略反応弾を惑星スウェートに投下したか・・・・・・」
新統合軍参謀本部参謀.エクセグラン・ジリ大佐
バルゼー「現地部隊はそう証言しています。」
エクセグラン「ぬぅ戦略反応弾の出所を調べないといけんな、反統合系のゲリラが作成できるのは99%無いに等しいのだがな・・・・・・」
エクセグランは戦略反応弾の投下の件による出所問題に関して難しい顔をする。
反応弾は銀河条約でも使える兵器ではあるが、中央政府の命令なしでは使用は不可能である。
それに横流しするのは極刑、惑星ゾラで反応弾の横流しがあり関与した高級高官は軍法会議で銃殺刑にされている。
エクセグラン「とにかく、反応弾の流出の件は調査しておく。下手すれば12年前のウィンダミア独立戦争のような事になる君もくれぐれここの反統合系組織には警戒してくれ。インメルマン大尉、例の資料を・・・・」
アヤメ「ハッ」
新統合軍参謀本部アヤメ・インメルマン大尉
一人の蒼い髪をした女性士官がエクセグランに資料を渡す。
バルゼーはインメルマンと言う名字に注目する。
インメルマンというとウィンダミア独立戦争時、ウィンダミアに次元兵器を投入した人物であるライト・インメルマン少佐が思い浮かぶ。
バルゼー「ジリ参謀、そのインメルマン大尉はライト・インメルマンの?」
バルゼーはエクセグラン参謀に質問した。
エクセグランは黙って縦に首を振る。
ケイオスと新統合軍の残存部隊はウラガ級へ収容した。
サイズ的にも人数的にも余裕があるため残存したVF-171やVF-25そしてケイオスのVF-31はコラール・シーに収容された。
当然ミラージュ達のセンチネル小隊も同様である。
■ウラガ級コラール・シー搭載数
YVF-2バルキリーⅡ:10機
VF-XXゼントラーディアン・バルキリー:20機
VF-31カイロス(新統合軍):20機
VF-25メサイア:8機
VF-171ナイトメアプラス16機
VF-31カイロス(ケイオス):10機
VF-31Cジークフリード:1機
ミラージュ「これが地球本国のVF-31Aカイロス・・・」
自力で歩けるよるにまで回復したミラージュはウラガ級の甲板に出てVF-31Aカイロスを見ていた。
シャークマウスのノーズアートがなされ、まるで第2次世界大戦中に米海軍が使用していた戦闘機のカラーリングなされている。
ミラージュは心の中で美しいと呟く。
「見学かい?」
VF-31カイロスを見ていたミラージュの後ろから若い男性の声が聞こえる。
グレーの髪をした若い男。
よく見ると新統合軍のエースで地球の蒼き鷹と言われたクラウゼン・プラート大尉であった。
ミラージュ「はい・・・・」
クラウゼン「君はケイオスの制服を着ているけど?官姓名は?」
ミラージュ「私はケイオス.スウェート支部第4戦闘航空団センチネル小隊隊長ミラージュ・ファリーナ・ジーナス大尉です。」
ミラージュはクラウゼンに自己紹介をする。
地球のエースであるクラウゼン・プラート大尉の前では流石に気の強いミラージュでも恐縮する。
するとクラウゼンは恐縮しているミラージュにある質問をする?
クラウゼン「もしかしてアテナ・マリア・ハリアス少佐の従姉妹か?」
ミラージュ「はいそうですが。」
ミラージュは従姉妹であるアテナと従姉妹関係である事を肯定する。
アテナ・マリア・シーン
コミリア・マリア・ファリーナ・ジーナスとロット・シーンの長女であり、新統合軍の軍人である。
VF-19エクスカリバーを駆って、反統合系組織やはぐれゼントラーディ相手に多大な戦果をあげた軍人である。
バジュラ本星の戦闘に母や叔母従姉妹そして祖父母と共に参戦している。
結婚したくさんの子宝に恵まれている、そして現在はアグレッサーの指揮官として活躍している。
クラウゼンと一体どんな関係があるのか?
ミラージュはそう思っていた。
クラウゼン「ハリアス少佐は自分の教官でしたのでつい・・・・」
ミラージュ「アテナが教官なんですか?」
クラウゼン「はいそうです。マリア教官にはお世話になりました。」
クラウゼンは照れ臭そうに言う。
案外反統合系組織にも恐れられているクラウゼン・プラート大尉もハヤテみたいに抜けているところがあるな。
ミラージュは遠い地にいるハヤテを思い出す。
クラウゼン「申し遅れました第29試験隊隊長、クラウゼン・プラート大尉です。以後よろしくお願いします。」
ミラージュ「こちらこそ。」
クラウゼンとミラージュは握手する。
まるでハヤテと握手しているみたいだ。
ミラージュは遠い地にいるハヤテやフレイアそしてラグナの皆を思い出す。
クラウゼン「ジーナス大尉、少し内部のハンガーへ行きませんか?」
ミラージュ「へっ!?」
ミラージュは突然ハンガーへ行きませんかという言葉に驚く。
会って直ぐデートとか早すぎる、純粋なミラージュはそう考えてしまう。
顔も悪くないしそれに他の女性に睨まれるし・・・・
ミラージュは5年前に目覚めた乙女心でいろいろ考えてしまう・・・・・・
ミラージュ「よろしければ・・・・・」
ミラージュは恥ずかしながら言う。
クラウゼンはでは行きましょうと言いミラージュをハンガーまで連れてい。
【格納庫】
ミラージュ「これは・・・・・・」
クラウゼン「この機体はYVF-2バルキリーⅡ、新たな可変機時代を造る機体だよ。」
ミラージュが目の前で目にした物は最新型のYVF-2バルキリーⅡ・・・・・・
地球本国が開発した最新鋭機である。
その懐かしさもあるが、最新の技術が導入されたYVF-2バルキリーⅡにミラージュは虜になる。
ミラージュ「綺麗・・・・・」
ミラージュは綺麗といい、周りの物が何も見えなくなった。